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MAY茶房「ミステリ談話室」
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1103. 2002年06月30日 11時45分29秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『上と外』1〜6巻 恩田陸氏 読了

  かなりの枚数の長編ですが、1冊ずつが薄く文字も大きかっ
  たので、かなりハイテンポで読めました。当然、話そのもの
  にスピード感がある事も影響してますし、始末のつけ方が駆
  け足状態だったことも一因だと思います(笑)。

  もっと深刻、というか幻想っぽい話かと思っていたんですが
  違ってました。
  この物語は舞台設定、環境・状況説明にはさほど重きをおか
  ず、その分登場人物の心情描写を多用している特殊な冒険小
  説、小ジャレた言い方してみてれば、いわゆる恩田流「冒険
  小説」といったもののように感じました。

  それでも次々と主人公達に襲い掛かる危機また危機にドキド
  キハラハラ、練・千華子・千鶴子・賢それぞれ個性的な考え
  方・感情とそれに基づいた自然な行動などにも感情移入出来、
  また周辺キャラの魅力にもとりつかれ(やっぱりおじいちゃ
  んはええなぁ)、かなり満足した時間を過ごすことが出来ま
  した。
  簡単に言えば、「あ〜面白かった」でございます(笑)。

  また、今どきのヤングアダルト層(中学上級〜高校生 なの
  かな?)が読めば、結構いろんな面で影響を受けとってくれ
  そうな物語だと思うんですけど、どんなもんでしょう?
  もし可能であれば、この夏休みの読書感想文の対象にされて
  みてはいかがでしょうか(笑)?

そいでは!!
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1102. 2002年06月27日 12時29分39秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『レスター・リースの新冒険』 E・S・ガードナー氏 読了

  ガードナー名義なのに、ペリイ・メイスンものじゃない!!
  はじめてこの本を見つけた時は、そのことだけでビックリしてしまった
  私です(苦笑)。

  短編集ですが、実はこの作品集は「探偵もの」でなくて「怪盗もの」に
  なります。泥棒が盗んだものしか盗まず、若干の手数料を差し引いて残
  りを寄付にまわすという、ある意味「ドライな義賊」といったようなも
  のでしょうか(笑)?

  五編所収されていますが、個人的には「手中の鳥」と「リース式探偵法」
  が好みです。
  前者は私の好きな「発想の逆転」がネタで扱われているから。後者はま
  わりくど〜い仕掛けが成功するように書かれていて、それがとっても気
  持ち良かったから(笑)。

  で、「新冒険」が面白かったから次は「冒険」を読んでみたいんですけ
  ど、これはきっと(安い値段で)見つかるまでには時間がかかるんだろ
  うなぁ・・・・(苦笑)。

そいでは!!
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1101. 2002年06月25日 23時06分03秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『風が吹いたら桶屋がもうかる』 井上夢人氏 読了

  私にとっては「はずれ」の少ない作家さんの一人である井上
  さんの短編集。もうこの設定を生み出した段階で、ある程度
  の面白さは保障されたようなものだったんじゃないでしょう
  か(笑)?

  シュンペイの普通人ぶりと筋の通った主張。
  イッカクの変人ぶりと筋だけは通った見事な推理。
  ヨーノスケの善人ぶりと持っている能力の造形。
  毎話出てくる性格よさげな美女たち。
  確立された話の基本的骨格と、その骨格の絶妙な配列加減。
  そして基本的骨格は変わらないものの、表現方法を微妙に変
  化させての、徹底したパターン化による面白さ。

  なんだか腕のいい職人さんの技を見たような感じです(笑)。

  イッカクの推理はそれぞれ無理があるのはわかっているもの
  の、個人的には「ふえたネズミは風呂桶かじり」で展開され
  た推理がお気に入りでございます。

  また、イッカクの数々のセリフのうち、

  「論理に破綻はない。破綻がなければ、それもまた真実なのだ」

  には全く納得できないけれども、

  「論理に破綻はない。私は、可能性を示唆しただけのことだ」

  には、大いに納得した私でした(笑)。

そいでは!!
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1100. 2002年06月24日 12時31分51秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ニューゲイトの花嫁』 ジョン・ディクスン・カー氏 読了

