| [黒猫荘の入口] [入居者リスト] |
[006号] [008号] |
[最新発言の一覧] [掲示板の使い方] |
|||
|小林文庫|掲示板|推理小説ノート| [mobile対応版 黒猫荘] |
MAY茶房「ミステリ談話室」 |
オーナー:MAY |
Page11 / 13 Top | Bottom ← 201〜220件(保存数250件) → | [HomePage] ▼ 投稿する ▼ 削除する ▼ 管理用 |
1063. 2002年04月21日 23時07分34秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿』 篠田真由美氏 読了 神秘・華美・苦悩・耽美・幻想などの味わいが、目眩ましのように作 中に沁み込んだ、独自の世界を感じさせる篠田作品の建築探偵シリー ズ第二作目です。 う〜ん。誉めてるのかけなしてるのか、よくわからない表現だぞ(苦笑)。 まぁ、私の体質とは最も縁遠い作風じゃないかと思います。服部まゆみ さんの作品と似た味わいも感じました。 自ら「フィクション」を読んでる訳ですから、自分の体質と全く異なる 作品を好きになることも何らおかしくないわけですが、ここまで異なっ てしまうと、やはり「面白い」と感じることは出来ませんでした(汗)。 ミステリとしても、京介が喋り始めたころの真相は「そういうことなら そんな行動とるわなぁ、かなり地味に思うけど、でも納得」と、そこそ こ満足してたんですが、途中から「え〜?」と思い始め、最後の大ネタ に関しては、かなりの「無茶ネタ」としか感じませんでした。納得「さ せて」くれませんでした。 そんなに気づかないものか(汗)? 読むべきところはそんなとこじゃないかもしれないけれど、その「読む べき」と思われるところが、私の体質と遠くかけ離れたものなので、こ んな感想になっちゃいました。ガサツなおやじで申し訳ないです(苦笑)。 でもまぁ、建築探偵シリーズ前のヨーロッパを舞台にした「〜の殺人」 はそこそこ楽しめた記憶があるので、もう少しシリーズ作を読んでみる ことにいたします(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.11][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1062. 2002年04月19日 19時17分22秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『怪盗道化師(ピエロ)』 はやみねかおる氏 読了 品切れ状態だったはやみねさんのデビュー作が、今月新たに青い鳥 文庫から復刊されました。 復刊ドット・コムに復刊交渉を希望したはやみね作品のファンの子 供たちによる通称「ぷられーる団」←大人も若干存在(笑) の希 望が叶えられ、本当に良かった良かった。 復刊ドット・コムさん。ありがとう(笑)!! デビュー作だけあってミステリ色は少な目。児童向け小説の要素の ほうがやはり大きいように思います。 それでも「小さな依頼人」「影を盗む男」「最後の仕事」などには ミステリ読者も、そこそこ楽しめるかもしれません(笑)。 んでも、この作品の見るべきところ・感じるべきところは、全作品 に共通する「暖かさ」でしょう。 厳しい現実は確かにある、ひょっとしたら今そのまっただ中にいる 読者(子供達)もいるかもしれないけれど、まずはやっぱり人が持 つ「あったかい気持ち」というものを知ってもらうことは、大事な ことなんじゃないかと思います。 えっ? 普段の私らしくないって? まぁそこはそれ。子を持つ親として、こんなことを思うときが私に もたまにはあるのです(汗)。 蛇足 このころから「ミステリ小ネタ」が既に存在していた事が発覚(笑)。 「魔術師とよばれた男」に登場する手品師の名前は、無理からです けど、やっぱりニヤッと笑っちゃいました(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1061. 2002年04月18日 13時00分20秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『亜智一郎の恐慌』 泡坂妻夫氏 読了 タイトルから判るように主人公は、泡坂さんが生み出した希代の名探 偵、亜愛一郎と関係があります。ぶっちゃけて言えば「ご先祖」さま ですね(笑)。 時代が時代だけに、凝った本格ミステリというわけではありませんが、 それでもベーシックな部分はきっちり押さえられていると思います。 また、あるお部屋で最近話題にあがっている『半七捕物帳』よりは、 江戸庶民の人情・風俗等、「町民文化」の描写が少ないように思われ ますが、その分、江戸城内に生きる人達による「武家文化」が描かれ ていると思います。 そんな訳で、ミステリとしてのお気に入りは「女方の胸」に見られる 逆転の発想が、風俗としてのお気に入りは「地震時計」序盤の、武士 と遊女のやりとりであります。 で、ミステリと風俗描写、両方兼ね備えた一番のお気に入りは「大奥 の曝頭」でございました。 