Rifle




 


Rifle=ライフル。 日本語でも ”ライフル” だ。
”ライフル銃” と言う事があるけど、”ライフル” 自体で
”銃”である事を含んでいる単語なのだ。
知ってる人からすれば、ガバメントのようなオートハンドガン
の事を ”オートマチックハンドガン拳銃” と言ってるようなモン
なんだけど、あまりにも ”ライフル銃” と言う言葉が浸透しすぎて
いるので、今じゃワタシもあまり違和感を感じてない・・・。

恐らく、銃そのものの情報が少ない日本では、いきなり ”ライフル”
と言われてもスンナリ理解出来ないので、噛み砕いた言い方で
”ライフル” + ”銃” と言う言葉になったのではないかと、アタシゃ
勝手に考えている。
ま、でも、ショットガンの事を、 ”ショットガン散弾銃” と呼んで
いないだけ、まだ日本の言葉は救われているかもしんない・・。


 
ライフルと言っても、そりゃ〜もう、ピンからキリまである。
写真は全てライフルのタマ。
一番大きいのは50BMGで、その右が308winchester、
またその右が223Remington、一番右のが旧日本軍の
7.7mmで、これらは火薬は入っていないダミーだ

左の3種は、西側の国では現用で採用されている。
モチロン、我ら日本の自衛隊もだ。
しかし、我々民間人が日本国内で所持出来るのは、
右の3種類のみで、223Rem.はライフル協会の
推薦を受けてライフルを所持している人のみだ。
308Win.のライフルは狩猟で使用している人も多い。
ワタシもその1人だし・・。










ライフルとハンドガンのダミーカートリッジを比較してみる。
両側のタマは、火薬が入っていない実物だ。
見たとおり、左は308口径のライフル、右はデザートイーグルとかで
お馴染みのハンドガンのタマで50AE、そして真ん中のはライフル
でもあってハンドガンでもある22口径のエンプティーケース。
しかし、真ん中の22口径はこんなに小っちゃいのにタマの名前が
”22 Long Rifle” (22ロングライフル) だからスゴイ!
そう、308から見れば子供より小さいのに、ライフル弾なのだ。
このタマは、アメリカ等では狩猟にも使ったり、お遊びシューティングで
使ったりと色んな使い道があるんだけど、日本では上の223と同様、
射撃のみに使用が許可されている。
オリンピックや国体の射撃に使用されるタマとしても有名だ。

折角なので参考までに・・・、右の50AEはデカイだけじゃなくって
初速は400m/sを超えるハイパワーカートリッジなのだ。
その近距離でのパワーは、12番マグナムのサボットと同程度だろう。


ライフルは当然だけど ”ライフリング” がある。
でも、”ライフル” だけでもライフリングを意味する。
たまに ”ライフルリング” と言う人がいるが、間違いだ。
ライフルは大体30cmくらいで一回転するものが多い。
で、このライフリングは大きく2種類に分かれている。
左のように、宇宙戦艦ヤマトの波動砲みたいのは
エンフィールド型で一番多い形式だ。
右のはポリゴナル型で粘土に六角レンチを刺した跡
のような形式でH&Kや、比較的口径のデカイ銃に多い。
図は、大まかに解り易く描いたので、クレームは無しね・・。


  


  




ライフルのタマの構造は、ショットガンに比べると至ってシンプルだ。
写真のように、プライマー、ケース、ブレットと、あとはパウダーのみ
で構成されている。

通常、ケースは真鍮で出来ているモノが多いけど、たま〜に鉄製の
ケースも存在する。
真鍮ケースは何度かのリロードに使えるけど、鉄製は殆どが使い捨て
として利用され、再使用する人は少ない。

そしてブレット、つまり弾頭は大抵は銅で覆われている。 
又は、動物の鉛害防止の観点から、最近では無垢の銅の弾頭も多く
ラインナップされている。
鉄製のケースのタマは、弾頭の被覆も軟鉄だったりする事が多い。
特に共産圏か共産圏だったトコの輸入品に多いんだけど、軟鉄の被覆
がライフリングに食い込むワケで、それをこびり付いたままにすると、
銅製のモノに比べてバレルの錆びの原因に容易に繋がってしまので
人気が無いのが現状だ。


