栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.370、2012.3月号)より 本文へジャンプ

ひびのおしえ

 「福澤心訓」(ふくざわしんくん)と呼ばれるものがあります。

一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。

この「福澤心訓」(「福沢諭吉翁心訓」、「福沢心訓七則」、「諭吉心訓」、「心訓」、「七則」などとも呼ばれる)は、以前、あの慶應義塾大学の創設者である「福澤諭吉」(1万円札の人物)が作成したと言われていましたが、今では福澤の作ったものではなく、作者不明とされています。でも、誰が作ったものであれ、意味深長、含蓄のある言葉ではないでしょうか。

 ところで、福澤諭吉には、自分の子ども(一太郎と捨次郎の兄弟)に与えた「ひびのおしえ」という、次のような教えがあります。

第一 てんとうさまをおそれ、これをうやまい、そのこゝろにしたがふべし。たゞしこゝにいふてんとうさまとは、にちりんのことにはあらず、西洋のことばにてごつどゝいひ(God 神)、にほんのことばにほんやくすれば、ざうぶつしや(造物者、創造主)といふものなり。

第二 ちゝはゝ(父母)をうやまい、これをしたしみ、そのこゝろにしたがふべし。

第三 ひとをころす(殺す)べからず。けものをむごくとりあつかひ、むしけらをむゑきにころすべからず。

第四 ぬすみ(盗み)すべからず。ひとのおとしたるものをひらふべからず。

第五 いつはる(偽る)べからず。うそをついて、ひとのじやまをすべからず。

第六 むさぼるべからず。むやみによくばりて、ひとのものをほしがるべからず。

 これらは、聖書の「十戒」の教えと、ほぼ同じです。聖書の「十戒」の第一戒〜第四戒は「天地の創造主である神のみを畏れ敬い、神の御心に従うべし」という教えであり、第五戒は「あなたの父と母を敬え」、第六戒は「殺してはならない」、第八戒は「盗んではならない」、第九戒は「ウソをついてはならない」、第十戒は「むさぼってはならない」とあるからです。(第七戒は「姦淫してはならない」)

 また、福澤諭吉の「学問のすすめ」の冒頭にある「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」という言葉も、聖書の「神はすべての人を平等に造られた」という思想から来ているようです。(米・独立宣言の一節の意訳?)
              栄光幼稚園長 小鮒 實
   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.370、2012.3月号)より
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