いや、「大奥の曝頭」は本当に堪能させていただきました〜(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1060. 2002年04月17日 12時59分55秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『101号室の女』 折原一氏 読了 折原さん独特のサスペンスミステリ短編集です。 これを読んで、折原さんはこれからミステリ読者に対して、まさに 艱難辛苦の道を歩んでいくんだろうなぁ・・・としみじみ思ったのは 私だけでしょうか(汗)? 意外性に満ちた短編ぞろいなのですが、短編であるがゆえに、また 「折原一」という名前が「この話には絶対に何かあるっ!」といった 意識をミステリ読者に無意識のうちに与える影響が大きいがゆえに、 推理力が全くなくても仕掛けの見当がついてしまう作品が数多くみら れたように思います(爆)。 すごく面白いと思うんです。出来がいいと思うんです。んでも見当が ついちゃうと、どうしても味わいが薄くなってしまうんです(汗)。 折原作品が未読&サスペンスものが好みな方にとっては、この短編集 から計り知れない衝撃を受ける可能性はけっこうあると思います。 だからこそ「ふ〜ん・・・」としか感じない自分の(折原作品に対す る)感覚が恨めしく思われます(泣)。 ただその中でも、 『恐妻家』は、ラストで味わう「妙な感覚」で、 『殺人計画』は、本格ネタっぽい仕掛けの要素で、 『わが生涯最大の事件』は、話の先の見当をつけることが出来ない ストーリーの進め方で、 それぞれ楽しく読むことが出来ました。 特に最後の『わが生涯最大の事件』については、話の進め方はもちろ ん、読者を引き込む話術(?)やオチのつけ方なども含めて、とても 素晴らしい短編だと思いました。 折原作品に関しては、単に「意外」なだけだと物足りなく感じるワガ ママな読者のためにも、折原さん。すみませんがこれからも「艱難辛 苦」の道を歩んでいただくわけにはいかないでしょうか(爆)? なにとぞよろしくお願いいたします〜(ぺこぺこ)。 そいでは!! |
[210.235.112.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1059. 2002年04月15日 23時31分21秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『私が捜した少年』 二階堂黎人氏 読了 本格愛好者の二階堂氏が世に送り出したハードボイルド短編集。 なのに、やはり本格風味が漂ってます。これはもう「性(さが)」と しか言いようがないんじゃないでしょうか(笑)? 話の設定とかなり大げさな文章表現との関係から、ハードボイルドの パロディとみなされているようですけれど、作者は「パロディ」の意 図はなく、ただ単に「コメディ」を狙ったんだと思ってます。 読み始めた時は、かなりとまどいを覚えました。設定をもう少し緩和 すれば、まだ納得できる「無茶」なのに・・・と思っていたんですが、 そんなに堅く考えず、ただ単に「エンタテイメント・コメディ」とし て読もうと思い直したあとは、すんなり楽しむことが出来ました(笑)。 あと、このお話のパターンは赤川次郎「三毛猫ホームズ」の各作品を 思い起こさせてくれました。もちろんこれもパロディではなく、話を まとめるにあたって、「一番適したパターン」に過ぎないんでしょう が(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.52][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1058. 2002年04月14日 17時13分03秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『悪魔の家』 横溝正史氏 読了 昭和14.15年ごろの作品をおさめた短編集。持っているのは角川文庫 なんですが、こんなに古い作品群、しかも金田一ものもしくは幻想 耽美系でないものも角川文庫からでていたとは知りませんでした(汗)。 金田一作品の大ブレイクは、好事家にとっても思いも寄らないメリッ トを与えてくれたみたいですね(笑)。 おさめられた作品のほとんどは、幻想耽美猟奇というよりは怪奇色も 感じさせる冒険活劇の色が強いように思います。 戦争の影が色濃くなりはじめた時代だったため、こういったタイプの 作品を書いたんじゃないかと邪推してますが、本当のところはどうな んでしょうね(汗)? 根はハイカラな方だったようですので、こういう活劇系統もひょっと したらお好きだったのかもしれない(笑)。 「薔薇王」が陰のある義賊系、「嵐の道化師」がミステリ系で楽しく 読めました。ちなみに「嵐の道化師」と「黒衣の人」という短編には あの由利先生が、この2作品と表題作の「悪魔の家」には三津木俊助が 登場いたします。カッコ良いです(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.32][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1057. 