黒猫荘
(mobile版)

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近況報告風
オーナー:ないとー


ここの管理人のないとーです。


  197〜200件 
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78. 2002年05月09日 01時34分08秒  投稿:ないとー 
ホームページの方、久しぶりに更新しました。
感想文の再アップと、一部工事中ですが、Specialコーナーに、若竹七海レヴューリンクを
アップしました。レヴューリンクは一年前に作ってほったらかしにしてたもので、制作時の
データをそのままアップしてるので、リンク切れとかあると思いますが、興味のある方は、
ぜひ見てください。労作です(笑)。

『UMAハンター馬子(1)』田中啓文  学研M文庫  読了
UMA(未知生物)なんてわけのわかんないものをテーマにした連作ですが、ちゃんと伏線もオチもある、さらに、いつものダジャレもグロテスクな描写もしっかりあります。

『猫の地球儀 焔の章』 『猫の地球儀 その2 幽の章』秋山瑞人  電撃文庫  読了
宇宙に浮かぶトルクは猫の世界。地球儀に生きて辿り着くことを夢見、その夢が支配層に知れれば粛清される運命にある幽、自分よりも強いものと戦うことを求め続ける焔、その焔が好きで好きでしょーがない楽(かぐら)。そんなどうしようもない業を背負った3匹の猫の物語。それゆえに、交わることのない、だけど、惹かれ合う魂の行きつく先は……。なんて書いてたら、泣けてきたぜ。

77. 2002年05月05日 12時36分30秒  投稿:ないとー 
『オクトパスキラー8号』、結局、最後まで読んじゃったけど、霞にしか書けないアイディアを惜しげもなく注ぎこんだ傑作、と改めて思いました。


『謀略(わな)』西東登  カイガイ出版('78)  読了

 かつて、自分の両親を死に追いやった男と、偶然、再会した女。復讐を思う女は、なに
も知らない男の求婚を受け入れ、妻の立場から虎視眈々と復讐の機会を窺う。しかし、
事態は、男の意外な行動で、複雑になっていく。
 二重の謀略が絡み合って、一方の企みが分った時は、「ああ、そうだったのか」って思
ったんだけど。構成の妙は光りますが、うーん、地味。




76. 2002年05月02日 03時37分16秒  投稿:ないとー 
なぜか『オクトパスキラー8号』(霞流一)を再読してます。最初に読んだ頃は、
「笑えないギャグばっかり」と侮っていたけど、なんのことはない、おれの目が
節穴だっただけじゃないか。思ったより大分楽しめました。なんともいえない独
特の間合いを感じる文章が良いですね。ギャグそのものとかより、文章に漂って
るユーモアを楽しむのが、霞の読み方だったのね。
あと、言ってることは大分不穏当だけど、どことなく憎めないってっていうか、
飄々としてて、からっとしてる感じする。「もの好きだねぇ」とは思うけど。

『シスターズ』パット・ブース  集英社('96)  読了

この手のロマンス小説って、女という女が色情狂なんじゃねえかって気さえしてくる。
あるいは、そんなに満たされない恋愛・セックスしてるのかってね。男としては、濡れ
場に興奮するより、剥き出しの「女の性欲」に辟易としちゃうんだよね。(や、現実なら、
大歓迎だけどさ。)

閑話休題

さて、いわくありげなプロローグが、興味をそそります。それからハリウッドの内幕を
描写しながら、ベストセラー作家の姉が、世間知らずの妹をとにかくひどい目にあわ
せようと、あの手この手で妹を追い込んでいくっていうストーリーが展開するんだけど、
エンディングでまさかの大逆転が。驚いたのなんのって。それから、読み返してみれ
ば、思い当たることもあるけれど。しかし、呆気にとられちゃいました。『古書店アゼリ
アの死体』で書名を見かけて、興味を惹かれて手に取ったんですが、読んだ甲斐は
充分ありました。

75. 2002年04月25日 12時20分04秒  投稿:ないとー 
『蘇った脳髄』草野唯雄  角川文庫('84) 読了

作者の短編の中から、恐怖小説あるいは恐怖小説的色彩の強い作品を集めた短編集だと
いう。とは言っても、超自然現象が起こるものもあったり、トリックのあるものだった
り、マッド・サイエンティストの出てくるSF色感じられるものなど、作品のパターンは
さまざま。作者の引出しの多さが窺える。ミステリに恐怖小説の手法を用いた(あるい
はその逆)点が、異彩を放っている。

「根絶やし」ある人物が不気味な存在感を放っている。まるで悪意が一人歩きしている
ようなラストシーンは怖い。超自然現象などは出てこないのに、巧みな緩急をつけた叙
述テクニックが、この作品を恐怖小説として、集中で一番のものにしている。

「死霊の家」本書の中でも、もっとも恐怖小説的な色合いの濃い作品だが、あるミステ
リのパターンを、ちょっと違った視点から描いたものと見ることも出来ると思う。あえ
て、ミステリとして考えると面白いんじゃないかな。この作品。

「蘇った脳髄」この草野版『アルジャーノンに花束を』には凄惨な結末が待っている。
でも、ばあさんが……。クックックッ。ブラック・ユーモアもの(?)の佳品。

「皮を剥ぐ」リアルな犬の皮を剥ぐ描写(友成さんの人間解体に似てるから笑っちゃっ
た)など、グロさでは集中でも随一。因縁話で終わるかと思いきや、ひとひねりして、
さらにショッキングなエンディングへと誘う。

「闇の中の棺」恐怖小説的な要素のない本格ミステリだけども、犯人の人物像に、得体
の知れない不気味な印象を受けた。

[NAGAYA v3.13/N90201]