黒猫荘
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これがワテのお勧めやねん!!
オーナー:SAMANA
SINCE 1999.5.4
ようこそ16号室へ!! 私がこの部屋でやろうとしていることは、
1)ミステリ未経験・経験少ない人にミステリ好きになってもらおう!!
2)ある程度の経験者にはまだまだこんなミステリがあるってことを知ってもらってますますミステリ好きになってもらおう!!
3)ミステリどっぷり者には、DEEPな情報をお互いに提供・体験してもらって「アッシャー家」のように泥沼に沈んでもらおう(笑)!!
と、要は「ミステリを好きになる人が増えればいいな」ってことです。
皆さん、「お勧め本」のご紹介よろしくお願いします。「お勧めダブり」は大歓迎。集計して「お勧め人気度」もだしたい(笑)。
でもネタバレはやめてね!!!
ウダ話OK。ミステリウダ話(ミステリにちょっとでも関係した雑談。例えば小ボケ・小ツッコミ・オフ話等)で
ミステリに興味を持ち始める可能性はあると思います。
ただしウダの内容は『皆様の良識』に期待!!
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2551. 2024年01月01日 14時30分32秒
投稿:SAMANA
んでは、2023年読書で面白かったミステリ系エンタメ小説の再掲ご紹介。
とは言っても、文庫派&積読派なので相も変わらず旧作ばかり(;^_^。
何かの足しになれば幸いです。
ではどうぞ!
『金塊船消ゆ』 多島斗志之 講談社文庫
戦中の東南アジアで命令された謎の行動をめぐり、金塊探しに巻き込まれた
当事者たちを描いた冒険長編。
灼熱というよりは青白い炎、血沸き肉躍るというよりは地味目というか土台に
しっかり根を張ったストーリー展開。荒唐無稽な設定なのに実際に起きうるこ
とかのように感じさせる書きっぷりは、いかにもこの作者らしいと思ったり。
『都会のトム&ソーヤ 20 トムvs.ソーヤ 』 はやみねかおる 講談社YA! ENTERTAIMENT
まちとむシリーズ21作目(20なのに21作目になるところに、ただではすませ
ないミステリ作家魂を感じるのは私だけ?)。
本編も面白かったけど、特筆は坂田先生がみんなに残したメッセージ。正直、
これだけでもう「とても楽しめた」に決まりました。本当に胸がいっぱいにな
って泣きかけましたから。電車の中だったので我慢しましたけど。●を前にして
のこの心持ち、私には絶対に無理…( ノД`)シクシク。
『超・殺人事件 −推理作家の苦悩−』 東野圭吾 新潮文庫
極私的感想としては「超極上の本格ミステリ」短編集。
当時(今も?)の小説業界の状況を素材として、シニカル&誇張のブラック的ユ
ーモア(あくまでも"的"。ブラックと言い切るには否定感が感じられず、むしろ
"笑い飛ばす"感じがする)を基盤にすえて、本格ミステリで活用される各種テク
ニックを、東野流に惜しげなくぶち込んだ各話は、まさに至高の作品群。こんな
に作家の"手練れ"を感じさせる短編集を読んだのは初めてかも。絶品でした。
『念力密室』 西澤保彦 講談社文庫
超能力の秘匿前提での存在事実及びその犯罪対応世界の設定。
密室の超能力による新たな謎アプローチとロジック主体推理。
非現実的世界ゆえの萌え・クールビューティ・一般人名探偵による更なる
魅力的作品世界。その全てが超好みですが、各話で示されるロジックがひ
ときわ素晴らしい。よくぞここまで複数の見事なロジックが生み出せるも
のだと、感嘆しかありません。
『喪服のランデブー』 コーネル・ウールリッチ ハヤカワミステリ文庫
海外長編サスペンスミステリ。
70年以上前に書かれた作品ですが、平成時代でもテレビのドラマ化や原
案などで使われていたイメージがあります。いわゆる複数人への復讐劇
ですが、この著名なパターンの元祖作品のような気がするし、復讐の一
つ一つにミステリ的細工があって、これらがまたとても良い(これまた
よく知られた1つの有名ネタの元祖のような気がする)。何よりも素晴
らしかったのは地の文。場面場面の描写表現が本当にウィット&メロウ
で感嘆。その影響か、会話のウィット表現も登場人物たちの肉声でなく
作者が生み出したセリフとして認識してしまうようなこともチラホラ。
登場人物たちの魅力が秀でた、いわゆる「キャラもの」とは全く異なる
作品世界で、個人的には、この作品の主人公はあくまでも地の文による
「場面」。順番で行くと「場面」>「設定&細工」>>「キャラ」とい
った感じ。とにかく楽しませてくれました。繰り言になりますが素晴ら
しかったの一言です。
そいでは!