2002年04月12日 13時00分32秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『追跡者』 阿井渉介氏 読了 今でも恐らく警視庁捜査一課シリーズとかいうものを書き続けて いるだろうと思われる阿井渉介さんの初期の作品。 本格ミステリでなく、冒険ハードボイルド小説であります(笑)。 解説者ほど思い入れはありませんが、そこそこ楽しめる作品だと 思います。シリアスな主人公の行動を追いかけるだけでなく、全 体に渡る事件の仕組みが考えられていますし、その回答に意外性 も用意されています。抒情性もあります(爆)。 ドキドキ&ハラハラ&感動!! とまではいきませんが、フムフ ム&ほ〜っ&なかなかやるなぁ といった感想は、苦笑する箇 所がいくつか含まれるでしょうが、持つことができるのではない でしょうか(笑)? そいでは!! |
[210.235.112.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1056. 2002年04月11日 22時56分54秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『女王陛下のユリシーズ』 アリステア・マクリーン氏 読了 「黒猫荘オフ in 関西」をはさんで読書したため、物語にのめり こむ条件になかったのが至極残念。マクレーンさんには申し訳ない ことをしてしまいました(汗)。 んでも、続きをオフ翌日以降に読んでみると、もうそこは一気呵成 に読了。いやはやなんとも物凄い。ありとあらゆる艱難辛苦に立ち 向かう、男達だけの物語。熱い魂が冷静な記述なるがゆえに、より いっそうひしひしと読者の胸にしみこんでくるように感じました。 ハヤカワ文庫『冒険・スパイ小説ハンドブック』での、海洋冒険小 説ジャンルで、1位となっていたことから興味を持って読むことに したこの作品。冒険小説はほとんど読んでおりませんが、まさに1位 にふさわしい作品だと納得してしまいました。 このハンドブックに掲載されている作品を私はほとんど読んでおり ませんので、これから私はそんな未読作品を目いっぱい読むことが 出来ます。まだまだ読書はやめられませんね(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.35][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1055. 2002年04月04日 20時06分49秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『重役追放 人事部長極秘ファイル2』 かんべむさし氏 読了 最近、めっきり企業小説家のかんべさん。 昔の作品、『38万人の仰天』でその目はあったのかもしれません ね(苦笑)。 本当に実社会で見受けられそうな「困ったちゃん」たちの行動が 描かれてます。で、その行動に解説を加えるのが、人事部長の田 島といったところでしょうか。 ミステリ好き読者にとっては、面白がるところがほとんどないよ うな作品かもしれません(汗)。 私も独特の「かんべ節」がなかったら、たぶん読んでないと思い ます(苦笑)。 う〜ん。こんな感想しか書けません(泣)。 タイトルでちょっと面白そうに感じられる、次に読む『こちらFM 遊々です!』に期待することにいたしましょう(苦笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.61][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1054. 2002年04月03日 12時44分25秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『浅草ロック殺人事件』 加納一朗氏 読了 加納作品の「ホック」シリーズではないミステリです。 「ホック」シリーズしか読んだことがないことと、作品タイトル に惹かれて買ったのが本音であります(汗)。 ミステリ部分に関してはぼちぼちと面白かったんですが、この作 品世界に読者を誘い込むために、膨大な情報量を作中に取り込ん だその手法に、すごく手間がかかったんじゃないかと思いますし、 実際、その手法は成功しているんじゃないでしょうか。 昭和初期の全般的な風俗描写という点では、長坂秀佳『浅草エノ ケン一座の嵐』と同等、もしくは超えているようにも感じました。 この当時の浅草のように、昔の大阪でもかなり賑やかで活気があ ったんじゃないかとように思うんですが、誰かそんな時期の大阪 を舞台にしたミステリを書いてくれないかしら? 大阪びいきの私は、たぶん読むんですけど(苦笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1053. 2002年04月02日 12時35分29秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『死体は散歩する』 クレイグ・ライス氏 読了 マローン、ヘレン、ジェイク。