Shotgun





 
Shotgun=ショットガン、日本語で言えば”散弾銃”だ。

ショットガンは、ハンティングは勿論、クレー射撃・標的射撃などの
民間用から、警察用、軍用、警護用等の様々な方面で使用されて
いる用途の広い銃なのだ。
日本の海上保安庁もショットガンを装備している。

ショットガンは多くのバリエーションがあるけど、構造で言うと、
上下二連、水平二連、単身単発、オート、 ポンプアクション、
ボルトアクション、レバーアクションが一般的だ。
これらの内全ての種類が日本でも所持を許可さるのだ。
 



ショットガンの銃身は一般的に滑空銃身で、目的に
合わせて様々なタマを発射出来る。
日本銃猟では、ショットガンが最も多い。

ショットガンの銃口付近は、目的に合わせて散弾の
拡散を調整する工夫が施されている。
それが、”チョーク=絞り”だ。
銃口を絞ってある物もあれば、が広がっているのもある。
クレーを追うように撃つトラップ射撃と、クレーが横方向
に移動するスキート射撃とでは銃口のチョークは全く違
う物になっている。
現在では、そのチョークの部分だけを交換出来る銃身も多い。



左の図は、チョークの様子を大袈裟に描いた絵なのだ。


上が、遠距離で散弾を散開させるフルチョーク。

中が、バレル内径が均等なシリンダー。

下が、散弾が近距離で散開するスキートチョーク。

実際にはもっと細かく分かれていて、メーカーによっても
呼び方が違ったり、独特の工夫があったりする。



散弾の散開パターンのイメージ図を描いてみた。

あくまで、イメージを画にしたたげだから、角度とかは
参考にしちゃダメよ。

まず、紫のガーター色はスキートチョークのパターン。
そして、黄色いショーツ色はシリンダーのパターン。
最後の、青いブラジャー色はフルチョークのパターン。

こんなイメージで、有効射程もそれぞれ違うのだ。
色んなイメージしちゃったでしょ、このヘンタイっ!?

じゃぁ、散弾が散開するのは何回だ? 
なに、3回? 
・・・バカだなぁ〜。1回でしょ!





 


 
ショットシェル、つまりショットガンのタマだ。
日本では、12番、20番が最も一般的だけど、
410番の愛用者も多い。
では、”番”って何?
ショットガンの口径は1ポンド、つまり約454g
の鉛球の弾丸を基準にしている、イギリス式。
12番=12ゲージとは、12分の1ポンドの球弾
の直径で、20番=20ゲージは、20分の1ポンド
の球弾の直径なのだ。
ところが、410番=410ゲージは違う。
アメリカ式で41口径。つまり約10mmなのです。

写真は左から410番、20番、12番



410番、20番、12番がそれぞれ25発入った箱だ。
大きさは一目瞭然、体積も重さも違う。
12番が一番デッカイのに、日本では流通量が一番
多いので3種の中では最も安い。と言っても、20番は
12番と大して価格は変わらないし、12番と同じ価格
で売られている事が多い。
12番より小さいのに同じ価格とはこれ如何に!?
でも、それを言ったら一番小さい410番が一番高い
ってのはどうなんだろう?
もっと410番オーナーが増えれば安くなるのか?
いずれにしても、410番くらいの価格であれば
自分でリロードしても安く上がる場合もある。


左から410番、20番、12番のパッケージだ。


 




ショットガンには、滑空銃身以外にもライフリングが切っ
てあるバレルも存在する。

日本の法律によって、サボット専用のそのバレルは、ライ
フリングを半分除去しなければならない事になっている。
チェンバー側にライフリングを残す事が一般的だけど、
稀に銃口側にライフリングを残しているバレルも存在する。


半分だけライフリングを残したバレル、我々は一般的に
”ハーフライフル”と呼んでいる。
そして、サボーに包まれたタマはライフリングによって
与えられた回転で、100m程度であればライフル並の
命中精度を約束してくれる