2550. 2024年01月01日 14時28分08秒
投稿:SAMANA
明けましておめでとうございます。今年はガシガシ本を読んでいきます!
いきたい。いければ。いけるかな? いけないかも? いけないよな。いけない。
いけるはずない。いくもんか。いってたまるか。いかないぞっ!
……これだけ挙げればたぶん今年どれかにあてはまるはず(;^_^。
さてさて。それでは積読本状況詳細報告。
2023年12月の読了本
1.『悪魔たちの誘拐』 笹沢左保
2.『2024年版このミステリーがすごい』 このミステリーがすごい!編集部編
3.『2024本格ミステリ・ベスト10』 探偵小説研究会編
4.『絵が殺した』 黒川博行
5.『絶対安全エージェント』 大沢在昌
5冊読了等。
冊数は多いけれどムック本2冊あるので、作品読了数としては少なめ。
もう1冊ぐらい読了したかったのが本音。毎年毎年、後悔しながら年越ししてる気が
する……(^_^;。
極私的超アバウト評価
◎とても楽しめた
なし
○楽しめた
『悪魔たちの誘拐』『絵が殺した』
・普通
『2024年版 このミステリーがすごい』『2024本格ミステリ・ベスト10』
『絶対安全エージェント』
△あまり楽しめなかった
なし
×楽しめなかった
なし
『悪魔〜』は、長編誘拐ミステリ。
よくもまぁ毎作毎作、水準以上のミステリネタを思いつくもんだと感心しきり。四
半世紀前、その名称から日本ミステリ界の頂上的な賞と伺える「日本ミステリー文
学大賞」の第三回受賞者が笹沢左保と報道されたとき、未読だった私は「へ? な
んで? 多作だけじゃないの?」と思ったんですが、今はその不明を恥じるばかり。
作品の暗い世界観は正直苦手なところはあるものの、それを上回るほどのミステリ
愛が素晴らしいです。
『絵が〜』は、長編大阪府警会話絶妙ミステリ。
独断ですが、関西色豊かな世界観ながら正面切っての人情要素はあえて入れ込んで
ない(素直じゃないこっけいな表出はある)ように思ってる黒川ミステリですが、
この作品の動機の説得力にはやられました。せつないっすねぇ…。
『絶対〜』は、ユーモアサスペンス短編集のシリーズ2冊目。
何といいますか、ユーモアサスペンスとして良くもなく悪くもなく、「フツー」と
しか言いようがない印象。これまた独断ですが、作者自身が全く興にのらずに書き
あげたように感じました。
『このミス』『本ミス』は、年末恒例ベストテン本。
『このミス』は間口広げてエンタメに徹した感じで、読んでいて楽しいひと時。
『本ミス』は研究会編だけあって少し硬い印象。エンタメ系各ジャンル作品に内包
された「本格ミステリ」の面白さを世に広めようとする意図は汲み取れるものの、
各内容が多数の作品を紹介してるだけで、そこに熱量が感じられなかったのが残念。
熱量は問題にしてなくて、あくまでガイドに徹してると言われればグゥの音もでま
せんが…(;^_^。
2023年12月の購入本等
1.『2024年版このミステリーがすごい』 このミステリーがすごい!編集部編
2.『2024本格ミステリ・ベスト10』 探偵小説研究会編
3.『福家警部補の考察』 大倉崇裕
4.『執行』 深谷忠記
4冊購入等。
年末恒例本があるにも関わらず4冊でおさまったのはラッキーでした。この幸運が
今年も続いてくれたら嬉しいなぁ〜。でも買うんだろうなぁ…… (-。-*)ボソッ
1&2は年末恒例ベストテン企画本。
読んで気になった作品は文庫化された時に買おうと思って買い続けてますが、2023年
度版は果たしてどうなりますことやら。私の頭の中だけの記憶なので忘れてしまって
る可能性は200%ぐらいなんですけれど( ノД`)シクシク…
3.は定番シリーズ信頼買い。
倒叙モノとして既に5作目。1作目未読なのはいつものこと。絶対死ぬまでに読んで見
せます<何の宣言だ?
4.定番作家信頼買い。ノンシリーズ作みたい。
最近のタイトル漢字二文字作品はかなり重めのミステリの印象。気力が充実してると
きに読書順番が回ってきたらいいなぁ。でもその時はたぶん後期高齢者だから、そも
そも気力があるかどうかわからない…(;^_^。
そいでは!!
