ＭＡＹ茶房「ミステリ談話室」

黒猫荘
(mobile版)

ＭＡＹ茶房「ミステリ談話室」
オーナー：ＭＡＹ
本に関する談話室です。

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1107.　2002年07月10日 12時49分18秒　投稿：SAMANA　
16号室SAMANAです～。

　『サマータイム・ブルース』　サラ・パレツキー　読了

　　江口寿史のカバーイラストが印象的なシリーズの第一作目です。
　　人間くさい女性ハードボイルドものとしてかなり楽しませてい
　　ただきました（笑）。

　　解説にも書かれていますが、事件そのものよりはやはり主人公
　　の女性探偵I.V.ウォーショースキー、通称「ヴィク」の生き様
　　のほうがより楽しめるんじゃないでしょうか。
　　そういう面から見ると、ジル・チャーチルが描くところの「ジ
　　ェーン＆ジェフリー・シリーズ」とかなりダブるところがある
　　ように感じました。
　　こちらのほうが、事件の骨格がまだしっかりしてるようには思
　　いますが（苦笑）。

　　女性の自活ってアメリカでもやっぱりしんどいんでしょうね。
　　そんな女性達の姿を見て、感情移入して思わず「がんばれ～」
　　と言いたくなるのですが、そんなことしたらヴィクとジェーン
　　の両方から「ふざけんじゃないわよっ！！」と怒鳴られること
　　間違いないので、恐くて言えません（汗）。

　　・・・・・んでも、ガンバッテね（ぼそっ）。

　　気に入ったので、機会があれば他の作品も読んでみようと思っ
　　てます。ああ、またひとつシリーズものが増えてしまった（爆）。

そいでは！！

1106.　2002年07月07日 23時02分13秒　投稿：SAMANA　
16号室SAMANAです～。
7/5（金）～7/7（日）に、社員旅行で上海に行ってまいりました。
7冊本を持っていったのに、その間に読了したのは結局2冊だけ（汗）。

ということで、今日は2冊分の感想。

　『メルカトルと美袋のための殺人』　麻耶雄嵩氏　読了

　　短編集です。
　　いやいやいや。まさに従来の本格ミステリで展開されてきた世
　　界に「プラスアルファ」が加えられていて、普通の本格とはま
　　た違った味わいを感じることが出来ました。
　　人によって好き嫌いは多分にありそうですけど（苦笑）。

　　従来の本格ミステリでは成立させようもないネタを、歪んだ世
　　界観で成立させてしまった「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」。
　　まるでデビュー作『翼ある闇』のようでした（笑）。
　　従来の本格ミステリではオチにしか持ってこれないような現象を、
　　さも当然のように位置付け、ネタを構築する一要素にしてしまっ
　　た「水難」。
　　何気なさが本当に素晴らしい（笑）。
　　従来の本格ミステリではタブーの領域として、ここまで描かれる
　　ことはなかったであろう探偵役のあくどさを表現した「小人閒居
　　為不善」他数作。
　　はやみねかおる作品の対極に位置付けられます（爆）。

　　とか何とか言ってても、全作「本格ミステリ」の世界が作られて
　　いるんだからすごいですね。まさに「新本格」だと思います（笑）。
　　
　　個人的には「探偵役のあくどさ」は、ここまでが限界のような気
　　がします。これ以上のレベルのあくどさ（例えば幼児を扱ったも
　　の）は無理・エンタテイメント好きの読者がついてこれないよう
　　に思うのですが、そうなるとメル短編は今後、どの方向に向かっ
　　ていってるんでしょうか？
　　楽しみです。メル長編のほうは、ちょっと私にはツラいものがあ
　　るので（苦笑）。

　『プレーグ・コートの殺人』

　　カー（もしくはカーター）作品は、ある程度固めて読まないと楽し
　　めないってことを、社員旅行中の読書で痛感しました（汗）。
　　んでも日々の暮らしの中でそんな時間的余裕は滅多にないので、ち
　　ょっと困っている次第です（泣）。

　　今作を例に取れば、オカルティズム満載の前半を固め読みし、ヘン
　　リ・メルヴィル卿登場以降の推理の快刀乱麻全開の後半を一気読み
　　すれば、もう間違いなく楽しめるはず。
　　書かれた時代が古いからか、ネタの成立性に少し難があるように思
　　うんですが、それでも細かい箇所を含め表現されていた前半部分の
　　あれやこれやが、全て説明されて事件の全貌が明らかになるくだり
　　には、心地よい快感が得られることと思います。

　　これからこの作品を読もうと思われている方は、上記のような二段
　　階にわけた読み方をお勧めします。
　　決して社員旅行中に途切れ途切れのコマギレで読むことのないよう
　　ご注意くださいませ（汗）。

そいでは！！

1105.　2002年07月03日 12時25分12秒　投稿：SAMANA　
16号室SAMANAです～。

　『唾棄すべき男』　ペール・ヴァールー＆マイ・シューヴァル

　　独特の暗さ・けだるさを漂わせているマルティンベック・シリーズです。
　　警察小説です。面白いです。社会が描かれています（笑）。
　　カバー紹介文には「６作目」と書かれていますが、あとがきのリストで
　　は「７作目」と読みとれるので、どっちつかずの状態です（汗）。

　　少し地味目に話が進んでいくのですが、お馴染みのキャラが登場しだす
　　とそれでも面白く読んでいけるのが不思議（笑）。
　　と思っていたら、終盤になってとんでもない展開が繰り広げられてきた
　　のでビックリしました。まさかこうなるとは・・・。面白い面白い！！

　　しかしながらラストは、そのとんでもなさがすっごく尻窄みに・・・と
　　いうか、途中でぶった切られたような唐突さ（爆）。これは次の作品に
　　まで少し踏み込むことになるのかな？
　　やっぱり気になるマルティンベック・シリーズでございます～（笑）。

そいでは！！

1104.　2002年07月01日 12時57分30秒　投稿：SAMANA　
16号室SAMANAです～。

　『電脳山荘殺人事件　金田一少年の事件簿３』
　　　　天樹征丸・さとうふみや（画）両氏　読了

　　「最初に読んだミステリ」という設問で、徐々に名前をあげられる事が
　　これから多くなってくるであろう、メジャー・コミックのノベライズ第
　　３弾でございます（汗）。

　　今ひとつ推理の道筋に納得しづらい内容だったと思います。特に真相序
　　盤の根拠等はちょと無理なんじゃないでしょうか。私は○○○だけど、
　　それでもこんな風に入力してしまいそうです（汗）。
　　乱歩のダイイング・メッセージの処理はとても面白く感じたんですが、
　　金田一少年の「切り札」前後で、またちょっと「無理なんじゃ・・・」
　　という思いがむくむくとわきあがって参りました（苦笑）。

　　事件の根底を成す環境設定は先例があるものの、結構普遍的なテーマ
　　だと思うので、特にいうことなし。
　　自戒を込めて、気をつけるようにしたいです。ハイ（爆）。

そいでは！！

[NAGAYA v3.13/N90201]