これはワタシが自分でタマを作る時によく使う弾頭だ。
いずれも重量は150グレイン、約10g弱。
一番右は ”FMJ” と表記される、フルメタルジャケット。
主に射撃用で、狩猟ではあまり使わない。
左から3個までは狩猟用で、分別は ”ソフトポイント”。
獲物に当たった時に先から潰れて広がり、ダメージを
大きくする弾頭なのだ。
約3500ジュールのパワーを持った弾頭でも、FMJの
ように貫通力が高いと獲物に対するストッピングパワー
を得られないので、獲物の体内で止まってくれる、つまり
そのパワーを獲物に対して使い切るのが理想なので、
これらのように弾頭を大きく変形させるモノが狩猟では
多く使われているのだ。
逆に、軍用はFMJじゃないとダメって風に条約で決まっ
ている。 
何でも、兵士の傷口が残酷な状況になるのを防ぐ為の
人道的な条約らしいが、何だかイイんだかワルイんだか
良く判んない条約だ・・。









ライフルの場合、ショットガンのように弾頭の種類で使用目的が
大きく変わる事は少ない。
弾頭によって異なるのは、上でも言ったように、標的に対する効果
が違うだけだ。

ただ、弾頭を替えたり、弾頭の重量を替えたりすると問題も起こる。
それは大きく2つの事を想定しなければならない。
1つは、着弾の変化だ。 
特に遠距離射撃は特定のタマで照準を合わせている場合、弾頭を
変えただけで着弾点がズレたりするし、弾頭の重量でもそれは
変わったりするのでそのズレ加減を熟知していなければならない。

そして2つ目の問題は、弾頭の長さや形状によってジャム、つまり
作動不良が起こる事もあるからだ。
特にソフトポイントのタマは、自動銃の場合はローディングしただけ
でも弾頭に傷がついたり変形したりする事もある。 
まさにそれらが、タマに傷だ。
ちなみに一番右の弾頭はFMJが傷ついたんじゃなくって、最初から
ホローポイントになっているだけなのだ。



車のエンジンで言うところの点火プラグに相当するのが、
このプライマー、雷管だ。
これが無ければ、パウダーに火を着けられない。
写真の左のグループは使用前、右のグループが使用後
のプライマーだ。
使用後はファイアリングピンの打撃痕と、黒く焼け焦げた
のがハッキリ分かる。
このプライマー、パウダーに火を点けるだけじゃなくって
単体でも薬莢から弾頭を押し出す程度の力があるのだ。
なので、リロードの際はパウダーを入れ忘れるとバレル内
に止まった弾頭の取り出しに手間ヒマがかかるだけでは
なく、最悪は事故にも繋がるので注意したいトコだ。
プライマーはマグナムライフル用の ”マグナムプライマー”
も手に入るけど、308程度のタマのリロードで使ったトコで
アタシにゃ〜違いが判らなかった。






ライフルのタマが発射されるトコを図にしてみた。
拳銃弾もそうだけど、メタルカートの装弾の場合、断面図はこんなイメージだ。
タマがチェンバーに装填され、発射を待っているトコロだ。
図はパウダーがコンプレストチャージ、つまり火薬を押し込んでイッパイ入っている
タマなのよ〜って事なのだ。 
・・・べ、別に、描くのがメンド臭かったからではない。



ファイアリングピンがプライマーにヒット。
点火薬が発射薬に火を点けている様子。
このくらいでケース内の圧力は高まり、弾頭は押し出される。
図ではまだ弾頭が動いていないけど、この後スグに動く事にしといて!
・・・・だから、描くのがメンド臭かったってワケでもないのね。



