黒猫荘
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探偵作家・大阪圭吉の掲示板
オーナー:小林文庫


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317. 2001年11月11日 19時09分22秒  投稿:金光寛峯 
阪圭吉の得がたい少女ユーモア探偵もの「香水紳士」を入力、青空文庫へ
送ってきました。雑誌「少女の友」昭和15年5月号掲載、のちに短篇集『ほが
らか夫人』(昭和18年1月, 大都書房)に収録された作品です。
今回たまたま機会があって読むことができたわけなのですが、これが埋もれ
たままでは惜しい面白い作品だったので、放っておく手はない、復刻してみ
ました。
公開までのスケジュールとしては、第三者による校正を経たのちに加工 (HTML
化・エキスパンドブック化等)されることとなっており、今しばらく時間がか
かることとなります。あまり青空さんの事情は存じ上げないのですが、校正は
人手不足ぎみらしいので、少しのんびり待たなければいけないかも。
公開された際には読んでいただけましたら幸いです。

作者のユーモアものなどもどんどん復刻されればいいですね。

316. 2001年11月09日 19時16分10秒  投稿:てつ 
「幻の長編を隠れテーマにした、現代「新本格」作家の作品」
そんな作品があるのですか!誰の作品なんでしょうか?
良かったら教えていただけますか。

新本格派の台頭がもう少し早ければ、幻影城も悲しい結末を迎えずに済んだかも
しれませんね。

315. 2001年11月09日 15時22分23秒  投稿:松村武 
>管理人さん
更なるご説明、有難うございます。大変参考になりました。
大阪圭吉作品における「労働の現場へのこだわり」については、僕も微力ながら、当時のプロレタリア文学その他の趨勢に当たりながら、調べてみようと思います。

314. 2001年11月09日 01時45分28秒  投稿:管理人 
松村武さん はじめまして。
 掲示板に投稿ありがとうございます。
 もう群竹さんから、お答え頂きましたが、私からも少し。

 私も「坑鬼」を初読したときに、プロレタリア文学を感じました。
 本格探偵小説として読んでいたものが、プロレタリア文学に変わった事には、驚愕したものです。
 「気狂い機関車」にはプロレタリア文学を感じた事はなかったですが、「モダン・タイムス」と同様の風刺が有ると言われると、納得するところが有りますね。
 
 圭吉は自分自身については殆ど語っていないので(文庫に収録されたもので、主要なエッセイはほぼ含まれています)、左翼思想との関わりは、解りません。
 ただ、あの時代の知識人として、何らかの形で、左翼思想(今から見れば、普通の民主主義思想ですが)の影響は受けているのではないでしょうか?
 群竹さんの引用されているのは、鮎川哲也の「人間・大阪圭吉」だと思いますが、同じ評論には、「(圭吉の弟は)アナーキストだった」とか、「(東京移住の前には)思想関係の書き物を燃していた」という、ご家族の証言も書かれています。
 別の文献では、大阪圭吉の中学時代の友人・本田文一氏が「(在京の大学時代)中央公論の文壇アンデパンダンに応募したり、左翼劇場の新劇が好きでロシヤ語の勉強を始めたりした…」と記しています。
 「労働の現場へのこだわり」も含めて、この観点からの検討も進めて欲しいですね。

てつ さん
 はじめまして。
 幻影城世代ですか!?
 私も幻影城世代で、大阪圭吉を意識したのは、「幻影城」で「坑鬼奇」を読んだのが始めでした。
 本格ミステリーとしての重厚さと、「プロレタリア文学」的テーマとの融合に、驚倒しました。
 (それ以前に、渡辺剣次さんのアンソロジーなどは読んでいましたが、それ程強い印象はなかったのです。)

 圭吉の幻の作品は、私もずーーーと気にかかっています。
 甲賀三郎に預けたという長編こそ、是非読んでみたいものです。
 どなたかが書いていましたが、甲賀三郎宅には、どこかに仕舞い込まれている可能性があるかも。
 「幽霊妻」を選んだという未発表原稿群は何処から出てきたのか謎ですが、いつか書かれたのか?にも興味が有ります。
 圭吉の家は地方の旧家ですから、自宅の蔵に密かに未発表原稿が眠っているかも…。(もうその蔵は無くなっているようですが)
 何時の日か、突然現れることを、少しだけ期待しています。
 
 ちなみに、その幻の長編を隠れテーマにした、現代「新本格」作家の作品が有るのですが、ご存知ですか?

 お二方とも、今後ともよろしくお願い致します。

[NAGAYA v3.13/N90201]