写真の黄色いサボーは、発射されるとスグにタマと分離
して落下する。
そして、落下した物を見るとライフルマークがはっきりと
付いているのが分かる。




▲ライフリングバレル専用弾のサボット


1/2ライフル・バレルの断面図  
    



単発のタマにも種類がある。
下の写真は3つとも20番のものだ。

ブリネッキはクッションワッズ等と一緒に1つのタマとして
機能する。
弾頭のヒレが空気抵抗によって回転して後ろが整流の
役目をする。

サボットは、自身では弾道に影響を及ぼす構造はなく、
むしろスムースボアで発射したらタマは高い確率で
横回転してしまう。
完全にライフリングバレル専用弾なのだ。

フォスター型のスラッグは最も一般的なスラッグで殆ど
の種類のバレルから発射出来るように若干径が小さく
なっている。



▲左からブリネッキ、サボット、フォスターの弾頭



▲12番の射撃用7-1/2号 24g


一般的なショットガンの装弾は、カップワッズに散弾が充填されている。
カップの深さも様々で、マグナムや狩猟用の物はカップが深くなっている。
理由は簡単で、射撃用に比べて多くの散弾を充填する必要があるからだ。

タマを包んで発射されるワッズは、大抵は写真のように切れ込みが入って
いて、発射されると同時にカップ部が開いて、いい具合にエアブレーキに
なって減速してくれて、大体は15〜30mくらいの地面に落ちる。
本来はこの切れ込み、包まれた散弾をチョークの内壁にフィットさせる為と、
バレル内に鉛の付着を防ぐ為、そして何よりより良いパターンを生み出す為
のものだと思う。

逆にこの切れ込みを開かないようにテープ等で細工すると、チョークの緩い
バレルでも、若干の遠射が効くようになると聞いた事がある。
そのうちワタシもカモ撃ちの時に試してみたいが、当たらなかったら意味が
ない事に今気づいた。



 

初心者の方で、ショットシェルの数字の意味が気になる方が多い。
何故ゴチャゴチャと数字がショットシェルに書いてあるかと言うと、
ロールクリンプされたスラッグであれば一発で判断出来るけど、
スタークリンプされていて、シェルの中が透けて見えなければ、数字を
見ない限りはベテランだってどんな散弾が充填されているのかが判断
出来ないので外からでも判るように内容物を書き記してあるのだ。

スタークリンプでもバックショットは、「9pellets」とか「6pellets」と書い
てあるので、まぁまぁの素人でも解る。
でも他は、「33g−4」とか、「28 7.1/2」とかって書いてあるだけだ。

では説明すると、通常用いられる散弾は1〜9号というサイズが一般的
で、番号が大きくなるにつれて粒の直径は小さくなる。
1〜9の数字が解れば、次は”24”とか”35.5”とかの数字が問題だ。
これは、充填されている散弾の重量の事。
なので、「33 4」と、これだけの数字を見ても4号の33gだと解る。
散弾は通常2桁グラムなので一桁の表記は号数、2桁の数字は重量
と思えばほぼ間違いない。

ところで、”7”だけが7ではなく、7.1/2(7と2分の1)が一般的で通称
「ナナハン」と呼ばれ、最も多く流通している粒の大きさだ。





▲スタークリンプ




▲ロールクリンプ



▲発火金(アンビル)の形状の違い


一般的なプラスチックのショットシェルは、ライフルや
ハンドガンのケースと見た目も材質も違う。
タマの作り方からして違って、ライフルやハンドガンは弾頭を
薬莢にプレスするのに対して、ショットシェルは各種散弾を充填
したらガッチリとフタをしてパックにするのだ。

金属部は同じように見えるけど、ライフルやハンドガンはケース
が真鍮製の物が多いけど、ショットシェルの金属はスチールだ。

他に大きく違うのはプライマーで、ショットガン用プライマーは
3つの部品から構成されいてるのに対して、ライフルやハンド
ガンのプライマーは2つの部品で構成されるのが一般的なのだ。
アンビルの配置も縦と横で違い、形状も違う。
アメリカではこのショットガンプライマーで蝋のタマを発射する
ピースメーカーのファーストドロー大会もある。



