黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY
本に関する談話室です。
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1075. 2002年05月08日 12時30分23秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『黒の組曲 <虚の四重奏>殺人事件』 深谷忠記氏 読了
毎度お馴染み、深谷ミステリであります。
S&Mシリーズでない長編を読んだのは、ひょっとしてかなり久しぶ
りかも(笑)?
入れ子細工の凝ったミステリ。その割には目眩めく感覚があまり味わ
えず、むしろ導入部の読みづらさがかなりキツク感じられて、あまり
入れ子にした意味が感じられませんでした(汗)。
んでも、たぶん深谷さん自身が「入れ子書きたい!」と思われたので
しょうから、その点は特に問題なしです(笑)。
むしろメイン・トリックのほうがちょっと疑問。
このトリックを「驚天動地」ととるか「なんじゃこりゃー」ととるか
は人それぞれだと思いますが、私はどちらかというと後者でございま
した。とは言っても、トリックを見破ることが出来なかったので、大
きな顔は絶対に出来ないんですが、そこはそれ(爆)。
そりゃ舞台設定当時だったら結構意表をついたシチュエーションだと
思いますが、この作品が実際に書かれたのは1990年代のはず。「驚天
動地」とまではいかないっす(苦笑)。
むしろ青酸カリのほうで使われた「小ネタ」のほうが好み。まぁこれ
も、無理があるといえばあるとは思いますが、でも好み(笑)。
と、何だかんだぬかしておりますが、読んでる最中は結構楽しんでい
るわけですから、話の展開はやっぱり面白いと私は感じているんでし
ょうね(苦笑)。
そいでは!!
1074. 2002年05月06日 18時29分54秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『三つ首塔』 横溝正史氏 読了
テレビドラマの影響からか、タイトル名だけは早くから知っていた
この作品。まさかこんな作品だとは思いもよりませんでした(苦笑)。
以前読んだ、同じ横溝作品である『迷路の花嫁』とよく似たタイプ
の作品でした。ですので作品構成に対する「衝撃度」は今いち(汗)。
それに怪奇・猟奇色をずっと引きずっているため、ラスト近くまで
爽快感は味わえなかったので、好みとしては『迷路の花嫁』のほうに
軍配をあげちゃいます(苦笑)。
意外な犯人であることは確か。んでも、それ以外の人が犯人であって
もいっこうにかまわない「作り」になっているので、やっぱりこの作
品を「本格ミステリ」として見るのは無理があるんじゃないでしょう
か? 「本格」として見なければ、猟奇系和風サスペンスとして結構
楽しめる作品だと思いました(笑)。
そいでは!!
1073. 2002年05月05日 00時49分30秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『破線のマリス』 野沢尚氏 読了
私にしては比較的新しめの作家さんのデビュー作です。
講談社文庫2000年7月発行版で読みました。ちなみに新刊購入です。
「なぜ今ごろ読んでるの?」とは聞かないでくだせえ(汗)。
講談社文庫版では本文がP.7〜382まであるんですが、実はP.369ま
でほとんど面白く感じてませんでした(汗)。
・問題視しているテーマはわりと昔から目にしているテーマだし。
・序盤から進行し始めたメインの事件は全く進展しないし。
・メインである女性キャラの思想は全く肌にあわないし。
・麻生の行動も変なところでその女性キャラに遠慮してるし(苦笑)。
けれど、
・P.369〜P.374までの内容で「意外性」は確かに感じられました。
ただ、これはもう絶対に反則技だと私は思ってます。だって○○
○の○○に全く○○○○んだもの(泣)。
んでもまぁ、この人でもありえると考えられないことはないだろ
うと、「意外性」から得られた「喜び」のためにその「意外性」
をかなり贔屓目に重視&ミステリモラルを無視することによって、
ちょっと楽しませていただきました(苦笑)。
・P.375〜P.382のシーンには個人的にかなり満足しました。
この主張をあの人がしてくれた事が嬉しかったし、ここで展開さ
れた映像は、個々の読者の頭の中でそれぞれ理想的に想像・想起
出来るがゆえに、美化されてかなり印象深いシーンとなって、感
心する読者はそこそこいるんじゃないでしょうか。
私は「そのうちの一人」となりました(汗)。
ということでまぁ、「そこそこ楽しめた」というのが正直な感想で
ございます〜。
蛇足ですが、結構読みづらかったです(苦笑)。
そいでは!!
1072. 2002年05月03日 14時10分33秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『臆病な共犯者』 E・S・ガードナー氏 読了
本当に久しぶりにペリィ・メイスンものを読みました。中学生の
頃に2作ほど読み、面白いと思えなくてそのまんま読まなくなった
のです。
この歳になって改めて読んでみると、なぜ中学生だった私が面白
いと思わなかったのか、判るような気がします。
ペリイ・メイスンってすっごく嫌な野郎だったんですね(爆)。
職業柄しょうがないのだろうが、依頼者のために証言者となる事
件とは全く無関係の第三者に罠をしかけ、その第三者の証言に不
信感を募らせるそのやり口がまず汚い。その上、違う言い回しで
証言した場合にはこうして「とっちめてやる」と、全く無関係の
者を、自分が罠にはめておきながら、更に責め立てようとするそ
の性根も汚すぎ。
(P.184の6行目。ハヤカワ・ミステリ文庫 昭和59年7月発行版)
また、自分の味方である周囲の人間にも全てを明かさず、単なる
コマのように扱うその所業にも、いやらしさを感じます。
中学生だった私は、メイスンシリーズのこんなところに嫌気を指
して読まなくなってしまったのでしょう。
で、今はどうなのかというと・・・・・。
う〜ん。読んでいてあまりいい気がしないことは確かですが、話
の展開は面白いし、何冊か積んでもいるので、しばらくは読んで
みようかと思います。
ペリィ・メイスン。
しかしまぁ、気に入らない主人公としては、ヤッフェの「ママ」
と双璧をなすかもしれないなぁ(苦笑)。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]