弾頭が発射されたトコ。
図ではパウダーが全て燃えているが、実際この時点でパウダーが燃え切る事はない。
殆どパウダーが燃えた状態では実際に図の様な位置に弾頭は無く、弾頭はバレルを
抜け出る寸前か、出た後のハズなのだ。
実際は、バレル内でもパウダーは燃焼し、口径やライフル弾の種類にもよるけど、
一般的にはタマを秒速600〜900m/s程に加速させる。
つまり、ライフル弾をスゴク短い銃身で発射した場合、不完全燃焼のパウダーと発射
ガスが撒き散らされて、弾速も下がるのが常識なのだ。

えっ? じゃぁ、そんな様子を再現しろって??
だからぁ〜・・・・、実は描くのがメンド臭かったのよぉ〜・・・。
つ〜か、平たく解り易い図にしたんだからい〜の!







一言で ”ライフル” と言っても、その種類は実に多い。
世界的に見れば、小動物を撃つ程度の小口径の単発中折式から、
頑丈な装甲の車両を撃ち抜くほどの大口径の連発自動式まである。

日本では狩猟用として、口径が6mm〜10.5mmまでで、マガジンは
5発+チェンバー1発以下、バレル長48.9cm以上で銃全長94cm
以上、勿論フルオートは禁止でサイレンサーもダメ、で暴発しそうな
ボロの銃もダメ、等をクリアしているライフルならば、基本的には法的
に所持出来る事になっている。

写真は自動式とボルト式のライフルで、それぞれ利点は一長一短だ。
実際は左のM1Aが308口径で、右のゴールデンベアーが30-06口
径なので、パワーはゴールデンベアーの方が大きいけど、走るシカ等
にはM1Aのセミオートの連射がパワーを発揮するのだ。
と、言ったトコで、同じ弾頭と近い装薬量であれば、308と30-06では
目に見えてパワーの差はないが、30-06の方が装薬の上限が高い。



銃口から飛び出し回転させられたライフルのタマは、
ジャイロ効果によって安定して飛行する。
一般的な30口径クラスのライフル弾の到達距離は、
約4000mとされていて、22LRでも1600mは飛ぶ。
そして30口径は1kmくらいであれば充分な殺傷力が
あるし、実際に1250mで敵の兵士を倒した記録もある。
映画やドラマのように、車にタマが当たって ”カキ〜ン”
って跳ね返るような事は無い。
フツ〜にライフルなら、車を横から撃てば簡単に反対側
までタマは抜けちゃう。
元軍事関係の人の話では、30口径ライフルの徹甲弾
で300m先の1cm厚の鉄板は貫通すると言ってたし。

そんだけライフルはパワーと精度があるのだ。
日本では散弾銃を所持してから10年を経過しないと
ライフルの所持が出来ないのはそのヘンが理由だろう。












ライフルを手にすると、一度はスコープを装着してみる人が多い。
やはりどんなライフルであっても、ショットガンとは射程距離が違う
ので、スコープは有効な照準システムになる。

それ以外に、年配のハンターからこんな話を聞いた。
「俺は目が悪くなったから、スコープが無いと遠くが撃てないんだ。」
と言うものだった。
実に、ゴモットモな話だ。 若くても、視力が悪ければそう思うだろう。
ただ、銃によってはスコープを装着したところで、常に狙った点を撃
てるかと言えば、答えはNOだ。
銃その物が持つ命中精度と、スコープの性能にも左右される。
けれども、オープンサイトで撃つよりはグっと着弾率が上がるし、遠く
のターゲットが良く見えるのがスコープの良さだろう。
だからと言って、やっぱり射撃は練習と経験が重要だ。
どんな良い銃とスコープを持ち出しても、練習を重ねた人には勝てる
ワケないのだ・・。



ワタシも最近では視力が落ちたけど、今んとこスコープ
無しでもど〜にか、ま、何とかイケる。
普段は殆ど、射撃でも狩猟でもスコープは使わない。
ライフルの種類にもよるけど、他にもスコープ不使用派
は以外に少なくないのだ。

