黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY
本に関する談話室です。
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1083. 2002年05月21日 20時42分33秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『彼女がペイシェンスを殺すはずがない (問題編・解答編)』
大山誠一郎氏 読了
単行本ではありませんし、ノベルズでもありません。ましてや文庫
でもありません。pdfファイルです(笑)。
2か月ほど前に、プロの小説家による直接販売Webサイトである
e-NOVELSの企画として出題された特別企画犯人当てクイズでありま
す。小説仕立てになっておりまして、しかもカーの贋作となってい
ます。フェル博士が密室の謎を解き明かしております。
当然私は解き明かせませんでした(笑)。
いやいやいや。大変面白かったです〜。このトリックいいですねぇ。
以下、※で挟んだ三行は、トリックについて触れています。
ぼやかして書いたつもりですが勘のいい人は気づくでしょうから、
解答編を既読の方のみお読みください。
未読の方はここから三行分、目を細めて文字をぼやかしてください(汗)。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
被害者を救おうとする人達が、そのトリックの性質のために、犯人ま
でも救ってしまわざるをえないこのトリックは秀逸。あとは本当に
「もの」があるかどうかですね(笑)。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ここから非ネタバレ(笑)。
で、非常にいいミステリ・クイズだと思うんですが、だからこそとっ
ても勿体ない気持ちもいたしました。
あああ、もっとキャラ同士のやりとりや前振り等でボリュームつけて
もらって、枝葉のついた短編小説にしてもらったら、とっても面白い
ミステリ短編になったんじゃないかなぁ。
今のままだと切れ味鋭すぎて、いかにも「問題」って感じがして少し
味気なく思ってしまいました(汗)。
とはいっても、本格ミステリ好きの人がこれを読むと「得した!」と
思えるミステリだと思います。
H14.5.21現在でもe-NOVELSのサイトからダウンロード出来るはず。
一度おためしくださいませ〜(笑)。
そいでは!!
1082. 2002年05月21日 13時08分10秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『動く標的』 ロス・マクドナルド氏 読了
ハードボイルドであります。この作品で初めて登場した探偵、リュ
ウ・アーチャーは、このジャンルの三代目の後継者だそうです(笑)。
うーん。やっぱり仁木悦子作品にでてくる三影潤の姿がダブってし
かたがありません(笑)。
非常に地味で、淡々と事件が進んでいきます。盛り上がりそうな出
来事はあるんです。アーチャー何回も倒されます。でも地味です。
生きるか死ぬかの戦いをしているときでも、血湧き肉踊るような感覚
はおとずれませんでした(笑)。
たぶん全編にわたって感じられる落ち着いたトーンが影響してるんだ
と思うんですが、そのトーンがまたロス・マク作品特有(だと私は想
像している)の「やるせなさ」「無常観」を非常に効果あるものにし
ていると思います。
深夜一人で読みふけってしまったら、次の日仕事に行くのが嫌になり
そうです(笑)。
私の性質とは遠くかけ離れたロス・マク作品。
んでも、ぞわぞわと気になるのも確かなのです。いったいこの感覚は
なんなんでしょうねぇ。バカな事を喋る自分を醒めた目で見ているも
う一人の自分がそう感じているのかしら(汗)?
そいでは!!
1081. 2002年05月19日 13時03分29秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『雪のひとひら』 ポール・ギャリコ氏 読了
この本を古本屋で見つけたとき、作者名をどこかで目にしたことが
あり、本の厚みがとても薄くてすぐ読み終えることが出来そうなほ
どのファンタジー作品らしかったので、思わず衝動買いをしてしま
いました(笑)。
えっと。まさにファンタジーです(笑)。童話といってもいいでし
ょう。んでも子供を対象にした文章じゃないからさしずめ「大人の
童話」といったところですね。
ひとひらの雪の一生を描いたこの作品。読み終えたあとは、ちょっ
と清らかな気持ちになるんじゃないでしょうか。
『幽霊が多すぎる』もこんな雰囲気を持つミステリなのかな?
ちょっと期待してしまいます(笑)。
そいでは!!
1080. 2002年05月19日 00時08分59秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『百万ドルをとり返せ』 ジェフリー・アーチャー氏 読了
大学時代に『大統領に知らせますか?』を読んだはずだけど、全く
覚えてないので、ほとんどアーチャー作品の初読のようなもの(汗)。
読み始めた時は想像してた状態に近く、読了後は予想以上の出来で
した。コン・ゲーム小説っていいもんですね(笑)。
序盤(1〜6章まで)
→話の構成がすっごく「標準マニュアル」なつくりに感じられて、
(構成が)堅苦しいなぁ・きっちり線引きして話を進めてるなぁ
と期待のないまま読み進めていきました。私の思い込みが違って
たところは、ちょっと驚きましたけど(苦笑)。
中盤(7〜12章まで)
→あるキャラが可哀相に思えてくる。きっとこのキャラのせいで
起伏にとんだ話になっていくんだろうと思ってたら、そうでも
なくてちょっと肩すかし。でも、「うふふ」な心境で読み進め
てる自分に気づいて苦笑い。話にひきこまれてるらしい(汗)。
終盤(13章〜16章終盤まで)
→チームワーク状態が良くなって、徐々にワクワクしつつ楽しむ。
だいぶキャラの持ち味が固まってきたように思う(笑)。
クライマックス&ラスト(16章終盤から最後まで)
→この少し前から「ひょっとしたら・・・」と思ってたことが実
際に話になってあらわれる。んでもやっぱりショック(汗)。
ここらあたりからはもう「あはは」といった心境の、にこにこ
顔で読み進める。キャラの一人が自分の持ち味を暴走させてい
て面白い。思わせぶりな記述箇所もあるけれど、何といっても
やっぱりラストが心地よいです(笑)。
結論。
いつか、お勧めしようと思っています(笑)。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]