黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY
本に関する談話室です。
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1099. 2002年06月21日 22時54分39秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『死の蔵書』 ジョン・ダニング氏 読了
古書好きの主人公が追いかける凶悪犯罪と、古書の世界を舞
台にしておこった殺人事件の2本立て(微妙にリンクしてま
すが)で構成された本書。凶悪犯罪をめぐる話のほうが面白
ったんですけど、これって読み方間違えてる(汗)?
凶悪犯罪のパートに関しては、これはもうバーバラ・クロウ
ェルの描写・動きが素晴らしい。もしこれが映画だったら、
バーバラは助演女優賞間違いナシです(笑)。いやほんと、
主役を食っちゃってますもん。
殺人事件のほうはおとなしめというか、まぁ目立ったところ
があまりない事件だと感じました。事件の本筋以外である古
書にまつわる話にニヤニヤしたり、ある「真相」を知って面
白がったりしてましたね。
この「真相」に関しては、ひょっとしたら作者は結局これを
書きたかったんじゃないか? と思わせるような扱いでした。
そこそこ驚けるものだと思います(笑)。
そいでは!!
1098. 2002年06月19日 18時31分33秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『占い師はお昼寝中』 倉知淳氏 読了
「日常の謎」を扱った本格ミステリ短編集です。
正直、作者が本格ミステリを無理矢理作り上げているような、
そんな「窮屈さ」を感じさせる短編集でありました(汗)。
「窮屈さ」を最も強く感じたのは、最後におさめられた「壁
抜け大入道」という短編。これは刑事事件なので「日常の謎」
とはいえないんでしょうが、犯人の行動がかなり不自然で、
本格ミステリの状況を作り上げなければならないがために、
作者が無理矢理そう「行動させている」としか感じられません
でした。
具体的に言えば、「大入道」がそこにいた理由と「一つ目」
の理由。すっごく不自然なんですけど(汗)。
本格ミステリなんだから、ある程度の不自然さはあっても仕
方がない。ある意味、不自然さがあるほうが「自然」だ、と
いった変な解釈すら、その時の気分次第では納得したりする
私(爆)でも、この「不自然さ」は許容できませんでした。
占い師が活躍するためには必要な設定だとは思うんですが、
それにしてもなぁ・・・(苦笑)。
「日常の謎」ミステリは、
・ごく普通の人たちがごく普通の暮らしをしている中、
・ごく身近な出来事の中に、なぜか普通では説明できないよ
うな状況にでくわして、
・その状況が当事者にとってはごく自然に行われるであろう
ものながら、
・その場にいなかった人にとってはなかなか推測できない、
推測するにはアクロバティックな視点が必要となる
(でも推測しうる伏線は張られている)
といった話だろうと個人的に解釈してます。
で、この最後の「視点」が、
・いかに予想外なものであるか、
・なおかつ、いかに納得しうるものであるか、
その点に「日常の謎」ミステリの面白さがかかっているように
思いますが、その視点からいってもやはり他の「日常の謎」ミ
ステリ短編も、満足とは言いづらいものがありました(汗)。
この短編集を面白がる視点は他にもある(主人公二人のやりと
り、辰寅叔父のキャラ性等)と思いますが、んでもやっぱり
正直な感想は以上のようなものでございます(汗)。
実は私、倉知淳作品をあまり面白く感じたことがないんですけ
ど、これはやっぱり相性なのかしら・・・(爆)?
いつかは相性よくなることを信じて、これからも読んでいくん
ですけどね(苦笑)。
そいでは!!
1097. 2002年06月18日 23時05分42秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
『腰抜け連盟』 レックス・スタウト氏 読了
ネロ・ウルフものの第2作目。まさかアーチーに「関口巽」の
ケがあるとは思ってもみませんでした(笑)。
中盤あたりに冗長さを感じたし、事件そのものはショボイと
いってもいいようなものですが、ウルフ独特の理屈と筋道と行
動と弁舌・アーチーとのかけあい漫才・事件の本筋とは関係な
いところでの意外性・アーチーの危機(汗)等々の読みどころ
がいっぱいなので、読了後は結構満足いたしました(笑)。
一番びっくりしたのは、びっくりしすぎて思わず冒頭でボケて
しまってるように、やっぱりアーチーに迫った危機であります。
結構、修羅場をくぐってたんですね。アーチーは(笑)。
それにしてもウルフの理屈にはいつも驚かされますが、どこか
変だと感じながらも、なぜか納得してしまいます。
これってやっぱり騙されてるんですよね? 私が(苦笑)。
そいでは!!
1096. 2002年06月14日 22時20分05秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
>紅さん
本当ですね。怒ってますね、私(汗)。
頭を冷やして考えてみれば、確かに「正義対悪」「勧善懲悪」の
捉え方で読めば、とても楽しめる作品なのかも・・と思いはじめ
ました(苦笑)。
ただ、やっぱり「ミステリ」としての読み方が頭に残っちゃって
ます。「おいおい」がどうしても許せそうにありまません(笑)。
主人公が名士でありながら、確固たる証拠がないのに不確実な伝
聞と自分の心証だけで、あのような行動に(しかも自信満々に)
でるなんて・・・。
だめです。またヒートアップしそうなのでここらで止めておきま
す(汗)。
・・・で、
『危険な未亡人』 E・S・ガードナー氏 読了
ペリー・メイスンもの。10作目だそうです。どうりでメイスンも
デラも若々しく感じられるわけです(笑)。
今まで読んだメイスンものにしてはあまり見かけない、法廷シー
ンが見られない作品でした。アメリカの裁判の仕組みがよくわか
ってないので確かなことは言えないんですが、法廷で宣誓するこ
とを周知させるために関係者を集めた段階で真実が明らかにされ
ております。
だから、法廷シーンでよく見かけられる、裁判制度に則した丁々
発止のやり取りはなく、より自由で融通の利いた戦いとなってお
りました(笑)。
話自体もスリリングに展開し、かつ、本格ミステリの要素も感じ
られました。また、メイスンの「生活無能力者」ぶりもかいま見
ることが出来、結構面白いミステリでありました(笑)。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]