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4月10日に「入園式」が行われ、4月11日から49名のおともだちが新しい幼稚園の歩みを始めました。
今年度は珍しく、泣いて登園する子もなく、みんな笑顔で元気に過ごしています。勿論、まだ園のシステム(約束、ルール)が分からず、戸惑っている子もいます。でも、次第に分かってくるでしょう。子どもたちの成長を長い目で見守って行きたいと思います。
さて、新年度を迎え、園児だけでなく、保護者の中にも不安を覚えておられる方々がいるかも知れません。特に、初めての子を幼稚園に出し、「これからどうなって行くのか心配だ」という方もおられると思います。
でも、ご安心ください。子どもたちは、子どもたちなりにちゃんと成長して行きます。勿論、個人差はありますが、その子なりの成長がありますのでご安心ください。
問題は、ほかの子と比較するのではなく、“その子”の成長を見守ることです。幼稚園でも、一人ひとりの成長を見守ることを心がけています。あせらず、あわてないで、長い目でゆったりとした気持ちを持って子育てに励んでまいりましょう。
ところで、“親と子は同い年”という言葉があります。子を持たないと親にはなれません。子を持ってはじめて親になることができるのです。そういう意味では“親と子は同い年”なのです。
“親と子が同い年”ならば、子どもの成長と共に、親も親として成長して行かなければならないということになります。「自分は大人、この子は子供」という視点だけではなく、親も子も“同い年”なのだから“一緒に成長していく”という視点も大切にして行きたいものです。
勿論、親には親としての“義務や責任”があります。「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」(教育基本法第2章第10条)なんて言葉もあります。
しかし、義務や責任があるからといって“上から目線”で子どもを見るのではなく、同じ目の高さで子どもと向き合うことが大切ではないでしょうか。
親も子も“同い年”なのだから“一緒に成長していく”というのは、子どもの目線に立って、子育てに取り組んでいくということでもあるのです。
新年度が始まりました。震災後ということもあり、まだまだ落ち着かない生活が続いています。精神的にも疲れが出て“イライラする”こともあるでしょう。子どもにあたることもあるかも知れません。
でも皆同じです。みんな悩みや苦しみをかかえています。“頑張りましょう!元気を出して!”とは安易には言えませんが、みんなで悩みや苦しみを共有することはできるはずです。お互いに助け合っていければと思います。
幼稚園のお友だちみんなが、仲良しになり、楽しい園生活が出来るよう心より願っています。同時に、お家の方々もお互いに仲良しさんになり、なんでも話せる、そんなお友だちを見つけていただければと思います。楽しい、実りある園生活を、親子で一緒に作り上げてください。
栄光幼稚園長 小鮒 實
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栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.372、2012.5月号)より
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