黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  237〜240件 
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1027. 2002年02月10日 23時22分38秒  投稿:SAMANA 
6号室SAMANAです〜。

 『ゴサインタン』 篠田節子氏 読了

  物質文明の疑義というか、神に対する意識の再確認という
  か、日本の歴史とアジアの国の現状の再認識の必要性とい
  うか、そんなもろもろのテーマを一つの壮大なファンタジ
  ーにぶち込んだ物語とでもいったところ・・・かな(笑)?

  SFの要素に新興宗教問題をからめだしたあたりから、影
  響受けちゃいけない と自分に言い聞かせながら読んでま
  した。主体性がないから考え方にすぐ染まっちゃいそうで
  すごく恐かったのです(苦笑)。
  途中から違う展開になっていったので事なきをえました。

  全体の印象としては、重いテーマをファンタジー(SF?)
  にからめてしまってるので、ちょとその処理に無理が見え
  るように思えます。ファンタジーの部分が未消化・ほっぽ
  りっぱなしという感想が抜けず、その中途半端な状況が重
  いテーマ部分にも悪影響を及ぼして全体を不透明にしてる
  ような気がして仕方ありません。とは言っても読んでる間
  はグイグイ引きこまれていたんですけどね(苦笑)。

  なんだかとっても不思議な小説でありました、ハイ。

そいでは!!
1026. 2002年02月07日 00時16分48秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『麦酒の家の冒険』 西澤保彦氏 読了

  私、この作品は東野さんの『名探偵の呪縛』のようにキャ
  ラ達がパラレルワールドに迷い込み、その世界の中で遭遇
  した不可解な事件について、麦酒を浴びるほど飲みながら
  ディスカッションして、論理的に解決してしまうと元の世
  界に戻ってしまったという話だと思い込んでいました。
  まったくの大ハズレ。これって現実世界での話だったんで
  すね(汗)。

  面白い。確かに面白いです。ものすっごく面白いし、「お
  おっ! この事象がこんなパズルの部分にピタッとはまる
  なんて!!」というようなカタルシスを味わう場面もあっ
  たけれど・・・、何かが心に引っかかってます(汗)。
  見せ方の問題だけなのかもしれませんが、どうしても「論
  理的推理」でなく「論理的想像」の味わいしか感じること
  が出来ませんでした(爆)。

  複数の物的証拠・現場動向から推理して構築した論理でも
  って「唯一無二の答」にたどりつくのではなく、同様の証
  拠等から想像して(中には秀逸な推理と言うべきものもあ
  ると思うけど)作り上げた「考えられる答のうちの一つ」
  が、たまたま正解であったという印象です。

  ううう。この2つの印象。言い回しを変えてるだけのような
  気がしてきました(泣)。
  やっぱり見せ方=作品構成に惑わされてるのかしら?
  んでも「九マイルは遠すぎる」を読んだときに感じた「こじ
  つけ」「そら無茶やで」という感覚は今のところぬぐえそう
  にありません・・・・(笑)。

そいでは!!
1025. 2002年02月05日 12時28分08秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです。

 『赤い箱』 レックス・スタウト氏 読了

  ネロ・ウルフ&アーチー・グッドウィンの名コンビシリーズの
  4作目。絶対敵にしたくないコンビだと痛感いたしました(笑)。

  話そのものは、実はそんなに大したことないように思えて仕方
  がありません(爆)。これはやっぱりウルフが事件を解決する
  ための方策やウルフと依頼人・容疑者達・警察などとの丁々発
  止のやりとりを楽しむシリーズなんでしょうね。
  めったにキャラ萌えなどはしない私ですが、ウルフとその周辺
  キャラにはかなり愛着を覚えます。
  でも、もし私が犯人でウルフが事件の解決に乗り出したとした
  ら・・・、絶対外国に高飛びするだろうなぁ(笑)。

そいでは!!
1024. 2002年02月02日 00時21分26秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『失踪当時の服装は』 ヒラリー・ウォー氏 読了

  前に読んだ『事件当夜は雨』とは異なるキャラが活躍する、警察小説
  です。個人的にはこちらのほうが好みでした。
  んでも、この本の主人公である署長さんのようなタイプがもし本当に現
  実の世界にいたとしたら、「冤罪」をいくつも作りそうでとっても恐い
  です(爆)。

  署長の捜査方針と警察の大規模組織捜査で犯人を追い詰めていく過程が
  たぶん一番の楽しみどころであろうこの作品。本格ミステリの展開を望
  んでる読者はちょっと失望するかもしれませんが、本格の展開さえ望ま
  なければ、一級の事件小説・警察小説(といってもやっぱりフィクショ
  ンの範囲でですけど)だと思いますー。

  マクベインの「87分署」シリーズよりは、シューバル&ヴァールーの
  「マルチンベック」シリーズの雰囲気により近いタイプだと思います。
  ただ、こちらの署長のほうが、より「執念」「猟犬」タイプなのは間
  違いありません(笑)。

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]