黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  149〜152件 
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1115. 2002年07月30日 19時53分02秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『光の帝国 常野物語』 恩田陸氏 読了

  辛く暖かく、厳しくて優しいSFファンタジーです。派手さはあ
  りません。むしろ「静」を感じさせてくれます。
  いやはや。私はまた、恩田作品にやられてしまいました。涙腺ゆ
  るゆるです(苦笑)。

  連作短編集ですが、全体として見ればまさに壮大な物語の序盤ほ
  どにあたるようなものに思えます。とは言っても、1編1編の話
  の濃度は非常に濃いです。あとがきでも触れられていますが、ま
  さに「総力戦」にふさわしい各短編だと思いました(笑)。

  設定は少々陳腐とも思えるほど、よく見かける設定なんですが、
  ここまで魅力的に話を引っ張られると、「どうなってゆくんだろ
  う? どうなっちゃうんだろう?」と続きを大いに期待してしま
  います。
  んでも、登場した多くのキャラについてまだまだ語られていない、
  もっと多くの体験を経ているはずだ、そんなエピソードをもっと
  もっと読ませてほしい・・・という思いも確かにあります。
  
  私の希望としては、極端に重くてハードな展開にしていただかず、
  それでも「ライフ・ワーク」としてこの物語を細々とかつ延々と、
  さらにその時々での「総力戦」で、ずっと書き続けていただけれ
  ば、こんなに嬉しいことはございません。
  ・・・・・・欲深すぎですね(爆)。
  
そいでは!!
1114. 2002年07月29日 23時03分36秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『バースデイ』 鈴木 光司氏 読了

  鈴木さんの代表作と言われている『リング』『らせん』『ルー
  プ』それぞれに関係した話がおさめられた短編集です。
  私、まだ『ループ』を積んでいるのに、先にこれを読んじゃい
  ました。だって、先に文庫化されるんだもん(汗)。

  『リング』も『らせん』も内容を忘れてしまった男が言うこと
  じゃないでしょうけど、やっぱりこの短編集は3部作を先に、か
  つあまり時間をおかずに読むほうがいいと思います。
  そうすれば、
   「空に浮かぶ箱」はより背筋が寒くなり、
   「レモンハート」はより無常観が浮かび上がり、
   「ハッピー・バースデイ」はより感銘が深くなる
  ような気がします。
  それぞれ単独で読めないこともありませんが、より楽しめること
  間違いないでしょう(笑)。

  特に「ハッピー・バースデイ」は『ループ』の後日談ですが、
  読んだ限りでは恐らく『ループ』のネタがかなりばらされてい
  るように思える(積読なので想像でしかありませんが)ので、
  絶対に『ループ』を先に読むほうがいいと考えます。
  私の二の舞だけは避けましょうね(笑)。

  「ハッピー・バースデイ」を先に読んだ私は、とりあえず『ル
  ープ』を「倒叙もの」として無理矢理位置付けるようにいたし
  ます(爆)。

そいでは!!
1113. 2002年07月29日 12時47分32秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『弟切草』 長坂秀佳氏 読了

  テレビゲームのノベライズ、ただしゲーム内容とは全くの別物と
  して仕上げられた作品だそうです。
  私はこのゲームをしたことがないのでちょっと比較出来ないんで
  す(苦笑)。

  端的に言えば、読む「お化け屋敷」と言いたくなるような話でし
  た(笑)。んでも、結構、強引な力技で結末を作り上げています。
  作家が作家だけに、こっちの力技のほうが期待してた結末パター
  ンだったので、ちょっと嬉しいかも? 
  ただ、よく理解できないところもいくつかありましたが・・(汗)。

  あと、これも私は未見なんですけど、きっと大映テレビのような
  「大仰な演技」で失笑まじりに楽しむ話でもあるんじゃないでし
  ょうか? 二人の主人公の行動を見てるとそうとしか思えません
  でした。作者さんがその点も狙っていたかどうかは、判らないん
  ですけれど(爆)。

そいでは!!
1112. 2002年07月27日 23時04分00秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『赤後家の殺人』 カーター・ディクスン氏 読了

  H・M卿が文句まきちらしながらも活躍するお話。
  そうかぁ。このトリックの元作品はこれだったんですね。
  また一つ、かしこくなってしまいました(笑)。

  トリックにははたと膝をうったし、伏線もきっちり張られてい
  てとてもいいのですが、犯人の行動心理が今いちよく理解でき
  なかったのと、意外性を高めるためでしょうが、ちょっと無理
  と思われる行動も見受けられ、そこが少し残念です(泣)。

  カーって「伏線」をすごく大事にしてるように感じました。
  謎を解いてやろうという気持ちでミステリを読む人にとっては、
  一瞬(一文)たりとも油断できない作家さんですね(笑)。
  逆にいえば、このあたりがロジックものとしてカー作品がほと
  んどあがることのない要因になっているんでしょうか?

  うー。なんだか自ら迷宮に迷い込みそうなので、このあたりの
  話は止めにしておきますです(爆)。

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]