災いを呼び寄せることにかけては 天下一品の三人によるシリーズ第二作目です。 軽快なテンポに痛快な会話。翻訳の力も大きいのかもしれません が、やっぱりこのシリーズって面白かったんですねぇ(苦笑)。 前に読んだ短編集『マローン殺し』では、当然の事ながらマロー ンが主役なので、かなり際だって目立ってましたけど、ヘレンと ジェイクが加わると、とたんにマローンが保護者みたいな位置付 けになっちゃうんですね。まぁヘレンとジェイクが、あれだけと んでもない行動にでてしまうんですから、それもまたやむを得な いってことなんでしょうね(苦笑)? 事件そのものはまぁ、仕掛けもほとんど見られず、そんなに驚け ない話(こう思う半可通読者(=私)って、何かヤだ(汗)!) なのですが、この作品はそんなところも気になりません。右手に ビール、左手にジンを備え、深夜、作中世界にひたりきって読み ふけるというのが、一番いい楽しみ方なのかもしれませんね。 いやホント。 これって酒が最もよく合うミステリじゃないかしら(笑)? そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1052. 2002年03月30日 18時57分44秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです。 『迷路の花嫁』 横溝正史氏 読了 角川文庫の例によって例のごとくのおどろおどろしい梗概を読み、 おどろおどろしい横溝ワールドだと認識して読み進めたこの作品。 ・・・・・・・思いっきり裏切られました。 しかしこの裏切りは、私にとってはとっても「嬉しい」裏切りで ございました(笑)。 これ、横溝ワールドを「期待」して読んだ人のほとんどは怒るか もしれません。でもラスト近くで「死なないでー」と思った人も 多かったんじゃないかと思いたいです。 これ、端的に言えばお涙ちょうだいの「人情」ものでした(笑)。 感想はここらへんにしときます。 私の部屋で、いつか「お勧め」するつもりなので(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1051. 2002年03月29日 11時56分12秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです。 『大穴』 ディック・フランシス氏 読了 フランシス作品で最もよく名前を聞く人物、シッド・ハレー初登場 のサスペンスであります。 「できる人」が主人公の物語はやっぱり胸がスカッとして気持ちの いいもんでございます(笑)。 とはいえ、単なる強いだけの人間でないところは従来のフランシス 作品と同じでして、シッド・ハレーにおいても基本的には「できる 人」なんだけれども、やはり人間の脆弱な部分を「克服」したうえ で、その力が発揮されております。 前に読んだ数作と比べると、プロットがあまり入り組んでなく、比 較的わかりやすいように思えましたけど、このあたりはさすがに読 者のツボを押さえまくってると思います。 私はまたもやハマッてしまいました(苦笑)。 シッド・ハレーがメインとなる作品は、これ以後も数作あるようで すが、これは単にシッド・ハレーだけの魅力でなく、その周囲の人 物・組織も影響してるんじゃないかと想像しました。 だってシリーズ化を見越したような展開・人物配置としか思えなか ったんですけど(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1050. 2002年03月27日 17時36分06秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです。 『魔性の子』 小野不由美氏 読了 『東亰異聞』の悪印象で、私の中では「今いち作家」だった小野 さんのホラー&ファンタジー小説。 これを読み終えて、印象がガラッと変わってしまいました。今で は「信頼買い」作家さんになりそうな勢いであります(苦笑)。 あやふやな記憶だけで話いたしますが、『魔性の子』と『東亰異聞』 を読んだ限りでは、小野作品については純粋にホラー&ファンタジー の話のほうが私には向いてるようです(汗)。 小野作品は、ホラー&ファンタジー部分が抜群に面白いので、これに ミステリ部分を加えて両立させようとすると、ミステリ部分の出来が かなりいいもの(あっと驚くアクロバティックを含めたロジック等) でないと、ホラー&ファンタジー部分の前に思いっきりかすんでしま うように思います。 その具体作が実は『東亰異聞』だったんじゃないかと思えて仕方があ りません。というか、私が先入観持ちすぎの状態で『東亰異聞』を読 んでしまったのかなぁ・・・(泣)。 作中に、気になる文字面があったんですが、これってやっぱりあのシ リーズの外伝みたいなものなのでしょうか(汗)? そうだとすると、説明不足のところが多々あるように感じる箇所も、 「仕方がないか・・・」と納得出来るんですが(苦笑)。 んでも、そんなところをさっぴいてもこのお話にはぐいぐい引きつけ られました。大変満足でございます。 