  カーの「歴史ミステリ」なるものを読んだのは今回が初めてのはず。
  冒険活劇ロマンみたいですよ、と事前に聞いてビックリ。でも読了後
  は思いっきり納得してしまいました(苦笑)。

  正直言って、話の筋を追いかけるだけで目一杯の状態でした。序盤に
  でてくるミステリの謎の部分を楽しむ事もなく読み進めてしまいました。
  ですので、最後にこの部分の謎解きが出てきてまたもビックリ。やっぱ
  りカーはカーなんだと変なところで感心してしまいました(爆)。
  ですので、この謎解きも伏線通りに成り立ってるのか、いつも以上に全
  く判らない状態です。

  思えば本当にもったいない読み方をしてしまいました(汗)。
  次の「歴史ミステリ」からは気をつけるようにしたいと思っています。
  これから本作を読む人は、ミステリ部分も決しておろそかにしないで読
  んでいけば、最後までよりいっそう楽しめることと思いますので、ご注
  意いただきたいと思います(笑)。

  んでもやっぱり、私の場合は次作も「筋を追う」だけで目一杯になりそ
  うな気がするなぁ・・・。だって話が結構面白いんだもの(笑)。

そいでは!!
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1099. 2002年06月21日 22時54分39秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『死の蔵書』 ジョン・ダニング氏 読了

  古書好きの主人公が追いかける凶悪犯罪と、古書の世界を舞
  台にしておこった殺人事件の2本立て(微妙にリンクしてま
  すが)で構成された本書。凶悪犯罪をめぐる話のほうが面白
  ったんですけど、これって読み方間違えてる(汗)?

  凶悪犯罪のパートに関しては、これはもうバーバラ・クロウ
  ェルの描写・動きが素晴らしい。もしこれが映画だったら、
  バーバラは助演女優賞間違いナシです(笑)。いやほんと、
  主役を食っちゃってますもん。
  殺人事件のほうはおとなしめというか、まぁ目立ったところ
  があまりない事件だと感じました。事件の本筋以外である古
  書にまつわる話にニヤニヤしたり、ある「真相」を知って面
  白がったりしてましたね。
  この「真相」に関しては、ひょっとしたら作者は結局これを
  書きたかったんじゃないか? と思わせるような扱いでした。
  そこそこ驚けるものだと思います(笑)。

そいでは!!
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1098. 2002年06月19日 18時31分33秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『占い師はお昼寝中』 倉知淳氏 読了

  「日常の謎」を扱った本格ミステリ短編集です。
  正直、作者が本格ミステリを無理矢理作り上げているような、
  そんな「窮屈さ」を感じさせる短編集でありました(汗)。

  「窮屈さ」を最も強く感じたのは、最後におさめられた「壁
  抜け大入道」という短編。これは刑事事件なので「日常の謎」
  とはいえないんでしょうが、犯人の行動がかなり不自然で、
  本格ミステリの状況を作り上げなければならないがために、
  作者が無理矢理そう「行動させている」としか感じられません
  でした。
  具体的に言えば、「大入道」がそこにいた理由と「一つ目」
  の理由。すっごく不自然なんですけど(汗)。

  本格ミステリなんだから、ある程度の不自然さはあっても仕
  方がない。ある意味、不自然さがあるほうが「自然」だ、と
  いった変な解釈すら、その時の気分次第では納得したりする
  私(爆)でも、この「不自然さ」は許容できませんでした。
  占い師が活躍するためには必要な設定だとは思うんですが、
  それにしてもなぁ・・・(苦笑)。

  「日常の謎」ミステリは、
  ・ごく普通の人たちがごく普通の暮らしをしている中、
  ・ごく身近な出来事の中に、なぜか普通では説明できないよ
   うな状況にでくわして、
  ・その状況が当事者にとってはごく自然に行われるであろう
   ものながら、
  ・その場にいなかった人にとってはなかなか推測できない、
   推測するにはアクロバティックな視点が必要となる
   (でも推測しうる伏線は張られている)
  といった話だろうと個人的に解釈してます。

