栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.363、2011.7月号)より 本文へジャンプ

砂場の砂

 6月27日(月・運動会代休の日)、当日は雨でしたが、雨の中、東京の経堂緑岡教会(松本敏之牧師)のボランティアの方々10名が来て、津波の水をかぶった砂場の「砂」を入れ替えてくださいました。本当にありがたいことです。

 今回の大震災で多くの人が住む家を失いました。石巻栄光教会の人たちも決して例外ではありませんでした。床上浸水でお家に住めなくなった宮本旻祐先生ご夫妻が東京の経堂(きょうどう)に避難して行かれました。そして、近くの教会に通われたのが「経堂緑岡教会」でした。

 経堂緑岡教会では、東日本大震災で被災された方々の支援を検討しておりました。支援の方法はいろいろあります。経堂緑岡教会では、単に義援金を送るということだけではなく、目に見える形の支援もしたいと考えられました。そこで、宮本旻祐先生ご夫妻から「石巻栄光教会」のことを知り、当地に赴き、支援の方法を打ち合わせることになりました。

 5月23日(月)、経堂緑岡教会の松本敏之牧師先生ほか信徒の方々計4名が当地に来られました。そして、教会・幼稚園の現状を見てもらい、具体的な支援の方法を話し合いました。その話し合いの中で挙げられたのが栄光幼稚園の「砂場の砂」の問題です。

 砂場は、幼稚園の子どもたちにとって、お気に入りの遊び場です。表層のヘドロは既に取り除かれていましたが、砂の中には汚水が浸みていましたので、園では砂場遊びは禁止にしておりました。

 実は、4月には既に砂場の砂の入れ替えを業者に依頼しておりました。しかし、石巻の業者では「砂」が手に入らないということで、延び延びになっていたのです。これは5月になっても同じでした。

 そんなとき、経堂緑岡教会から具体的な支援というお話をいただき、とっさに挙げたのが「砂場の砂」のお話です。勿論、当地では「砂」の入手が困難であることも申し上げました。そうしましたら、経堂緑岡教会の方で何とかするということで、仙台の業者に連絡をしてくださり、そして最終的には東松島市の業者が砂を運んで来てくださることになりました。勿論、費用は全て経堂緑岡教会持ちです。しかも、10名のボランティアを教会で募り、「砂」の入れ替え作業まで手伝ってくれました。

 「ご縁」ということをよく言いますが、不思議なご縁で、このような有り難い(めったにない)ことが起こりました。本当に「有り難い」(うれしい)ことです。キリスト教会では、このような「縁」を「神様の導き」と呼んでいます。
 
             栄光幼稚園長 小鮒 實

   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.363、2011.7月号)より
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