M1Aの場合、大きめのスコープを載せると6kg近くに
なるし、銃全体が大きくカサばるので、むしろスコープ
無しの方が山では楽チンだ。
ただ、山にもよるけど、ワタシもいずれはスコープ装着
の必要性か、スコープ装着を前提としたライフルが
必要になる時が来るだろう・・。

スコープ無しのライフルで、射撃の際に困る事は標的
への着弾が見えない事だ。
なので、スポッティングスコープが必需品となる。











スコープ無しだからって、射撃の時、いい加減に撃つワケではない。
写真は50mで、銃をレストに乗せて、上の写真のような感じで自分で
リロードしたタマを5発ずつ撃ったものだ。
銀色のは500円玉で、大きさ比較の為に置いたものだ。
やはりライフルだけあって、それなりに集弾してくれてる。

見る人が見れば当たってる、また他に、見る人が見ればこんなモン・・。
ライフルは銃器の中ではそれなりの命中精度があるけど、ライフルの
中だけで見れば、それこそピンキリにグルーピングが違うのだ。
例えば、これと同じ銃でも、個体によってグルーピングは違う。

しかし実猟で考えれば、写真くらいのグルーピングがあれば、上々で
殆ど実用上問題にする事は無い。
従って、そのライフルの命中精度が分かれば、後は自分のウデ次第
と言う事なのだ。
ワタシの場合も膝撃ちならば、写真の赤い丸に当てればイイトコだし、
立射で撃てば、写真の的の6点内にど〜にか入るって感じだ・・。




スコープ無しの射撃で言うと、これは違う世界の銃だ。
308口径でありながら、点を狙う競技銃なのだ。
恐らく、上の的をレストで撃ったなら、5発撃っても的に
空く穴は1つになるだろう。
競技に出る人は、100mくらいなら、これを立射で肩慣
らし程度の感覚で撃っているんだから、我々からすると
やはり世界が違うのだ。

しかし、この銃は狩猟用ライフルの要件は満たしている
ので、日本ではしっかりと狩猟用として登録も出来るが、
あまり狩猟用にしている話は聞いた事はない。
それに実際この種のライフルは、マッチトリガーになって
いるし、単発なので、そもそも狩猟には向いていない。
そして猟友会やローカルな射撃大会では、使用が認め
られない事も多い。 もっぱら競技銃なのだ。











より遠くの標的、そして点を狙うライフルだ。
200m〜300mならコインを外さない性能を持ち、ベンチレスト
等の競技で使用される事が多い。
標的の得点ではなく、グルーピングで勝負する。
ウデと銃その物の性能が両立しなければならない、実に繊細な
射撃に使うライフルなのだ。
何発か撃っても、目指せタマ1個分の穴!・・・なんだそうだ。
この種の精密射撃用ライフルは、実に太いバレルと実に緻密な
何本ものライフリングを持つ。
それ以前にチェンバー自体の工作精度も高く、タマに砂が噛めば
ローディングに支障が出るほどタイトだ。
ここまでのライフルとなると、スコープの性能も重要になる。
中には銃本体とスコープを足した値段が、そのヘンの新車より
高いものを使う人もいて、またまた違う世界の銃なのだ・・。
勿論、この種の銃も狩猟用として所持が出来るが、体力のある
人向けだろう。
・・・なんたって重量級のライフルなモンだから。



300mを撃つ日本ライフル協会の選手。
写真のライフルは日本でも狩猟に使う人もいるボルト
アクションだけど、どちらかと言えば命中精度に拘った、
上に書いたようなライフルに近い。
そのレミントン製のライフルは、実用的な射撃銃だ。

一昔前、日本の警察の狙撃銃は民間のハンティング用
ライフルをそのまま使用していた。
しかし最近になって、それなりに狙撃や射撃に特化した
ライフルを導入している。
逆に、その手のライフルはハンティングライフルでもあり、
日本でも遠い距離の大物を撃つハンターや、射撃と狩猟
を両立する人にも好まれている。
使用目的がそれぞれ狩猟、射撃、公用、と違うだけで、
日本でも多くの人々が使用するライフルの一種だ。




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