  で、この最後の「視点」が、
  ・いかに予想外なものであるか、
  ・なおかつ、いかに納得しうるものであるか、
  その点に「日常の謎」ミステリの面白さがかかっているように
  思いますが、その視点からいってもやはり他の「日常の謎」ミ
  ステリ短編も、満足とは言いづらいものがありました(汗)。
  この短編集を面白がる視点は他にもある(主人公二人のやりと
  り、辰寅叔父のキャラ性等)と思いますが、んでもやっぱり
  正直な感想は以上のようなものでございます(汗)。

  実は私、倉知淳作品をあまり面白く感じたことがないんですけ
  ど、これはやっぱり相性なのかしら・・・(爆)?
  いつかは相性よくなることを信じて、これからも読んでいくん
  ですけどね(苦笑)。

そいでは!!
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1097. 2002年06月18日 23時05分42秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『腰抜け連盟』 レックス・スタウト氏 読了

  ネロ・ウルフものの第2作目。まさかアーチーに「関口巽」の
  ケがあるとは思ってもみませんでした(笑)。

  中盤あたりに冗長さを感じたし、事件そのものはショボイと
  いってもいいようなものですが、ウルフ独特の理屈と筋道と行
  動と弁舌・アーチーとのかけあい漫才・事件の本筋とは関係な
  いところでの意外性・アーチーの危機(汗)等々の読みどころ
  がいっぱいなので、読了後は結構満足いたしました(笑)。

  一番びっくりしたのは、びっくりしすぎて思わず冒頭でボケて
  しまってるように、やっぱりアーチーに迫った危機であります。
  結構、修羅場をくぐってたんですね。アーチーは(笑)。

  それにしてもウルフの理屈にはいつも驚かされますが、どこか
  変だと感じながらも、なぜか納得してしまいます。
  これってやっぱり騙されてるんですよね? 私が(苦笑)。

そいでは!!
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1096. 2002年06月14日 22時20分05秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

>紅さん

 本当ですね。怒ってますね、私(汗)。
 頭を冷やして考えてみれば、確かに「正義対悪」「勧善懲悪」の
 捉え方で読めば、とても楽しめる作品なのかも・・と思いはじめ
 ました(苦笑)。
 ただ、やっぱり「ミステリ」としての読み方が頭に残っちゃって
 ます。「おいおい」がどうしても許せそうにありまません(笑)。

 主人公が名士でありながら、確固たる証拠がないのに不確実な伝
 聞と自分の心証だけで、あのような行動に(しかも自信満々に)
 でるなんて・・・。
 だめです。またヒートアップしそうなのでここらで止めておきま
 す(汗)。

・・・で、

 『危険な未亡人』 E・S・ガードナー氏 読了

  ペリー・メイスンもの。10作目だそうです。どうりでメイスンも
  デラも若々しく感じられるわけです(笑)。

  今まで読んだメイスンものにしてはあまり見かけない、法廷シー
  ンが見られない作品でした。アメリカの裁判の仕組みがよくわか
  ってないので確かなことは言えないんですが、法廷で宣誓するこ
  とを周知させるために関係者を集めた段階で真実が明らかにされ
  ております。
  だから、法廷シーンでよく見かけられる、裁判制度に則した丁々
  発止のやり取りはなく、より自由で融通の利いた戦いとなってお
  りました(笑)。

  話自体もスリリングに展開し、かつ、本格ミステリの要素も感じ
  られました。また、メイスンの「生活無能力者」ぶりもかいま見
  ることが出来、結構面白いミステリでありました(笑)。

そいでは!!
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1095. 2002年06月13日 00時02分10秒  投稿: 
 [http://plaza17.mbn.or.jp/~kohkasuiroh/]
32号室の紅です.