2549. 2023年12月03日 16時29分22秒
投稿:SAMANA
今日は寒いけれど、冬にしては比較的あたたかな日がまだでてくるよ
うな予報を聞いて、これも今年の夏の異常な暑さの影響かなぁと、どお
おぉぉぅぅぅでもいいような感想しか浮かびません。ほんと、ジジィに
なったなぁ〜、私( ノД`)シクシク…。
さてさて。それでは積読本状況詳細報告。
2023年11月の読了本
1.『復讐するは我にあり(上)』 佐木隆三
2.『復讐するは我にあり(下)』 佐木隆三
3.『無病息災エージェント』 大沢在昌
4.『喪服のランデブー』 コーネル・ウールリッチ
4冊読了等。
月半ばから忙しくなってペースダウンしたのが悔しい。仕事って
どうしてやってっもやっても終わらないんだろう( ノД`)シクシク…・。
極私的超アバウト評価
◎とても楽しめた
『喪服のランデブー』
○楽しめた
なし
・普通
『復讐するは我にあり(上・下)』『無病息災エージェント』
△あまり楽しめなかった
なし
×楽しめなかった
なし
『復讐〜』は、直木賞受賞の長編推理(事件?)小説。
実際の事件を素材にして、人物描写は小説風、法律に基づく捜査手続き
描写・犯人を取り巻く通俗描写は超現実ノンフィクション風といった構
成。ノンフィクション作品を読んだことがないので、そのジャンルでこ
の構成が一般的かどうかよく判らないのですが、作品世界にすぐ惹きつ
けられたので、よい手法(特に堅物系社会経験あるような読者)だと思
いました。ただ、逃亡中の犯人の犯罪が多すぎて、途中から正直、飽き
てしまったのが残念。もちろん実際には金を得ないといけないので余罪
多発してるはずだけれど、それにしても細かすぎに感じました(^_^;。
『無病息災〜』は、諜報界の大物の二世ながら、度重なる失敗で二度と
ミスが許されないところまで追い詰められた遊び好きイケメンダブルが
主人公のユーモアサスペンス短編集。
言葉悪くて申し訳ないけれど、琴線に触れるところがなかった、普通の
ユーモアサスペンスものでした。ちょっとドラマ性を求めすぎなのかも
しれませんが。
『喪服〜』は海外長編サスペンスミステリ。
70年以上前に書かれた作品ですが、平成時代でもテレビのドラマ化や原
案などで使われていたイメージがあります。いわゆる複数人への復讐劇
ですが、この著名なパターンの元祖作品のような気がするし、復讐の一
つ一つにミステリ的細工があって、これらがまたとても良い(これまた
よく知られた1つの有名ネタの元祖のような気がする)。何よりも素晴
らしかったのは地の文。場面場面の描写表現が本当にウィット&メロウ
で感嘆。その影響か、会話のウィット表現も登場人物たちの肉声でなく
作者が生み出したセリフとして認識してしまうようなこともチラホラ。
登場人物たちの魅力が秀でた、いわゆる「キャラもの」とは全く異なる
作品世界で、個人的には、この作品の主人公はあくまでも地の文による
「場面」。順番で行くと「場面」>「設定&細工」>>「キャラ」とい
った感じ。とにかく楽しませてくれました。繰り言になりますが素晴ら
しかったの一言です。
2023年11月の購入本等
1.『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』 東野圭吾
2.『invert 城塚翡翠倒叙集』 相沢沙呼
3.『刑事何森 孤高の相貌』 丸山正樹
3冊購入等。
全て信頼作家の信頼買い。3は最近、シリーズもの3作文庫衝動一気
買いしましたが、今月途中にスピンオフ作文庫化を知って、急遽購入。
未読の信頼作家信頼買いの道はまだまだ増えそう&続きそう…(^_^;。
そいでは!!
