黒猫荘
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THE TELL-TALE HUT
オーナー:庵本譚
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58. 2004年11月16日 00時31分02秒
投稿:B&W
庵主さま
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。ちょっと時機を逸してしまいましたが、私にとって「ミステリの集合住宅」といえば、なんと言っても「ムーン・クレサント荘」です。チェスタトンならではの、あの奇想天外なトリックは、読了してから4半世紀たった現在も強烈に印象に残っています。
ではまた。
57. 2004年11月15日 18時36分31秒
投稿:庵本譚
続けて庵主です。
先ほどの書き込みでミス発見。
『白の黒』じゃなくて勿論『白と黒』です。はい。
イベントの合間を縫って読んだ本は、
中央公論社刊の北村薫新刊エッセイ&対談集「ミステリ十二ヶ月」と
ペール・ヴァールーの単独作品「爆破予告」角川文庫。
前者は、読売新聞に週刊連載された初心者向けミステリ紹介を軸に、
新聞版に至る構想エッセイ、
挿絵を担当した版画作家との対談、
有栖川有栖との対談
を収録した、一つのネタを多面的多層的に膨らませた本。
新聞版の範囲は、とても「マニア」やら「鬼」どもの鑑賞に耐えるもの
ではありませんが、本人による回顧的補完エッセイがこれに組み合わされると
面白読物に化けるのでありました。また、挿絵の種明かしがびっくりもの。
これには思わず再読(?)を余儀無くされました。
基本は「ミステリへの愛」です。
どこまでも正統派で「大人」の作者が、その「愛」をどう語るか、
という興味で、最後までつるつると読まされてしまいました。
カーマニアは、贔屓の引き倒しというか邪恋・偏愛・ストー「カー」的
紹介に走り勝ちですが、その点、本格愛好家の作者の文章は「まっすぐさ」が魅力です。
ここで紹介されたその本を読みたい(再読したい!)、とまではいきませんが、
名作の紹介は斯くありたい、と思える本でした。
後者は、マルティン・ベック・シリーズの作者の片割れ(旦那)が単独でものにした
ファンタジックな警察小説。
スウェーデン出版界を牛耳る「会社」に爆破予告が届けられる。
しかし、爆破は起きなかった。
単なる愉快犯の犯行か?それとも、別の悪意か?
事件の探索を命じられた一匹狼の警部に与えられた時間は一週間。
彼は予告状の紙質から、容疑者を絞り込み、聞き込みを続ける。
虚偽と虚飾と虚無、31階に待つ叡智のディストピア、
果たして、犯人の真の狙いとは?
物言わざるはハラハラふくるるわざなり。
個性豊かな警察官たちのキャラクターで読ませるマルティン・ベックものに対して、
こちらはリーダビリティー溢れる社会派文学といった風情のお話でした。
なにせ、最後まで固有名詞が出てくるのは、主人公である警部一人。
まるで星新一のような世界で、星新一のようなプロットが展開します。
これだけ、真鍋博の表紙絵にしてもよかったのでは?
なんて、そんな夢想をしてしまいました。
56. 2004年11月15日 15時10分26秒
投稿:庵本譚
庵主です。
この週末はネットを切ってイベント三昧でした。
というところで、まずはアンケートへのご協力御礼レスです。
SAMANA様
>本棚を何も見ずに浮かんだのは、折原一さんの『倒錯の死角』にでてくる
>アパート(名前は思い出せず)と、『天井裏の散歩者』の幸福荘。
これは私も思い浮かべましたが、露骨に乱歩の写しなので
避けてみました(^×^;
同じネタで幾つも幾つも書くんだもん。
>『僕と先輩のマジカルライフ』にでてくる学生下宿
これは未読、夢水探偵譚以外はアウト・オブ・ガンチューなもので。
メモメモ
>手塚治虫の「マンションOBA」
こ、これも未読です。
手塚治虫は、そこそこ読んだつもりでおりましたが、
存在すら知りませんでした。
漫画で集合住宅といえば
高橋留美子の「めぞん一刻」とか
いしいひさいちの「中野荘」とかに
とどめをさすんだろうなあ〜とか思っていたのですが。
辺境ミステリ的には細野不二彦の「幸福の丘ニュータウン」が
粒ぞろいのニューロイックサスペンス集で好みです。
魚塚塵様
>(もっとずらずらっと並んでいるイメージだったので)
そうですねえ。うちの近所の図書館も充実しているほうなのですが、
やはり文庫は新しい作品が多いです。
古くてもマルティン・ベックどまり。
創元推理文庫の国名シリーズとか並べている図書館ってあるのでしょうか。
>『ギリシャ棺の秘密』
エラリー・クイーン・クロニクルのしょっぱなに位置する事件です。
論理の空振り具合が、なかなか既にモース警部だったりします。
お楽しみください。
>金田一探偵が依頼者の電話を受け変装をして荷物をとりに行くシーン。
「雌蛭」の聚楽荘かな?(>合ってます?)