散弾の断面を図にしてみた。
こんな構造の物が最も多いのだ。

ファイアリングピンがプライマー
を叩く前の図。

ファイアリングピンがプライマーを叩いて
点火しました!
燃焼火薬に火をつけています。
燃焼火薬が急速燃焼して圧力が高まると、
散弾とワッズはクリンプ部を押し広げて発射。

この時、ショットシェルの口がしっかりとクリ
ンプされていないものであれば、不完全燃焼
になって、パウダーをマズルから撒き散らす
事になる場合もあるのだ。



■Joe-談■

ショットガンは軍用・警察用と民間用がある事は、少しでも銃に詳しい人なら誰もが知っている。
しかし中途半端に知識があるインチキ批評家には、笑える誤解をしている人が何と多い事か!

それは、軍用・警察用のショットガンは民間用に比べてタマの威力が大きく、殺傷能力が高い為に
民間では使用出来ないと言うものだ!
"性能"が"パワー"と入れ違っているのだ。
インチキ小説やインチキ漫画の世界そのまんまだ!

ハッキリ、あっさり言っちゃうと、そんな事思ってる人がいたら今すぐにこれを読んで正しい知識を
再認識して頂きたいモンです・・。
基本的に銃のパワーとは、銃その物が持つワケじゃないのだ。 タマにあるんですよ!タマ!
例えば、米軍正式採用のベレッタM9と、古〜いワルサーP38は同じタマを使うんだけど、同じ
タマを使ったなら、パワーも同じなのだ! 日本の警察のM3913もまた同じ。

良く、軍用ライフルは危険だという誤解もあるけど、あれも全く根拠がなく、無知が作った法則。
ベンツは怖い人が乗ってるイメージが強いから、一般人が乗るのは良くないって言うみたいなモン!
軍用銃の場合タマがクレイジーなほどのパワーがあるとかじゃなくて、フルオートやバースト機能
がついてるから問題なだけで、軍用銃と似た形の民間用のセミオートは、大抵は簡単に改造が
出来ない機関構造になってるワケなのよね。
メーカーだって、そんくらい考えてるわい!
タマの威力で言うなら、ワタシの知る限りでは日本で許可になってるライフルやショットガンで
元軍用やそれに似た形の物より、ハナっから完全な民間用の方がブッたまげるほどハイパワーな
タマを発射する銃が多くあるのだ!
ワタシの知る限り、世界各国で正式になっているアサルトライフルより、山でイノシシを撃ってる
爺ちゃん達の方がハイパワーなライフルをあっさり普通に使っているのだ!

そしてショットガンについて言うなら、タマそのものは”軍用・警察用”向けの特別なタマっていうのは
特殊用途を除けば民間と共用なのだ。
じゃ〜、本題に入ると、例えば軍用に開発されたUSAS12ショットガンとクレー射撃用の上下二連と
で同じ4号散弾を撃ったとしよう。どっちがパワーがあるのか!?
・・・正解はオリンピックとかの射撃銃なのだ! USAS12じゃ、トラップも満足に当たらないと思う。

まぁ、パワーについては何を比べるかの基準にもよるけど、総合的に見ても射撃用のGUNの方が
あんなM16みたいなショットガンよりもタマのパワーを有効に引き出せるのだ。
銃身の短い軍用・警察用のショットガンは本来のタマの有効性を犠牲にしてるヤツが多い。

それと、銃の外見に関してだけど・・・・これもまた、おかしな事を言う人もいる。
表面処理の違いで公用・民間用を分けているショットガンで、公用の仕上げの物が偶然手に入るとする。
全く同一の銃で、表面の仕上げや刻印の違いだけで吊るし上げたりするのだ!
例えばさっきの例じゃないけど、白のクラウンなら良くて、黒のクラウンはダメって言うのと同じだ。
色と刻印以外に、一体どこがどうに違うって言うのか、是非解るように説明を受けたいものだ。





▲ライフル・ハンドガンのタマ(模擬弾)とショットシェル(実弾)




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