黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  169〜172件 
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1095. 2002年06月13日 00時02分10秒  投稿: 
32号室の紅です.

あ,怒ってますね(笑)
今すぐ手元にないので本を参照できないのですが,わたしの感想メモを見るに・・・
ナニナニ
「その鬼気せまる責め方はちょっとおいおいというところもあるのですが,まあ,
相手が悪いヤツということで.三段階にわたる犯人との切った貼ったがそれぞれ面
白い.犯罪心理小説という立場で読まれている好作品と思う」
などと書いてあった(笑)
他にも,
「くどいけど面白い.特に後半の展開がいい.ラストのまとめ方も結構満足」
みたいなことが書いてありますな・・・

"犯人かもしれない人と探偵",というよりは,"正義対悪"とか"勧善懲悪"とかいう
スタンスで読んでいたはずなので,わたしは怒らなかったのかも.上述の感想文の
「おいおい」が許せるか許せないか,の違いでしょうか.

1094. 2002年06月12日 23時05分04秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『闇からの声』 イーデン・フィルポッツ氏 読了

  海外古典ミステリで、よく「心理推理小説」と形容されるこの作
  品。名探偵役は引退した名刑事、ジョン・リングローズ。
  ある意味、絶対敵にまわしたくない名探偵ですね。こんな名探偵
  に事件は絶対まかせたくありません(怒)。

  何というか、まぁ書かれたのが1920代だからというのもあるんで
  しょうが、探偵の行動がひどいです(泣)。恐ろしいです。信じ
  られないです。後悔もなければ反省もありません。クリスティ作
  品に、探偵が似たような主張・行動をとったミステリがありまし
  たけれど、表現方法の違いからか、こちらのほうがより「えげつ
  なさ」を感じてしまいました。

  「小説の中の出来事だから」と言ってしまえばそれまでですが、
  多くの作家たちが「そうも言っていられない」と思ったからこそ、
  「ある問題」に対していろいろと試行錯誤し、何らかの解決をた
  てた作品が、数多く世に(特に日本?)送り出されてきたんでし
  ょう。とにもかくにも、問題をたくさん抱えたミステリだと思い
  ます。
  私、本当に途中で本を叩きつけてやろうかと思いました(爆)。

  「心理推理小説」というパターンを生み出した(?)ことは評価
  しなきゃいけないのかもしれないけれど、ちょっとひどすぎない
  か? 犯人を特定させるこの推理の道筋は(怒)。

そいでは!!
1093. 2002年06月10日 12時49分34秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『スクランブル』 若竹七海氏 読了

  久々に若竹作品を読みました。連作短編集というよりは解説者のおっし
  ゃる通り、長編として味わうほうがいい作品だと思います(笑)。

  舞台は女子校で、主役達の周囲の人間も含め、極めて個性的な生徒達が
  実際に体験する事柄から、複雑にかつ深刻に思いをめぐらせて話が進ん
  でおります。
  私が高校時代の頃は、こんな深刻に自分の人生・物事を考えてませんで
  した(汗)。というか、今でも考えてません(爆)。
  やっぱり男は幼稚なのかなぁ? ←私だけだって(汗)。

  いろんな考え方が描かれていて、それはそれで面白いんですが、ミステ
  リとして読む上では、とにかく先入観なしの「まっさら」な状態で本書
  を読み進めていただければ、よりこのミステリを楽しめるかと思います。
  そうすれば若竹さんが持つ「ミステリ性」も存分に楽しめることが出来
  ると思います(笑)。

  個々の話で何らかのオチをつける構成にする必要があったかどうかと問
  われると、難しいところですが私はたぶん否定派。
  すっきりと長編仕様のネタのみで仕立てたほうが、よりスッキリしたミ
  ステリに仕上がっていたように思います。
  あ、もちろん個々のキャラ活動構成については今の構成のほうが面白い
  ように思っています(笑)。

そいでは!!
1092. 2002年06月08日 09時42分23秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『縞模様の霊柩車』 ロス・マクドナルド氏 読了

  ロス・マクの「円熟期」と呼ばれる頃に書かれたミステリ。
  密度の濃い、読み応え充分のまさに「悲劇」の形容詞がぴたっと
  あてはまる力作でありました(汗)。
  
  「容疑者」と「真実」、この2つを追いつめていく過程をそれぞ
  れ楽しむことが出来ました。相変わらず地味で重厚、やりきれな
  くて虚無感すら漂ってるように感じられるお話でしたが、それら
  がじわじわっと心の中に深く沁み込み、「人」とその「人生」と
  いうものが、非常に複雑で陰惨なものであり得ることを感じさせ
  てくれました。
  
  終盤からラストにかけては、非常にミステリっぽい展開とオチに
  なっていますので、本格ファンの方も、一度この作品を味わって
  みてはいかがでしょうか(笑)?

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]