黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真

(OPEN:1999年7月19日)

「白梅軒」へようこそ。

  13〜16件 
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4798. 2013年11月30日 23時59分08秒  投稿:かわぐち 
>よしださま
ああ、こんな本の紹介まで面白がってくださるのは貴殿のみです。
でも私からみたら、貴殿のほうがよほど面白本読みの天才だと(もっとも貴殿の場合は、本の内容より紹介の文がそれ以上に面白いのかもしれませんが)。
ちなみにこの本の刊行は昭和43年。国枝史郎『神州纐纈城』が刊行されたばかりで、「大ロマンシリーズ」開幕前でした。


野村恒彦『探偵小説の街・神戸』(エレガントライフ)読了。神戸の出版社から出たご当地本。
横溝正史、西田正治、山本禾太郎など、神戸と関係の深い探偵小説作家たち、あるいは神戸を舞台にした探偵小説など、地元の人でなければわからないエピソードを交えて綴られる裏話が楽しい。
もちろんその地元民でない私にはわからないのだが、それでもこうした楽しみ方があるのかと新鮮であった。鷲尾三郎『過去からの狙撃者』が「青春の一冊」なんて感想が持てる人、他にいますか?

不勉強にしてよく知らないのだが、こうした視点は各地で持てるもののはずなんだが、やはり出身作家、舞台にした作品の数がないことにはどうしようもない。
私にしても便宜上、愛知県、名古屋市とすればまだしも、真に故郷が登場する作品となれば、島田荘司『夜は千の鈴を鳴らす』以外は聞いたことがない。ちなみに島田氏がこの地を舞台にしたのは日本でただ1箇所という特徴があったから。子供の頃から見ていたが、それが特別なものとは思ってもいなかった。


4797. 2013年11月08日 12時27分53秒  投稿:よしだ まさし 
うわっ、また面白そうな本を!と思ったら、古い本でしたか。
少なくとも新宿区の図書館にはありませんでした。

ちなみに「ファントマ」はたいそう面白い本でした。
内容の面白さもさることながら、著者はどうやってあれだけの資料にあたれたのか、そこに一番圧倒されました。
4796. 2013年11月07日 22時59分54秒  投稿:かわぐち 
石川雅章『松旭斎天勝』(桃源社)読了。
明治から戦前にかけて絶大な人気を誇った美貌の女奇術師の伝記。
著者は天勝一座の構成・演出を担当した人物であって、文献に頼らない人物像となっているところは頼もしい。文中、なんと松井須磨子、天勝、二人の「サロメ」を観たという記述があり驚いた。明治の話だよ。
師匠天一についての記述も多く、名古屋市博物館「マジックの時間」を見る前に読んでおきたかった。
実はこの本、買ったのは20年くらい前だ(三宿・江口書店)。
本書で知ったのが「魔術の女王」という映画。天勝引退前に記録に残すためにつくられたとあって、その奇術がふんだんに観られるそうだ。なんとかして観たいものだ。

4795. 2013年11月02日 00時15分06秒  投稿:かわぐち 
ルタン・モネスティエ『【図説】世界三面記事全書』(原書房)読了。
前文50頁は実に要領よくまとまっており、同分野に関心があれば、この部分だけでも図書館利用でもよいから読んでおきたい。
特に私にとって新鮮だったのは挿絵について。三面記事は写真メディアが普及したあとでも挿絵がよく用いられたという。なぜか。
それは写真は「後追い」だからだ。犯罪現場、事故の瞬間など、偶然性がなければ映像に収められるものではない。
しかし絵なら、その「瞬間」を視覚化でき刺激を与えられる!というわけだ。
本書では「世界最高の三面記事挿絵画家」というアンジェロ・ディ・マルコの絵、さらに50年代の挿絵を多く収載。
本書のメインは実際の三面記事(たぶん800くらい?)なのだが、それらは2000年前後のもの。したがって、挿絵と本文に関連性はないのだ! 
この場当たり的なつくりが対象にふさわしいといえば、贔屓の引き倒しか。
そういう意味では先に読んだロミの『三面記事の歴史』のほうがよほど「図説」と呼ぶにはふさわしい。
メインの三面記事の数々は、本当に下世話な好奇心をくすぐる内容で、本当かな?と眉に唾付けながらも無類に面白いことは確か。
ツイッターというのはシロウト発信のこの「三面記事的出来事」にあふれた世界なんじゃないだろうか。

[NAGAYA v3.13/N90201]