栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.371、2012.4月号)より 本文へジャンプ

トライアングルタワー

 幼稚園の門を入って左側の所が現在工事中です。在園児のご家庭には、昨年2011年10月の「ひかりのこ」でお知らせしましたが、新入園児のご家庭にあっては「何の工事なのか」と思われる方もいらっしゃると思いますので、もう一度説明させていただきます。

 <経緯> 昨年の3月29日から5月8日まで、教会の礼拝堂・集会室また幼稚園2階ホールに寝泊まりしながら、ボランティアの人たちがワークに入りました。そんな中、4月4日、愛知県一宮市からS.啓介、Y.浩介、T.大介という、私たちが“三介さん”と呼んでいたグループが来て、物置のヘドロ掃除等をしてくださいました。

 その中のひとり Y.浩介さん(デザイナー)の紹介で、陶器メーカーの“TOTO”が出資し、長谷川豪建築士が設計する建物(“TOTOギャラリー・間”に展示する建物、500万円相当のもの)を幼稚園に寄贈してもらうことが決まりました。

 長谷川建築士は何度も石巻を訪れ、いろいろなアイデアを出してくれ、最終的に合意した建物が三角形の塔です。私たちはこれを「トライアングルタワー」と呼ぶことにしました。(呼称は後日決定しました)

 この塔の理念は次の通りです。 (1)「子どもたちが安心し喜んで遊べる空間(遊具) (2)地域のコミュニティーの場にもなるとよい。 (3)被災地の「希望のシンボル」(希望のベル)   以上3つのことを兼ね備えたものということで、下記のようなものが生み出されました。

 外観は、おおよそ今までの冒険ロッジ(ログハウス・長方形)を対角線で半分にした大きさの塔(底辺4.5m×3.6m×2.7mの三角形。高さ8.9mの塔、塔の上に鐘(76cm、263kg)が付く)。1階は大人が座っておしゃべりなどが出来る空間(コミュニティーの場、勿論子どもたちも遊べる)、2階、3階は子どもたちが遊べる場所(階段、のぼり棒付)になっている。
 なお、塔の上に付く「鐘」(希望のベル)は、1930年代にオランダのヴァン・ベルヘン(Van Bergen)鐘鋳造所で鋳造され、70〜80年間ドイツのメレ(Melle)市庁舎で鳴らされていた由緒あるものです。

 このトライアングルタワーの完成は、当初「入園式」に間に合う予定でしたが、少し遅れ、4月20日(金)になりました。また、この工事のため、ブランコ、すべり台、鉄棒等の遊具も今は使えません。子どもたちには本当に申し訳ないのですが、塔が完成したらすぐ設置しますので、もうしばらくお待ちください。なお、工事期間中、子どもたちの安全には十分気をつけますが、お家の方々もご協力ください。

 震災後1年が過ぎ、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。勿論、まだまだ復旧・復興の道のりは遠いですが、みんなで希望をもって歩んで行きたいと思います。
 
 
             栄光幼稚園長 小鮒 實

   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.371、2012.4月号)より
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