黒猫荘
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MAY茶房「ミステリ談話室」
オーナー:MAY

本に関する談話室です。

  133〜136件 
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1131. 2002年08月30日 23時07分47秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『「ミステリーの館」へ、ようこそ』 はやみねかおる氏 読了

  今、本当は京極夏彦『狂骨の夢』を読んでるんですが、あまりにも
  ボリュームがありすぎるのでそちらはいったん中断して、児童向け
  推理小説初の「袋とじ」本を破いて読んでしまいました(ワクワク)。

  今作はタイトルからも想像がつくように、いつも以上に「ミステリ」
  に力が入っているように思います。
  ミステリの大技、小技、小ネタに加え、最後にさらに袋とじされた
  いわゆる「二重とじ」もあるという凝り具合。非常に贅沢な内容で
  あります。すっごく「濃ゆい」です(笑)。

  小ネタで言えば、P.80の5〜6行目、P.82の9〜11行目などは「判る小
  学生って本当にいるの?」てなネタ(小学生のみんな。ミステリ好
  きな大人になったら、この部分を読み返してニヤッとしてね!)も
  あるし、P.84の模型の数々なんて、全部答えられる人はほとんどい
  ないんじゃないでしょうか(汗)?
  ちなみに私も判っていませんです(苦笑)。

  ミステリ技は元ネタが頭に浮かびますけど、その「応用」加減が素
  晴らしいです。小技も視点のひねりが効いていてシブイです。
  一番凄いなぁと思ったのはやっぱり最後。
  『機巧館のかぞえ唄』といい、今作といい、はやみねさんは児童書
  でミステリの「全て」を語ろうとしているんでしょうか?
  まったくもって、恐ろしい児童ミステリでございます〜(感服)。

そいでは!!
1130. 2002年08月28日 12時44分46秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ありふれた不倫だったのに』 山崎洋子氏 読了

  タイトルからして、現代を感じさせるこの作品。う〜ん。誰に感
  情移入してよいのやら、さっぱり判らないぞ(笑)。

  不倫してた女性が誘拐などの事件に巻き込まれて、そのやっかい
  な立場から、今までの数多くのツケと事件にもみくちゃにされな
  がら、何とか真相にたどりつこうとするお話。
  筋はわりと複雑で、事件を追っていく課程を楽しむサスペンス・
  タイプの作品だと思いますが、少し物足りない感じがしました。
  ミステリがこの作品のメイン・テーマでないとしても、もう少し
  ドキドキするようなことがあっても良かったんじゃないでしょう
  か。これじゃ何だか小説風の三面記事を読んでるみたいです(苦笑)。

  心情的にはどの人間も理解できそうな気がするし、でも「みんな
  勝手だなぁ」と感じたりもするし。きっとこれは私の本心が曖昧
  模糊として定まっていないからでしょう。
  私は善人にもなれるし悪人にもなれるかもしれないと思っている
  けれど本当はどっちにもなることが出来ない「小心者」といった
  ところなんでしょうね(苦笑)。

そいでは!!
1129. 2002年08月26日 22時47分16秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『華やかな喪服』 土屋隆夫氏 読了

  久々に読む土屋隆夫長編です。今まで読んだ土屋作品には決してな
  かったタイプのミステリでした。こんなご高齢で新たなタイプの作
  品を書かれるとは・・・。素直に驚いてしまいました(笑)。

  とはいうものの、やはりところどころにお歳を感じさせる描写が見
  られました。主人公二人の好み。ちょっと不自然すぎます(爆)。
  また、話の世界観も結構昔っぽいというか、人情悲劇ものというか、
  お涙頂戴ものというか・・・。でも私は決して嫌いではありません。
  いや、むしろ好きです。好ましくてとても面白かったです。けっこ
  う感情移入してしまいました。
  ううう。もっとええ世の中にならんもんかのぅ・・・(爆)。

  な〜〜〜〜んにも考えずに、ただストーリーを追いかけて作品世界
  に没頭していただければ、ミステリとしてもかなり楽しめると思い
  ます。執筆された時の年齢はおそらく70台後半だと思われますが、
  それでこのレベルのミステリを書かれるとは・・・。本当に頭が下
  がります。恐れ入りました(汗)。

そいでは!!
1128. 2002年08月24日 09時04分56秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ドーヴァー 1』 ジョイス・ポーター史 読了

  史上最低の名探偵、ドーヴァー警部ものの第1作。予想以上の名探
  偵ぶりにちょっと驚いてしましました(笑)。

  そしてまた思った以上にオーソドックスで基本的なパターンの本格
  であったことにも驚きました。話そのものは突拍子もない容疑者達
  や警官達(!)とドーヴァー・コンビとのかけあいでユーモアたっ
  ぷりに進んでいきます。
  けれど、各容疑者とのやりとりが終わった段階で、それぞれの○○
  パターンをしっかり把握し、被害者のほんのちょっとした○○に関
  する矛盾に目をつけ、○○をだす方法を推理できれば、確定的証拠
  は提示されてないにしろ、「○○が最も犯人に近い」というところ
  まで推理できるようになってると思います。
  いや、ホントにオーソドックスなパターンでビックリしました(笑)。

  ポーター作品。ホンコンおばさんのシリーズとあわせて、これはぜ
  ひ読んでみたいと思います。
  いやぁ。ユーモアたっぷりのイギリス本格って本当にいいもんです
  ね〜。 ←15号室で書いたイメージとかなり違うぞ(爆)!!

そいでは!!

[NAGAYA v3.13/N90201]