黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  181〜184件 
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1083. 2002年05月21日 20時42分33秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『彼女がペイシェンスを殺すはずがない (問題編・解答編)』 
   大山誠一郎氏 読了

  単行本ではありませんし、ノベルズでもありません。ましてや文庫
  でもありません。pdfファイルです(笑)。

  2か月ほど前に、プロの小説家による直接販売Webサイトである
  e-NOVELSの企画として出題された特別企画犯人当てクイズでありま
  す。小説仕立てになっておりまして、しかもカーの贋作となってい
  ます。フェル博士が密室の謎を解き明かしております。
  当然私は解き明かせませんでした(笑)。

  いやいやいや。大変面白かったです〜。このトリックいいですねぇ。

  以下、※で挟んだ三行は、トリックについて触れています。
  ぼやかして書いたつもりですが勘のいい人は気づくでしょうから、
  解答編を既読の方のみお読みください。
  未読の方はここから三行分、目を細めて文字をぼやかしてください(汗)。



  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
  被害者を救おうとする人達が、そのトリックの性質のために、犯人ま
  でも救ってしまわざるをえないこのトリックは秀逸。あとは本当に
  「もの」があるかどうかですね(笑)。
  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



  ここから非ネタバレ(笑)。
  で、非常にいいミステリ・クイズだと思うんですが、だからこそとっ
  ても勿体ない気持ちもいたしました。
  あああ、もっとキャラ同士のやりとりや前振り等でボリュームつけて
  もらって、枝葉のついた短編小説にしてもらったら、とっても面白い
  ミステリ短編になったんじゃないかなぁ。
  今のままだと切れ味鋭すぎて、いかにも「問題」って感じがして少し
  味気なく思ってしまいました(汗)。

  とはいっても、本格ミステリ好きの人がこれを読むと「得した!」と
  思えるミステリだと思います。
  H14.5.21現在でもe-NOVELSのサイトからダウンロード出来るはず。
  一度おためしくださいませ〜(笑)。

そいでは!!
1082. 2002年05月21日 13時08分10秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『動く標的』 ロス・マクドナルド氏 読了

  ハードボイルドであります。この作品で初めて登場した探偵、リュ
  ウ・アーチャーは、このジャンルの三代目の後継者だそうです(笑)。
  うーん。やっぱり仁木悦子作品にでてくる三影潤の姿がダブってし
  かたがありません(笑)。

  非常に地味で、淡々と事件が進んでいきます。盛り上がりそうな出
  来事はあるんです。アーチャー何回も倒されます。でも地味です。
  生きるか死ぬかの戦いをしているときでも、血湧き肉踊るような感覚
  はおとずれませんでした(笑)。

  たぶん全編にわたって感じられる落ち着いたトーンが影響してるんだ
  と思うんですが、そのトーンがまたロス・マク作品特有(だと私は想
  像している)の「やるせなさ」「無常観」を非常に効果あるものにし
  ていると思います。
  深夜一人で読みふけってしまったら、次の日仕事に行くのが嫌になり
  そうです(笑)。

  私の性質とは遠くかけ離れたロス・マク作品。
  んでも、ぞわぞわと気になるのも確かなのです。いったいこの感覚は
  なんなんでしょうねぇ。バカな事を喋る自分を醒めた目で見ているも
  う一人の自分がそう感じているのかしら(汗)?

そいでは!!
1081. 2002年05月19日 13時03分29秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『雪のひとひら』 ポール・ギャリコ氏 読了

  この本を古本屋で見つけたとき、作者名をどこかで目にしたことが
  あり、本の厚みがとても薄くてすぐ読み終えることが出来そうなほ
  どのファンタジー作品らしかったので、思わず衝動買いをしてしま
  いました(笑)。

  えっと。まさにファンタジーです(笑)。童話といってもいいでし
  ょう。んでも子供を対象にした文章じゃないからさしずめ「大人の
  童話」といったところですね。
  
  ひとひらの雪の一生を描いたこの作品。読み終えたあとは、ちょっ
  と清らかな気持ちになるんじゃないでしょうか。
  『幽霊が多すぎる』もこんな雰囲気を持つミステリなのかな?
  ちょっと期待してしまいます(笑)。

そいでは!!
1080. 2002年05月19日 00時08分59秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『百万ドルをとり返せ』 ジェフリー・アーチャー氏 読了

  大学時代に『大統領に知らせますか?』を読んだはずだけど、全く
  覚えてないので、ほとんどアーチャー作品の初読のようなもの(汗)。
  読み始めた時は想像してた状態に近く、読了後は予想以上の出来で
  した。コン・ゲーム小説っていいもんですね(笑)。

  序盤(1〜6章まで)
   →話の構成がすっごく「標準マニュアル」なつくりに感じられて、
    (構成が)堅苦しいなぁ・きっちり線引きして話を進めてるなぁ
    と期待のないまま読み進めていきました。私の思い込みが違って
    たところは、ちょっと驚きましたけど(苦笑)。

  中盤(7〜12章まで)
   →あるキャラが可哀相に思えてくる。きっとこのキャラのせいで
    起伏にとんだ話になっていくんだろうと思ってたら、そうでも
    なくてちょっと肩すかし。でも、「うふふ」な心境で読み進め
    てる自分に気づいて苦笑い。話にひきこまれてるらしい(汗)。

  終盤(13章〜16章終盤まで)
   →チームワーク状態が良くなって、徐々にワクワクしつつ楽しむ。
    だいぶキャラの持ち味が固まってきたように思う(笑)。

  クライマックス&ラスト(16章終盤から最後まで)
   →この少し前から「ひょっとしたら・・・」と思ってたことが実
    際に話になってあらわれる。んでもやっぱりショック(汗)。
    ここらあたりからはもう「あはは」といった心境の、にこにこ
    顔で読み進める。キャラの一人が自分の持ち味を暴走させてい
    て面白い。思わせぶりな記述箇所もあるけれど、何といっても
    やっぱりラストが心地よいです(笑)。

  結論。

   いつか、お勧めしようと思っています(笑)。

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]