黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY
本に関する談話室です。
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1059. 2002年04月15日 23時31分21秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『私が捜した少年』 二階堂黎人氏 読了
本格愛好者の二階堂氏が世に送り出したハードボイルド短編集。
なのに、やはり本格風味が漂ってます。これはもう「性(さが)」と
しか言いようがないんじゃないでしょうか(笑)?
話の設定とかなり大げさな文章表現との関係から、ハードボイルドの
パロディとみなされているようですけれど、作者は「パロディ」の意
図はなく、ただ単に「コメディ」を狙ったんだと思ってます。
読み始めた時は、かなりとまどいを覚えました。設定をもう少し緩和
すれば、まだ納得できる「無茶」なのに・・・と思っていたんですが、
そんなに堅く考えず、ただ単に「エンタテイメント・コメディ」とし
て読もうと思い直したあとは、すんなり楽しむことが出来ました(笑)。
あと、このお話のパターンは赤川次郎「三毛猫ホームズ」の各作品を
思い起こさせてくれました。もちろんこれもパロディではなく、話を
まとめるにあたって、「一番適したパターン」に過ぎないんでしょう
が(笑)。
そいでは!!
1058. 2002年04月14日 17時13分03秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『悪魔の家』 横溝正史氏 読了
昭和14.15年ごろの作品をおさめた短編集。持っているのは角川文庫
なんですが、こんなに古い作品群、しかも金田一ものもしくは幻想
耽美系でないものも角川文庫からでていたとは知りませんでした(汗)。
金田一作品の大ブレイクは、好事家にとっても思いも寄らないメリッ
トを与えてくれたみたいですね(笑)。
おさめられた作品のほとんどは、幻想耽美猟奇というよりは怪奇色も
感じさせる冒険活劇の色が強いように思います。
戦争の影が色濃くなりはじめた時代だったため、こういったタイプの
作品を書いたんじゃないかと邪推してますが、本当のところはどうな
んでしょうね(汗)?
根はハイカラな方だったようですので、こういう活劇系統もひょっと
したらお好きだったのかもしれない(笑)。
「薔薇王」が陰のある義賊系、「嵐の道化師」がミステリ系で楽しく
読めました。ちなみに「嵐の道化師」と「黒衣の人」という短編には
あの由利先生が、この2作品と表題作の「悪魔の家」には三津木俊助が
登場いたします。カッコ良いです(笑)。
そいでは!!
1057. 2002年04月12日 13時00分32秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『追跡者』 阿井渉介氏 読了
今でも恐らく警視庁捜査一課シリーズとかいうものを書き続けて
いるだろうと思われる阿井渉介さんの初期の作品。
本格ミステリでなく、冒険ハードボイルド小説であります(笑)。
解説者ほど思い入れはありませんが、そこそこ楽しめる作品だと
思います。シリアスな主人公の行動を追いかけるだけでなく、全
体に渡る事件の仕組みが考えられていますし、その回答に意外性
も用意されています。抒情性もあります(爆)。
ドキドキ&ハラハラ&感動!! とまではいきませんが、フムフ
ム&ほ〜っ&なかなかやるなぁ といった感想は、苦笑する箇
所がいくつか含まれるでしょうが、持つことができるのではない
でしょうか(笑)?
そいでは!!
1056. 2002年04月11日 22時56分54秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『女王陛下のユリシーズ』 アリステア・マクリーン氏 読了
「黒猫荘オフ in 関西」をはさんで読書したため、物語にのめり
こむ条件になかったのが至極残念。マクレーンさんには申し訳ない
ことをしてしまいました(汗)。
んでも、続きをオフ翌日以降に読んでみると、もうそこは一気呵成
に読了。いやはやなんとも物凄い。ありとあらゆる艱難辛苦に立ち
向かう、男達だけの物語。熱い魂が冷静な記述なるがゆえに、より
いっそうひしひしと読者の胸にしみこんでくるように感じました。
ハヤカワ文庫『冒険・スパイ小説ハンドブック』での、海洋冒険小
説ジャンルで、1位となっていたことから興味を持って読むことに
したこの作品。冒険小説はほとんど読んでおりませんが、まさに1位
にふさわしい作品だと納得してしまいました。
このハンドブックに掲載されている作品を私はほとんど読んでおり
ませんので、これから私はそんな未読作品を目いっぱい読むことが
出来ます。まだまだ読書はやめられませんね(笑)。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]