HB検査
(HBs抗原・抗体検査)
  
  

正常値
HBs抗原・抗体ともに陰性(−)
検査目的
ウイルス性肝炎には3つの種類があります。それは,A型,B型,非A非B型の3つのタイプです。A型肝炎は,経口感染し,下痢・発熱などとともに肝機能障害を起こします。しかし,大部分は1〜2ヶ月で軽快し,慢性化することはありません。これに対し,劇症化したり,慢性化して肝硬変に移行するやっかいなタイプはB型とC型です。HB検査はB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。

B型肝炎ウイルスの急性感染は,一過性です。これに対し,持続的にウイルスが残ることがあります。これをキャリアとよんでいます。乳幼児,腎不全患者,エイズ患者など,免疫力の弱い人や,大量のウイルスが体内に入った場合にキャリアとなりやすくなります。キャリアの約90%は2〜3年の肝炎期を経て沈静化します。しかし,5〜6%は慢性肝炎の状態が長期間続き,3〜4%は肝硬変に進展し,1〜2%に肝細胞ガンの発生がみられる統計データがあります。

B型肝炎に感染しているのか,あるいは過去に感染したことがあるかどうかは,B型肝炎ウイルスの抗原・抗体の検査を行えばよいのです。HBs抗原は,B型肝炎ウイルスの表面抗原で,陽性の場合はB型肝炎ウイルスの感染状態を示します。急性肝炎が治ると,HBs抗体が陽性になります。NBs抗原が陰性で抗体陽性は,過去にB型肝炎ウイルスにかかったことを証明したことになります。

感染経路が血液や精液を通じて感染しますので,献血による感染,出産時の母子感染,医療従事者の患者からの感染を防ぐための検査として欠かせないものです。

解説
HBs抗原が陽性で,GOT,GPTがいずれも高値なら,ほぼB型肝炎と診断されます。HBs抗原陽性でも,抗体がつまられない場合は,肝炎が発病しないことがあります。これを無症候性キャリアといいます。無症候性キャリアの場合は,将来発病することもありますので6ヶ月に1回の定期的検査が必要とされます。
疾病
陽性(+)の場合