2548. 2023年11月01日 11時38分54秒
投稿:SAMANA
床に置いた積読本スペースを少しでも小さくしようと、ある程度読了
したら机下や本棚空きスペースにも置いている、大きい輪ゴムでとめた
積読束を少しづつ(読書順並びに)移動させているんですが、最近これ
がかなりの負担になってます。以前は「床が広くなる〜」と嬉々として
やっていたのに、今はあぐらがかけないほど股関節がヘタってるので、
床上ゴソゴソ作業が痛くて痛くて。そのせいで時間も若いころの倍以上
かかってるし……。あああ歳をとるってほんとヤダッ!!( ノД`)シクシク…
さてさて。それでは積読本状況詳細報告。
2023年10月の読了本
1.『名無しの探偵事件ファイル』 ビル・プロンジーニ
2.『悪人海岸探偵局』 大沢在昌
3.『ホシは誰だ? <犯人当て推理アンソロジー>』 文藝春秋編
4.『ゆがんだ光輪』 クリスチアナ・ブランド
4冊読了等。
あれ? 国内3冊海外1冊の読書順にしてるはずなのに、順番が崩れ
てる。きっと縦に重ねた積読束が崩れた時に、適当に束ねてしまったの
か……って我ながら呆れるほど、どおぉぉぉおでもええ話っすね(^_^;。
極私的超アバウト評価
◎とても楽しめた
なし
○楽しめた
『悪人海岸探偵局』
・普通
『名無しの探偵事件ファイル』『ホシは誰だ?』『ゆがんだ光輪』
△あまり楽しめなかった
なし
×楽しめなかった
なし
『名無しの〜』は、日本読者向けに企画された珍しいオリジナル短編集。
各作品いずれも及第点・平均点レベルだしキャラも魅力的(何たってあ
の"名無し"ですから)だから、いつもなら「楽しめた」なんですけど、
これからは少し厳しめにしていくつもりなので「普通」に。この思いが
いつまで続くかわかりませんが(^_^;。
『悪人〜』は、海辺のシティを舞台に元不良の私立探偵が活躍するライトハ
ードボイルド短編集。
東京近郊の街のようですが、バブル期前あたりに書かれたようで、ホイチョ
イ・プロダクション世代の関西人からすると、千葉よりも湘南・茅ヶ崎っぽ
いイメージしか浮かばない(^_^;。平均的な出来で「普通」にするつもりでし
たが、最終話「人形の涙」の苦い結末がとても良かったので「楽しめた」に
変更。探偵が"背負う姿"はやっぱりジーンときます。
『ホシは誰だ?〜』はタイトルが示す通り、犯人当て短編アンソロジー。
参加してる作家は鮎川哲也・三好徹・飛鳥高・佐野洋・高原弘吉・結城昌治
・樹下太郎・島田一男・都筑道夫・笹沢佐保・菊村到・陳舜臣・筒井康隆・
戸板康二・生島治郎・海渡英祐と、昭和の名だたる推理作家ばかりで物凄い
(筒井康隆はSFだけど)。仁木悦子と松本清張が参加してたら文句なしじゃ
なかろうか。正直、高原弘吉の名は知らなかったです。ただ、このメンツ
なのに全体的な内容は普通レベル。問題編で文庫15ページ程度の短さなので
楽しめるレベルにするには難しそう。でも佐野洋・結城昌治・笹沢佐保は
楽しめました。というか、この短さなのに「笹沢佐保はやっぱり笹沢佐保」
と感じさせる出来にちょと驚き。凄いです。
『ゆがんだ〜』は、名探偵コックリルが活躍した『はなれわざ』の舞台だ
ったあの孤島に、なんと今度はコックリルの妹が主人公として活躍する海
外はちゃはちゃミステリ的長編。
ブランド作品はやっぱりだいぶ読みづらかったんだけれど、ミステリ的ネタ
はよかったし、そのネタが生み出したドタバタ加減も楽しめたし、癖の強い
シニカルさも含め思ったより面白く感じたのはラッキー。でもあの読みづら
さを考えると、個人的にはやっぱり「普通」かなぁ<何様?
2023年10月の購入本等
1.『厳冬之棺』 孫沁文
2.『メグレとマジェスティック・ホテルの地階』 ジョルジュ・シムノン
3.『夜の向こうの蛹たち』 近藤史恵
4.『メルカトル悪人狩り』 麻耶雄嵩
5.『神保町の怪人』 紀田順一郎
5冊購入等。
定型パターン以外の購入、いわゆる私を鬼畜外道にまで堕としこませた悪魔
の書は2冊のみ?? 先月と比べてよく我慢したぞ! 自分っ!!
誰も褒めないから自分で褒める(^_^;。
1は、その悪魔の本。中国語で書かれた、いわゆる華文ミステリで密室モノ
とのこと。Xのポストで作家の大山誠一郎さんがかなり褒めていて、その褒め
言葉に誑かされて購入。
なんだ。大山さんって「誑か師」なんだ<絶対に違う。
2も悪魔本。フランスの名探偵でポアロと双璧をなすメグレ警視の長編作。
シムノンは5冊くらいしか読んでなくて、思い浮かぶメグレ像は西村京太郎
作によるものしか浮かびません(^_^;。これはネットで見つけた瀬名英明さん
の書評にあった「成熟した王道展開、娯楽の基本がしっかり提示」との文に
拐かされて購入。
なんだ。瀬名さんって「拐か師」なんだ<確実に違う。
3と4は定番作家信頼買い。
近藤作品は8年以上、麻耶作品にいたっては12年以上も読書順番が回ってき
ていない様子。私の積読山はどないなっとんねん。
5は、創元推理文庫既刊4冊は読了してるので、せっかくだからと購入。
んでも実はその凄さや面白さがよく判っておらず、既読作も全く覚えてない
っす……(^_^;。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]