あ,怒ってますね(笑)
今すぐ手元にないので本を参照できないのですが,わたしの感想メモを見るに・・・
ナニナニ
「その鬼気せまる責め方はちょっとおいおいというところもあるのですが,まあ,
相手が悪いヤツということで.三段階にわたる犯人との切った貼ったがそれぞれ面
白い.犯罪心理小説という立場で読まれている好作品と思う」
などと書いてあった(笑)
他にも,
「くどいけど面白い.特に後半の展開がいい.ラストのまとめ方も結構満足」
みたいなことが書いてありますな・・・

"犯人かもしれない人と探偵",というよりは,"正義対悪"とか"勧善懲悪"とかいう
スタンスで読んでいたはずなので,わたしは怒らなかったのかも.上述の感想文の
「おいおい」が許せるか許せないか,の違いでしょうか.
[61.200.128.247][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

1094. 2002年06月12日 23時05分04秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『闇からの声』 イーデン・フィルポッツ氏 読了

  海外古典ミステリで、よく「心理推理小説」と形容されるこの作
  品。名探偵役は引退した名刑事、ジョン・リングローズ。
  ある意味、絶対敵にまわしたくない名探偵ですね。こんな名探偵
  に事件は絶対まかせたくありません(怒)。

  何というか、まぁ書かれたのが1920代だからというのもあるんで
  しょうが、探偵の行動がひどいです(泣)。恐ろしいです。信じ
  られないです。後悔もなければ反省もありません。クリスティ作
  品に、探偵が似たような主張・行動をとったミステリがありまし
  たけれど、表現方法の違いからか、こちらのほうがより「えげつ
  なさ」を感じてしまいました。

  「小説の中の出来事だから」と言ってしまえばそれまでですが、
  多くの作家たちが「そうも言っていられない」と思ったからこそ、
  「ある問題」に対していろいろと試行錯誤し、何らかの解決をた
  てた作品が、数多く世に(特に日本?)送り出されてきたんでし
  ょう。とにもかくにも、問題をたくさん抱えたミステリだと思い
  ます。
  私、本当に途中で本を叩きつけてやろうかと思いました(爆)。

  「心理推理小説」というパターンを生み出した(?)ことは評価
  しなきゃいけないのかもしれないけれど、ちょっとひどすぎない
  か? 犯人を特定させるこの推理の道筋は(怒)。

そいでは!!
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1093. 2002年06月10日 12時49分34秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『スクランブル』 若竹七海氏 読了

  久々に若竹作品を読みました。連作短編集というよりは解説者のおっし
  ゃる通り、長編として味わうほうがいい作品だと思います(笑)。

  舞台は女子校で、主役達の周囲の人間も含め、極めて個性的な生徒達が
  実際に体験する事柄から、複雑にかつ深刻に思いをめぐらせて話が進ん
  でおります。
  私が高校時代の頃は、こんな深刻に自分の人生・物事を考えてませんで
  した(汗)。というか、今でも考えてません(爆)。
  やっぱり男は幼稚なのかなぁ? ←私だけだって(汗)。

  いろんな考え方が描かれていて、それはそれで面白いんですが、ミステ
  リとして読む上では、とにかく先入観なしの「まっさら」な状態で本書
  を読み進めていただければ、よりこのミステリを楽しめるかと思います。
  そうすれば若竹さんが持つ「ミステリ性」も存分に楽しめることが出来
  ると思います(笑)。

  個々の話で何らかのオチをつける構成にする必要があったかどうかと問
  われると、難しいところですが私はたぶん否定派。
  すっきりと長編仕様のネタのみで仕立てたほうが、よりスッキリしたミ
  ステリに仕上がっていたように思います。
  あ、もちろん個々のキャラ活動構成については今の構成のほうが面白い
  ように思っています(笑)。

そいでは!!
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1092. 2002年06月08日 09時42分23秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『縞模様の霊柩車』 ロス・マクドナルド氏 読了

  ロス・マクの「円熟期」と呼ばれる頃に書かれたミステリ。
  密度の濃い、読み応え充分のまさに「悲劇」の形容詞がぴたっと
  あてはまる力作でありました(汗)。
  
  「容疑者」と「真実」、この2つを追いつめていく過程をそれぞ
  れ楽しむことが出来ました。相変わらず地味で重厚、やりきれな
  くて虚無感すら漂ってるように感じられるお話でしたが、それら
  がじわじわっと心の中に深く沁み込み、「人」とその「人生」と
  いうものが、非常に複雑で陰惨なものであり得ることを感じさせ
  てくれました。
  
  終盤からラストにかけては、非常にミステリっぽい展開とオチに
  なっていますので、本格ファンの方も、一度この作品を味わって
  みてはいかがでしょうか(笑)?