これで私も「あの」シリーズに、とうとう手を伸ばしてしまいそうで す(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1049. 2002年03月26日 17時14分59秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです。 『疫病神』 黒川博行氏 読了 この小説はほんまに恐いです。大阪のヤクザな人らが利権をめ ぐって動き回るお話なんですけど、その人らがほんまに恐い。 駅のトイレでしょんべんしてる時に、もし桑原が隣にこようも んなら、もう私は生きた心地がせえへんと思います(泣)。 東に『不夜城』あれば、西に『疫病神』あり。 実はテーマも設定も内容も書き方等も全然違う二作品やけど、 「バイオレンス」「暗躍」とかいった単語だけでくくるとした ら、同一ジャンルに入るんちゃうかな?と(汗)。 で、そう考えたら、東と西で話がえらいちごてくるもんやなと、 変なとこで感心してしまいましたわ(苦笑)。 どちらもその土地の風土・人間を把握して描かれたからこその 違いやと思います。 事件の構成は無茶苦茶複雑で、いっぺん読んだだけではわかり そうにもありません。なんで二宮や桑原は死にそうな目におう ときながら、こんな筋道たどれるんか、ほんま不思議です。 これやから「出来るやくざ」はほんまに恐いし、その出来るや くざに見込まれたかたぎの二宮はほんまに可哀想です(汗)。 んでも最後はなぜか、大阪らしいへんてこなハート・ウォーミ ング(爆)。 このあたりが黒川さんの力量なんやろね(笑)。 #蛇足 やくざの桑原。 「こんなやつに関わったらもうどないもならん。ほんま勘弁 やで。くわばらくわばら・・・。」 いうことで「桑原」とつけられたんでしょうな。多分(笑)。 そいでは!! |
[210.235.112.137][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)] |
1048. 2002年03月25日 12時57分17秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『成吉思汗の秘密』 高木彬光氏 読了 神津恭介による初めての歴史推理ものです。後発の『邪馬台国の 秘密』を先に読みましたが、それよりは断然こちらのほうが面白 かったです。やはり「場所」より「人」の謎のほうが私の好みな のでしょう(苦笑)。 といっても、展開される推理部分は歴史にうといものだから、は っきり理解したとは言いがたい状況です。神津の推理にしても井 村の反論にしても、どちらに信憑性があるのかすら判断しがたい ていたらくだし(爆)。 あえていえば、どっちもどっち、水掛け論の泥沼化状態だと思う んですが・・・(苦笑)。 とはいえ、これはもう前提が前提だけにどうしようもないところ。 歴史推理という難関に敢然と挑戦し、神津による名探偵の論理で もって異説を証明しようと試みた、高木さんの幅広いジャンルへ の旺盛欲に敬意を表すべきなんだと思います。 ミステリ的発想で一番面白かったのはP.322の最後の行からP.323 の5行目(光文社文庫1993年4月20日初版による)までに書かれた 「大ロマン」であります。 あのミステリやこのミステリで使われていたネタが、ここでも使 われておりました。でも「ロマン度」はこれが一番強いかも(笑)? で、本書で一番気になったのは、実は名探偵神津の「恋のゆくえ」 でありました(笑)。 ・・・・高木さん。草葉の陰で泣いてはるかも(汗)? そいでは!! |
[210.224.52.35][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1047. 2002年03月22日 23時01分25秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『仏陀の鏡への道』 ドン・ウィンズロウ氏 読了 理知的なヤング・ガイ(爆)である青年探偵ニール・ケアリーが 遠い異国の地を舞台に獅子奮迅の活躍を行う、ある意味、○○冒 険小説ともいえるお話であります(笑)。 1作目からは予想もしていなかった展開となりました。まさかこの 世界が舞台になるとは・・・。育ての親であるジョー・グレアムも きっと全く予想だにしていなかったことでしょう(笑)。 ニール自身も自分のペースで行動できたのは最初のうちだけで、肉 体的にも精神的にも徐々に傷つき始め、次第に大きな時代の流れに 翻弄されていく様は、読んでいてとてもせつなくなってしまうので すが、ひねくれたユーモアたっぷりの会話・独白が、話の暗さを上 手く救ってくれています。 さすがに終盤でニールが聞かされる「○○」の過去の話は、かなり 深刻な話となっています。んでも、このあとニールの身にふりかか る過酷な試練も、先ほどの過去の話も、きっとこれからニールが生 きていく・成長していくために避けることの出来ない必然的な体験 なんじゃないか、作者は意図してこんな展開にしたんじゃないかと 思いました。 