RAテスト
(リウマチ因子定量)
  
  

正常値
陰性(−)
検査目的
膠原病の一つで患者数も多い慢性関節リウマチ(RA)の検査をRAテストといいます。これは,血清中のリウマトイド因子を調べる方法です。リウマトイド因子とは,ウイルスなどの異物(抗原)が侵入すると,それに対抗するタンパク質(抗体)が産生され,その主体となって働くのが免疫グロブリンG(IgG)と呼ばれるタンパク質で,ウイルスと結合して白血球が食べやすい形にしたり,毒素を無毒化しますのが,まれに,善玉である筈の免疫グロブリンGが抗原として働き,体内でそれに対する抗体が産生されるようになります。一種のアレルギーの起こることがあります。このとき,できる抗体をリウマトイド因子と呼ばれるものです。

RAテストは,血液中にこのリウマトイド因子が存在するかどうかを調べる検査です。慢性関節リウマチにかかると,関節の痛み,腫脹(はれ),運動制限と朝のこわばりがあり,安静時でも痛みがあります。特に,朝方に強く天候の影響を受けやすいものです。病変が進むと,手にいろいろの変形が生じます。まれに,肘頭,膝,足関節にかていしこりがみられることがあります。これは,免疫グロブリンGとリウマトイド因子が結合したかたまりが血液中にでき,さまざまな病気の原因になったものなのです。その代表が慢性関節リウマチです。

解説
慢性関節リウマチでは,RAテストで80%以上が陽性と出ます。しかし,他の病気でも陽性と出るものがあります。例えば,慢性肝炎が発展した肝硬変では,50%以上が陽性と出ます。検査結果は,陰性(−),弱陽性(+),陽性(2+)に分けられ,陰性なら正常,弱陽性なら再検査をするか,他の血清診断法を試みます。陽性であれば,さらに追加試験も行い,関節や皮膚の状態も診察して,診断します。
疾病
陽性(+)の場合

関節リウマチ,肝硬変,慢性肝炎,全身性エリテマトーデス,ガンなど