黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  145〜148件 
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1119. 2002年08月05日 12時53分42秒  投稿:SAMANA 
6号室SAMANAです〜。

 『殺意の時間割』 
  赤川次郎、鯨統一郎、近藤史恵、西澤保彦、はやみねかおる氏 読了

  「時間」をテーマにしたミステリ、いわゆる「アリバイもの」をテ
  ーマにおのおの書き下ろされた企画短編集。
  訳あって、前に読んだ本と今回の本は購入して即読んでます(笑)。

  以下、各作品に対する感想。

   「命の恩人」(赤川)
    多くの赤川作品に感じられる「そこそこの面白さ」を感じさせ
    る短編。小説構成・キャラの基本がしっかりおさえられてるよ
    うで、おおむね面白いんですが、後半の犯人(たち)の行動に
    疑問が感じられるのが残念。
   「Bは爆弾のB」(鯨)
    設定は面白いけど、ただそれだけ。正直、あとはヒドイと思い
    ました(爆)。
   「水仙の季節」(近藤)
    赤川作品との違いを極端に感じた作品。こちらはミステリの基
    本がしっかりおさえられてるように思いました。
    ミステリとしてはとてもオーソドックスな作品。でも平凡とい
    う意味ではなく、安心感が感じられるといったところ(笑)。
   「アリバイ・ジ・アンビバレンス」(西澤)
    こちらは悲劇系ロジックミステリ(笑)。犯人の狙い目が非常
    に秀逸に感じられるも、実際には抜け道があるんじゃないかと
    思えたんですが、違ってるかなぁ(汗)?
    でも、非常によく考えられたミステリだと思います。キャラも
    非常に魅力的。
   「天狗と宿題、幼なじみ」
    はやみねさん独特のアクロバット・トリックもの(笑)。
    アリバイと成仏のアクロバットは納得するも、お札のアクロバ
    ットには(伏線も用意されてましたが)今ひとつ納得できなか
    ったのが残念(汗)。
    それにしてもはやみね作品中のキャラたちの会話(独白含む)
    って、赤川作品にかなり共通するところがあるように思うのは
    私だけでしょうか(笑)。

   面白かった順番をあらわすとすれば、
    近藤>西澤≒はやみね>>赤川>>>>>―10>>>>鯨
   といったところです。
   かなり差が開いてますね(苦笑)。

そいでは!!
1118. 2002年08月03日 23時11分22秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『眠れる女王 ラクラ=ウリガに咲く夢』 鷹野祐希氏 読了

  この作者さんの日記を読むたびに、「満身創痍」という語句は
  この人がいるからこそ生み出されたんじゃないかと思うほどで
  す(笑)。
  そんな作者さんが紡ぎだした物語で、予想以上に楽しめました
  です〜。

  序盤は、この物語世界が読者には既知のものであるかのように
  進んでいくので、かなりとまどいました。話が進むにしたがっ
  て徐々に説明されていくんですけど、どうも追いつけない。感
  覚がもう若くなくなったってことでしょうか(汗)?

  んでも、作品世界に慣れるにしたがって主人公の行程と過去の
  出来事を楽しめるようになりました。「真相」についてもひね
  りが効いていて好みです〜。
  このあたりに私は「グランドロマン」の匂いよりも、「ファン
  タジーSF」の匂いを感じました。
  読切りファンタジーSFの佳作だと思っています。
  さてさて。他の読了者はどうとらえるのでしょうか(笑)?

そいでは!!
1117. 2002年08月02日 23時09分37秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『萩の雨』 連城三紀彦氏 読了

  ミステリ色の薄い恋愛小説短編集です。ミステリ色が全くない
  のもあります。
  ある程度覚悟はしていたんですが、恋愛小説はやっぱり読むの
  がしんどかったです。キツかった〜(汗)。

  「萩の雨」は母娘が何でこんなことしたのか判らないし、
  「柳川の橋」は男のわがままが鼻についたし、
  「会津の雪」は男の身勝手さにあきれかえったし、
  「みちのくの月」の婆ちゃんは少しいとおしかったけど、
  「北京の恋」は女の自己中に嫌気がさしたし、
  「輪島心中」にいたってはリエの心中を全く理解出来ません。

  私という人間はなんてがさつで野暮を極めているんだろうと、
  声高らかに宣言してるみたいですね。いいんです。私はしょせ
  んこんな人間なんです(泣)。

  一言釈明するならば、恋愛でこんな悩みにとらわれたくない、
  もっと前向きでありたい、と自分に言い聞かせているために、
  作品が楽しめないのかもしれません。
  う〜。でも「言い聞かせている」という行為そのものが既に不
  自然ですね。悲しいなぁ・・・・・・(爆)。

そいでは!!
1116. 2002年08月01日 23時05分19秒  投稿:SAMANA 
6号室SAMANAです〜。

 『暗い森』 アーロン・エルキンズ氏 読了

  スケルトン探偵シリーズの第二作目です。
  ミステリらしい要素もありますが、話全体としては大人の「お
  とぎ話」になるのかもしれません。夢を感じたわけではありま
  せんが、幻を見たような感じです(笑)。

  意外性は「犯人が誰か?」ということ以外で発揮されています。
  唐突ですが、びっくりしました。あと、別の意味で大人のお話
  を感じました。読者サービス、というか「オヤジ」サービスが
  結構充実してました(爆)。

  けれどもなぜか、読後は少ししっくりこないものを感じました。
  それはたぶん、この話が「サルツ」の視点・考え方からでしか
  描かれていないからなのでしょう。変なところで私はしこりを
  持ったみたいです(苦笑)。
  話の運びとしては現実的でおかしいところは何もないと思うん
  ですが、少しだけやな気分になりました。
  まだまだ未熟だなぁ、私は・・・(爆)。

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]