黒猫荘
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黒猫荘「集会室」
オーナー:小林文庫
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302. 2003年08月25日 22時34分53秒
投稿:森下祐行
京極夏彦の『巷説百物語』読了しました。
「絵本百物語」の怪異譚を利用して、不可能と思われる依頼を実行していく
四人組の話です。京極版必殺シリーズもしくはミッション・インポッシブル
てところですか。
中心人物の《小股潜りの又市》、さまざまな人物に変装する脇の《事触れの治平》、
紅一点の美女《山猫廻しのおぎん》、それに百物語を書こうとして各地で怪異譚を
蒐集している《考え物の百介》の四人組もなかなか魅力的だし、短篇というより、
短めの中篇が七編、それぞれに怪異譚の利用のしかたに工夫がこらされていて、
マンネリに陥らないもの見事なものです。
江戸時代の人とて、単純に怪異な出来事を信じているわけではない。信じさせる
ための手順に工夫をこらした「芝右衛門狸」には感心しましたし、怪異譚の謎とき
的な「柳女」や「帷子辻」もよく出来ています。また、叙述にひねりのある「舞首」
も、うまいものです。
何をいえば、百介の存在価値がいまひとつなところでしょうか。
と、褒めたところで言うのですが、どうにも、京極の文章はつらかったです。
けっして下手な文章ではない。雰囲気を盛り上げるには効果的だと思います。
でも、こんなにも妙な漢字ばかりを使わなくてもいいんじゃないかとか、登場
人物のセリフがいちいち、「わけにも行くめェよ」「なンのかンのと」
「じゃアないのサ」などというのもどうかと思います。
たいたい、セリフのなかの「ん」をすべてカタカナで書きたがるのは、
小池一夫の影響なのでしょうか?(冗談ですが)そンなに「ん」を嫌わなく
てもいいンじゃアないですかね。
ということで、大変面白かったですが、京極を次々と読むまでにはいたらな
かったです。
そういえば、この話の続編が本屋に山積みされていましたね。今度も分厚い
なあ。
301. 2003年08月25日 01時02分38秒
投稿:森
浜松温泉オフの課題本、サラ・コードウェル著『黄泉の国へまっしぐら』を読み終わりました。
事件は富豪の故レミントン=フィスク卿の孫ディアドリが転落死し、その死をめぐって、話は進んでいきます。その転落事件の数ヶ月前に、その富豪の遺産相続に弁護士軍団が関わっていたため、転落事件にも関わることに。まるで『行列のできる法律相談所』のようです。遺産相続に絡む話のため、登場人物がとても多く、しかも外国人の名前ですから、なかなか覚えられなく、人物表を見ながら、読み進むといったぐあいになりました。イギリスの法律、ギリシャ神話、ヨット、クリケットなどなど、解らない話題が続出し、苦戦しました。やはり翻訳ものは苦手のようです(汗)。ただし、これは僕の場合であって、文章自体は軽妙なので、つるつると読むことができると思います
。現実味の高い事件で、ゲーム性はないので、実際にありそうな話といえますね。
室長飛鳥さん、ありがとうございましたー。
300. 2003年08月24日 11時31分03秒
投稿:「黒猫荘」管理人
こんにちは。
小林文庫オーナーです。
まだまだ、オフ会の余韻に浸っています。
天野一さんから、浜松オフ会の領収書を送っていただきました。
会計報告と照らし合わせて、間違いの無い事を確認しました。
(ここまでしていただかなくても、良かったのにね)
会計報告の詳しい内容は、「黒猫荘全体オフ会」のHPを見てください。
天野さん、最後まで幹事役本当にありがとうございました。
もう来年の温泉オフのことを考え始めています(笑)
時期は、1月、2月、6月あたりで…。
その時は、またよろしくお願いします。
299. 2003年08月20日 00時48分22秒
投稿:アシェ
こんにちは、アシェです。
先日のオフでいただきました乙一『平面いぬ。』読み終わりましたので御報告致します。
えー、乙一読了はこれが二冊目なんですが(一冊目は『暗いところで待ち合わせ』)、今回も充分楽しめました。
私にとって、乙一は夢野久作に近い肌触りなのです。ああ、いや、「全然違うだろっ!」という突っ込みはもちろんあるかと思いますが、何故かついつい比較してしまうんですよね。
私の捉え方では、乙一作品はファンタジーでもホラーでもなく、「怪異譚」なんですよ。その辺が久作っぽさを感じる所以なのでしょうけど。
で、この作品集でのお気に入りは「はじめ」です。なんというか、「幻覚」が「幻覚であること」を自覚しつつ、それでもそこに自我が成立しているという妙な居心地の悪さ(かえって自己存在の確定性を揺るがせるような感触)が、いびつなものを好む自分の趣味に合致したようです。
「石ノ目」はオチは読めるのですがそれが減点になっていない上手い作品だと思います。
「BLUE」と「平面いぬ。」はやや平凡かな。「平面いぬ。」の良さは分かるのですが、乙一にしか書けない、というほどの強烈さはなかったように思います。
そんな感じで。
[NAGAYA v3.13/N90201]