黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  161〜164件 
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1103. 2002年06月30日 11時45分29秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『上と外』1〜6巻 恩田陸氏 読了

  かなりの枚数の長編ですが、1冊ずつが薄く文字も大きかっ
  たので、かなりハイテンポで読めました。当然、話そのもの
  にスピード感がある事も影響してますし、始末のつけ方が駆
  け足状態だったことも一因だと思います(笑)。

  もっと深刻、というか幻想っぽい話かと思っていたんですが
  違ってました。
  この物語は舞台設定、環境・状況説明にはさほど重きをおか
  ず、その分登場人物の心情描写を多用している特殊な冒険小
  説、小ジャレた言い方してみてれば、いわゆる恩田流「冒険
  小説」といったもののように感じました。

  それでも次々と主人公達に襲い掛かる危機また危機にドキド
  キハラハラ、練・千華子・千鶴子・賢それぞれ個性的な考え
  方・感情とそれに基づいた自然な行動などにも感情移入出来、
  また周辺キャラの魅力にもとりつかれ(やっぱりおじいちゃ
  んはええなぁ)、かなり満足した時間を過ごすことが出来ま
  した。
  簡単に言えば、「あ〜面白かった」でございます(笑)。

  また、今どきのヤングアダルト層(中学上級〜高校生 なの
  かな?)が読めば、結構いろんな面で影響を受けとってくれ
  そうな物語だと思うんですけど、どんなもんでしょう?
  もし可能であれば、この夏休みの読書感想文の対象にされて
  みてはいかがでしょうか(笑)?

そいでは!!
1102. 2002年06月27日 12時29分39秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『レスター・リースの新冒険』 E・S・ガードナー氏 読了

  ガードナー名義なのに、ペリイ・メイスンものじゃない!!
  はじめてこの本を見つけた時は、そのことだけでビックリしてしまった
  私です(苦笑)。

  短編集ですが、実はこの作品集は「探偵もの」でなくて「怪盗もの」に
  なります。泥棒が盗んだものしか盗まず、若干の手数料を差し引いて残
  りを寄付にまわすという、ある意味「ドライな義賊」といったようなも
  のでしょうか(笑)?

  五編所収されていますが、個人的には「手中の鳥」と「リース式探偵法」
  が好みです。
  前者は私の好きな「発想の逆転」がネタで扱われているから。後者はま
  わりくど〜い仕掛けが成功するように書かれていて、それがとっても気
  持ち良かったから(笑)。

  で、「新冒険」が面白かったから次は「冒険」を読んでみたいんですけ
  ど、これはきっと(安い値段で)見つかるまでには時間がかかるんだろ
  うなぁ・・・・(苦笑)。

そいでは!!
1101. 2002年06月25日 23時06分03秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『風が吹いたら桶屋がもうかる』 井上夢人氏 読了

  私にとっては「はずれ」の少ない作家さんの一人である井上
  さんの短編集。もうこの設定を生み出した段階で、ある程度
  の面白さは保障されたようなものだったんじゃないでしょう
  か(笑)?

  シュンペイの普通人ぶりと筋の通った主張。
  イッカクの変人ぶりと筋だけは通った見事な推理。
  ヨーノスケの善人ぶりと持っている能力の造形。
  毎話出てくる性格よさげな美女たち。
  確立された話の基本的骨格と、その骨格の絶妙な配列加減。
  そして基本的骨格は変わらないものの、表現方法を微妙に変
  化させての、徹底したパターン化による面白さ。

  なんだか腕のいい職人さんの技を見たような感じです(笑)。

  イッカクの推理はそれぞれ無理があるのはわかっているもの
  の、個人的には「ふえたネズミは風呂桶かじり」で展開され
  た推理がお気に入りでございます。

  また、イッカクの数々のセリフのうち、

  「論理に破綻はない。破綻がなければ、それもまた真実なのだ」

  には全く納得できないけれども、

  「論理に破綻はない。私は、可能性を示唆しただけのことだ」

  には、大いに納得した私でした(笑)。

そいでは!!
1100. 2002年06月24日 12時31分51秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ニューゲイトの花嫁』 ジョン・ディクスン・カー氏 読了

  カーの「歴史ミステリ」なるものを読んだのは今回が初めてのはず。
  冒険活劇ロマンみたいですよ、と事前に聞いてビックリ。でも読了後
  は思いっきり納得してしまいました(苦笑)。

  正直言って、話の筋を追いかけるだけで目一杯の状態でした。序盤に
  でてくるミステリの謎の部分を楽しむ事もなく読み進めてしまいました。
  ですので、最後にこの部分の謎解きが出てきてまたもビックリ。やっぱ
  りカーはカーなんだと変なところで感心してしまいました(爆)。
  ですので、この謎解きも伏線通りに成り立ってるのか、いつも以上に全
  く判らない状態です。

  思えば本当にもったいない読み方をしてしまいました(汗)。
  次の「歴史ミステリ」からは気をつけるようにしたいと思っています。
  これから本作を読む人は、ミステリ部分も決しておろそかにしないで読
  んでいけば、最後までよりいっそう楽しめることと思いますので、ご注
  意いただきたいと思います(笑)。

  んでもやっぱり、私の場合は次作も「筋を追う」だけで目一杯になりそ
  うな気がするなぁ・・・。だって話が結構面白いんだもの(笑)。

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]