こ、これは、もの凄くマイナーなお話ではなかろうかと…。
金田一耕助シリーズの「集合住宅」で頭に浮かぶのは、
金田一耕助の住まいである「緑ヶ丘荘」か、
「白の黒」の舞台となった「日の出団地」でしょうか。
>うわさ好きなおばさんが行き先をじっとみてたりとか。火サスっぽい!
副音声で「外出するウオツカ・ジン、その後ろ姿を見定める
近所の主婦マツタケウメ」
みたいな。
森下祐行様
>パッと思いつくのは、山田風太郎の『誰にも出来る殺人』の人間荘かな。
ああ、これは思いつけなかった自分がお恥ずかしい。(^0^;>
実は読んでいないのがバレてしまいました。
今年中には是非読みたいです。
教養文庫⇒廣済堂文庫⇒光文社文庫と
結構、現役の長い本なのかも。
誰にも読める『誰にも出来る殺人』
通りすがりの男M様
>私は『裏窓』が頭に浮かびました。
なるほどー、あれは確かに集合住宅ですね。
集合住宅サスペンスの定番中の定番の設定ですよね。>覗き見
パスティーシュの『ボディ・ダブル』もエロ度アップでよかったです。
「M男」様に相応しいような(はあはあ←呼吸困難)
あ、男M様でした。
すみません。
紅様
>勇んで書き込んだのに返事が1週間とかつかないと,がっかり度が
>ひどいもんで,二度と書き込みしなくなっちゃうんですよ.
あ、これは凄く判ります。判ります。
>『私が見たと蝿は言う』は集合住宅と言ってもいいのかな?
実は私も洋物だとこれが一番先にピンときました。
でも、イギリス・ミステリの集合住宅の穴場は、「学寮」ですね。
これは、なんぼでもあります。
>篠田真由美の輝額荘(だったかな?)と
>森博嗣のVシリーズのアパート(住んでるだけか)とか
これはベーカー街221Bとか、
緑ヶ丘荘3号室のパターンですかしらん。
>相村英輔『不確定性原理殺人事件』
>目撃者とか証人になって,
題名が気になりながら、読んでいない作品の一つです。
観察することによって、生きているか死んでいるかが決まるとか、
すべての階が繋がっている「秘密の統一場」が出てくるとか。
>クローズドサークルほどの限定性がなく,キャラクターのやり取り?
>だけで長編(現在だと大長編?)を持たせるのは困難なのかな、とも思えてきます.
「白と黒」も「学寮祭の夜」も「神学校の死」もすごーく長いと思いますが、
とりあえず、普通のアパートやらマンションが卑近過ぎて
ミステリの舞台に相応しくないってことなのかもしれませんね。
皆様、ご訪問ありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
55. 2004年11月13日 22時55分27秒
投稿:SAMANA
16号室SAMANAです〜。
>これがリアルのマンションだと、相当寂しい感じがすることでありましょう。
(中略)
>どう声をかけていいものやら、悩んでおります。
うううん。何かおっしゃりたいように受け取れるんですが、今ひとつ理解しか
ねております。つっこまないほうがいいのかもしれない(汗)。
>皆さんの頭には、どの集合住宅が浮かびますか?
本棚を何も見ずに浮かんだのは、折原一さんの『倒錯の死角』にでてくるアパ
ート(名前は思い出せず)と、『天井裏の散歩者』の幸福荘。それにはやみね
かおるさんの『僕と先輩のマジカルライフ』にでてくる学生下宿(こちらも名
前が思い出せず)。
読了本データ見ればまだありそうな気はする(都筑道夫とかパット・マガーあ
たり)んですが…。
実は集合住宅で一番最初に思い浮かんだのは、ミステリでなくマンガ。手塚治
虫の「マンションOBA」でありました。広い意味でのミステリ……というには
やっぱり無理があるかも(苦笑)。
そいでは!!
[NAGAYA v3.13/N90201]