そいでは!!
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1091. 2002年06月05日 00時18分46秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『美女』 連城三紀彦氏 読了

  連城さんお得意の、男性女性それぞれの情感燃え上がりまくり、愛
  憎もつれまくり、真実こんがらがりまくりなミステリ短編集です(笑)。

  個人的には、
  ・こんな目にあいたくない「夜の肌」
  ・比較的理解しやすかった(?)そら恐ろしい計画もの「他人たち」
  ・最後の真実に「わっ! そこまで・・」とびっくりした「夜の右側」
  あたりが良かったです。
  
  ・「夜光の唇」はいかにも連城ミステリ・パターンすぎるような気
   がしてちょっと・・・(汗)。
  ・「砂遊び」は訳わかんなくてちょっと・・・(汗)。
  ・「夜の二乗」は序盤のとんでもシチュエーションにしては結末が
   寂しいように思ったのでちょっと・・・(汗)。
  ・「美女」はあまりにも普通小説っぽすぎてちょっと・・・(汗)。

  で、解説で絶賛していた「喜劇女優」なんですが。
  いや、凄いと思いますよ。確かに解説者がおっしゃるとおり、超絶技
  巧の短編なんでしょう。でも、あまりにも超絶技巧すぎて、私にはぼ
  んやりした味わいしか感じられませんでした(苦笑)。
  例えていえば、「餃子の○将」や「ほっ○○か弁当」が大好きなオヤ
  ジが超一流の高級懐石料理を食べても味が今いちよくわからずに、醤
  油かけて食べたいなぁ〜と願うのとよく似てるかもしれません(爆)。

そいでは!!
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1090. 2002年06月02日 14時01分47秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『車椅子に乗った女』 E.S.ガードナー氏 読了

  ペリィ・メイスン・シリーズの後期代表作とのこと。
  うん。確かにポンポンポンッと軽快なテンポで筋が運んでいき、結
  構気持ちのいい読書が出来ました。
  デラ・ストリートがこんなにチャーミングな女性だったとは思いも
  しませんでした(汗)。今まで読んだ作品では、そんな記述はなか
  ったような・・・。有能で理知的な女性だとは思ってたんですけど。
  今作でデラにちょと惚れてしまった私です(爆)。

  作中にいろいろ解せないところ、事柄と事柄の繋がり・道筋がよく
  判らないところもあるんですが、再読して検証するのもしんどいの
  で、今はただ軽快なテンポの快感に身を委ねきってしまおうと思い
  ます。ごめんなさい。 ←誰に謝ってるんだ(苦笑)?

  このシリーズ作を読むといつも思うんですが、メイスンはやっぱり
  ハツラツとして40歳台までの若やいだ印象が強いです。テレビでち
  らっと見かけただけですが、決してレイモンド・バーのような巨体
  のイメージはないですね(笑)。

そいでは!!
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1089. 2002年05月31日 20時07分55秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』 貫井徳郎氏 読了

  結婚前、または結婚後の「負」の日常を描いた短編集。
  文庫帯に書かれた「崩怯憑追壊誘腐見」の八文字。
  この八文字に対抗できるのは、たぶん南総里見八犬伝の「仁義忠孝悌礼智心」
  しかないでしょう(笑)。