のほほんと気楽に読んでいる私が、こんなこと思ってるなんてこと をニールが知ったら、きっと何のためらいもなく、私に狙いを定め て引き金をひくことは間違いないでしょう(爆)。 でも、それだけは何としても思いとどまってほしいですね。 でないと、私が楽しみにしている三作目を読むことが永遠に出来な くなってしまいますから・・・(苦笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.21][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1046. 2002年03月19日 23時13分38秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『呪いの塔』 横溝正史氏 読了 非金田一もの・非幻想ものです。でも本格ミステリではなく、私が 主にイメージしている「探偵小説」らしいお話でした。 ですので、今いち新鮮味が・・・(汗)。 そびえたつ塔の外側に、迷路のように入り組んだ状態で放射状に伸 びる七つの階段を舞台にして巻き起こった殺人事件。真犯人は誰な のか・・・? これだけ読むとかなり期待してしまう設定なのですが、先にも書い たとおり、ぶっちゃけていえば、まがまがしい・おどろおどろしい 雰囲気はあるけれど、ロジックやトリックがそれについてきていな い「探偵小説」のように感じました。 実はトリックらしきものはあるんですが、ほとんど効果があがって ないように思えるんですけど・・・(苦笑)。 このタイプのミステリは続けて読むのは辛いけれど、たまに読む分 には「息抜き用」として、面白いかもしれませんね(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.63][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1045. 2002年03月18日 23時31分30秒 投稿:SAMANA |
16号室SAMANAです〜。 『怪盗クィーンはサーカスがお好き』 はやみねかおる氏 読了 新シリーズです。新刊で買いました。しかもサイン会参加による サイン本であります。で、読了。 ・・・積読順番待ちの本の皆様、ごめんなさい(苦笑)。 講談社青い鳥文庫のもうひとつのドル箱、「パソコン通信探偵団」 シリーズとの合冊『いつも心に好奇心(ミステリー)』で初めて お目見えした性別不詳の怪盗クィーンが、新しいシリーズの主人 公として、大活躍いたします。 怪盗ものということで、教授シリーズより話をアクション主体に して、ネタの面で言えば少しは楽に書けるようにしたのかなぁ〜 と思っていたら、なんのなんの、やっぱりミステリネタもちゃん と用意されておりました(笑)。 んでも、この作品の一番の見所は、実はOPENINGとENDING、そし て怪盗クィーンが一番クィーンらしいシーンである、ENDING前の P.297-298の文章とイラストなんじゃないでしょうか。 このテイストがある限り、クィーンはきっとこれからどんどん子 供達の心を奪っていくことになると思います(笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.54][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
1044. 2002年03月15日 19時43分39秒 投稿:SAMANA |
続きましてのSAMANAです(汗)。 ごめんなさい。健診の待ち時間が長かったりしたので、もう1冊読む ことが出来たんです(苦笑)。 『闇から来た少女』 高橋克彦氏 読了 推理伝奇歴史SF作家(爆)である高橋さんの、正真正銘の「怪 奇小説」です(笑)。 なぜ正真正銘なのかというと、中公文庫版の解説の方がこの作品 を「怪奇小説」と位置付けているからです。この方がそうおっし ゃるんだからこれは絶対に「怪奇小説」です。誰も反論出来ませ ん。さて、解説者はいったいどなたでしょうか(汗)? といいながら、ある少女に起きてゆく症状に現代科学・医学の常 識が通用しなくなり、謎がますます深まっていくといった導入部 は、かなり伝奇小説的手法が感じられましたが(笑)。 解説にもあるように、このお話には2つの「犯人」がいますが、主 にメインをはっているのは「少女」のほうであります(笑)。 で、この「少女」をメインにした続編がある(『闇から覗く顔』) のですが、今回の作品のつくりを考えると、続編のほうを先に読 んでしまうのは絶対にもったいないと思います(爆)。 もし、このシリーズを読もうと思っている方がいるならば、続編の 『闇から覗く顔』を先に読んじゃいけません。梗概さえ目に触れな いようにしましょう。私が持っている『闇から覗く顔』は角川文庫 版ですが、その梗概は『闇から来た少女』のネタバレになっていま す(汗)。といっても、これはもうやむを得ないことかもしれない んですが・・・(苦笑)。 そいでは!! |
[210.224.52.79][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)] |
← 201〜220件(保存数250件) → |