  それぞれの作品に作者自らの解説がついてるし、解説者(桐野夏生氏)も一作
  一作にコメントを寄せています。
  面白そうだから私も真似てみます(爆)。

  「崩れる」・・・個人的には一番ありきたりに思った作品。
          こんな作品ばっかりだったらどうしよう。これじゃ普通の小
          説だよーと危惧しました(苦笑)。でも作者も気に入ってる
          みたいだし桐野さんは大絶賛状態。私ってやっぱり筋しか追
          わない愚か者なのね(泣)。
  「怯える」・・・後半の「ひっくり返し」に「そうそう。やっぱりこういうネ
          タがないと面白くないよー」とつぶやきながら、ちょっと安
          心(笑)。
  「憑かれる」・・ホラー。まさか貫井作品でこんなパターンのホラーが読める
          とは思いませんでした(笑)。
  「追われる」・・終わり方にあまり感心しなかった作品。この作品に対する桐
          野さんの解説で述べられていた意見に感服。
          そうか! そうだったのかっ(爆)!!
  「壊れる」・・・最初のシチュエーションに比べて、その後の展開と結末が今
          いち物足りなく思いました。なんか佐野洋短編のような味わ
          い(汗)。
  「誘われる」・・ものすごく耳の痛い話(汗)。
          そうかぁ。そんなにしんどいものなのかぁ。それに対して外
          で大半を過ごしている男ってやっぱりラクなのかなぁ(大汗)?
  「腐れる」・・・作者も解説者も誉めてる作品。私自身もこの話の展開と結末
          はかなり「好み」です(笑)。
  「見られる」・・途中の推理と結末の推理。考えつく順番は普通、逆じゃない
          かと思うんですが(苦笑)。
          途中の推理の論理(?)のほうが、鮮やかに思ってしまった
          私はいつまでもミステリ初心者です(爆)。

  以上、八作。いらっしゃるとは思わないけど、絶対にあてにしないように。
  自作解説と解説のほうが、もちろん質的に断然深いです(笑)。
          
そいでは!!
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1088. 2002年05月30日 23時03分15秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『六枚のとんかつ』ノベルズ版
 『六枚のとんかつ』文庫版    蘇部健一氏 読了

  放出本としてノベルズ版をゲットしてましたが、文庫化にあたって
  改作されてたり追加されてたりしたので、結局文庫を購入。
  なんだか釈然としないまま読みましたが、そんなもやもやも吹き飛
  んでしまいました。
  な〜んだ。『六とん』って面白いじゃないですか(笑)。

  とは言っても、やはり注釈つきの面白さになります。本格ミステリ
  として読むとやっぱり怒っちゃうでしょうね(爆)。私でも(1作
  を除けば)怒りますね。まず確実に。
  その証拠に「しおかぜ17号四十九分の壁」を光文社文庫の「本格推
  理」で初めて読んだときには、本格ネタとしてそのあまりのヒドイ
  出来(地図がでた瞬間に怒ってしまいました)に、一人で本に向か
  ってののしってましたもん(汗)。

  ただ、この短編集を本格ミステリとしてではなく、ミステリ素材を
  使って読者を笑わせようとしている「あほう」小説(誉め言葉です)
  として読んだところ、これが結構楽しめたんですよね〜。
  はがき職人がパーソナリティ&リスナーを大笑いさせようとして書
  いたネタを、にやにやしながら聞いて面白がるといった感覚に近い
  かもしれません(笑)。

  残念なのは、ノベルス版にあった「チチカエル」「パンは知ってい
  た」という短編が、前者は文庫版では他の短編と合わせて改作、後
  者はなんと削除までされてしまったことです(泣)。
  「パンは知っていた」は、主人公のとってしまった突拍子もない行
  動に、また「チチカエル」では、あの小難しいパズルから導き出さ
  れた驚愕の答えに大笑いして、「ああ、この短編集はこういうとこ
  ろを楽しむんだな」と感じ取ることの出来た好短編だったのに・・。

  最後に。
  表題作の「六枚のとんかつ」。これって本格としてもすっごく優れ
  たネタだと思うんですけど(笑)。
  いや、マジですごいです。この「転換」は素晴らしい!!
  「しおかぜ17号四十九分の壁」のかわりにこの短編が「本格推理」
  に掲載されてたとしたら、私は絶対に大絶賛してたと思います。

  蘇部作品。私はこれからも恐らく読んでいくことになります(笑)。

そいでは!!
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1087. 2002年05月29日 00時43分19秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス氏 読了

  訳者あとがきによると、どこまでがフィクションでどこまでがノン
  フィクションなのかで騒がれたようですが、私としてはそのあたり
  はどっちでもよくて、単なる「暗殺もの」小説として単純に、んで
  もすっごく、のめり込んで楽しむことが出来たから大変嬉しかった
  です(笑)。

  暗殺者と官憲による追いつ追われつの展開が面白く、些細な事柄を
  くどいぐらい綿密に書き込むやり方も、話の面白さを増しているよ
  うに思えます。また、「おやじ」な読者へのサービスもしっかり織
  り交ぜられているところに、変に感心してしまいました(苦笑)。

  いやしかし、本当にスリリングで思わず手に汗してしまいました。
  この作品も「お勧め」したいけど、近頃、頻繁にお勧めしてるので
  ちょっと迷ってます(苦笑)。
  でも、最近かなり高い確率で面白い本に当たっているのも事実。
  それにこの作品読んで、「初期の『ゴルゴ13』もすっごく面白かっ
  たよなぁ〜」と考えはじめ、そうなると『ゴルゴ13』もお勧めした
  いと思いはじめてきたし・・・。
  なんとも贅沢な悩みであります。でも、ホント嬉しいなぁ(笑)。

そいでは!!
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1086. 2002年05月25日 00時19分57秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『わらの女』 カトリーヌ・アルレー氏 読了

  女流フランス作家の超有名悪漢小説。
  このジャンルは、時代が進むにつれて内容もより過激に進化(?)
  していくものだろうから、昔の作品はかなり色あせて見えるんだ
  ろうなぁ・・・と思っていました。
  この作品は1956年発表。約50年も前の作品なので。内容については
  はほぼ期待出来ないだろうなぁと思っていたんですが。
  ・・・・私が馬鹿でした(爆)。

  とてつもなく面白いですっ!!
  いつの時代になっても通用するであろう不変的悪漢小説。
  いや参りました。浅はかな私を許してください、アルレーさま(汗)。

  このお部屋ではたった一言にとどめておきます。

  「事実を信じてもらえないという事は、何と恐ろしい事なんだろう」

  このミステリ。『基本』として必読だと思います(笑)。

そいでは!!
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1085. 2002年05月23日 11時41分47秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『ST 警視庁科学特捜班』 今野敏氏 読了

  梗概に「プロファイリング」の文字があったので、異常犯罪を
  取り扱った、わりと深刻めの捜査小説なんだろうと思い込んで
  ました。
  ・・・・・・・全然違いました(汗)。
  でも、すっごくノリのいい「快作」だと思います〜(笑)!!

  えっと、「キャラ物」といってもいいかもしれない(苦笑)。
  んでも、事件の構成もしっかりしてるし、話の運びもスピーデ
  ィでぐいぐい引き込む力もあるし、読後は、爽快感すら感じら
  れ、まさに快作の名にふさわしい作品だと思います(笑)。
  昔の日活映画「渡り鳥」シリーズってこんなタイプの作品だっ
  たのかしら(笑)?

  個人的には脇役である高垣の考え方、千葉県警の刑事の行動、
  百合根キャップの存在に感じるところがありました。
  また、シリーズ1作目ということをかなり意識してるように思
  えるラストが微笑ましくてよかったです(笑)。

  今野作品。これでかなり興味が湧いてまいりました(苦笑)。

そいでは!!
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1084. 2002年05月22日 23時06分54秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 『寝室には窓がある』 A.A.フェア氏 読了

  懲りずにバーサ&ラム・シリーズであります(汗)。でも今作は
  思ったよりスイスイ読むことが出来ました。話の展開は相変わら
  ず目まぐるしいんですけどね(苦笑)。

  嘘をつく登場人物が多く、事件そのものが実際よりもかなり入り
  組んだ形で読者の前に繰り広げさせた前の読了作に比べると、今
  作はまだ素直な見せ方になってるほうじゃないかと思いました。
  ※それでもまだややこしいとは思いますが(苦笑)。
  
  あと、訳も前作より読みやすくなってるように思います。
  地の文で自分を指す言い回しが「おれ」。会話文では「ぼく」。
  最初はとまどいましたが、そういえば声に出さない独白の時まで
  自分のことを「ぼく」とする大人って、そうはいないように思え
  たので、かなり納得(笑)。回りくどい言い回しも目立つものは
  なかったんじゃないでしょうか。

  「なぜ○・・・・○なのか?」といった謎があったり、最後近く
  になってそれまでのいろんな記述に実は意味があったと判明した
  りと、スピーディな展開や魅力的なキャラによるコミカルなやり
  とりが持ち味のこの作品も、やっぱりミステリであることには変
  わりがないようです。 ←ちょっと「屋根裏」を意識(笑)?

そいでは!!
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[NAGAYA v3.13/N90201]