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やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
“こいのぼり”の季節です。都会では少子化や住宅事情などで“屋根より高いこいのぼり”は、あまり見られなくなりましたが、田舎の方ではまだまだ健在です。でも、昔と比べると数はずっと少なくなっているように思います。
「こいのぼり(鯉の幟)」の風習は、江戸時代の武家で始まったとされています。男児の出世を願って家庭の庭先などに飾られました。昔は、紙・布・不織布などに鯉の絵柄を描き、風をはらませてなびかせる吹流しを鯉の形に模して作ったのぼり(幟)だったそうです。
なぜ「鯉」なのかは、中国のこんな故事に基づいていると言われています。黄河の急流に「竜門」と呼ばれる滝があり、多くの魚が登ろうとしましたが、鯉のみが登り切り、竜になることができたというお話です。ここから、鯉の滝登りが立身出世の象徴となりました。
確かに、青空にたなびいている「こいのぼり」には、力強さ、たくましさがあります。あの「こいのぼり」のように、子どもたちが強く、たくましく、元気に育ってほしい。願わくは、立身出世してほしいと願う親心。分かるような気がします。
子どもの健やかな成長は、みんなの願いです。幼稚園でも、子どもたちの健やかな成長を願って、「子どもの日お祝い会」をします。お母様方のお手伝いをいただいて、子どもたちは大きな“BIG こいのぼり”(真鯉(まごい)・緋鯉(ひごい))をくぐり、また、お部屋で柏餅をいただきます。みんなで子どもたちの成長をお祝いしましょう。
聖書には、このような言葉があります。「わたしは植え、アポロは水をそそいだ。しかし成長させて下さるのは、神である。」(1コリント3:6)
子どもたちは、お家の方々、周りの方々、幼稚園、いろいろな方々のお世話を受けて大きく成長して行きます。でも、「成長させて下さるのは、神である」という視点も大切にしたいものです。
神さまは、私たちの目には見えませんが、いつも私たちを見守り、導いていてくださっているからです。人間の力だけではなく、神さまのお力をお借りしてもいいのではないでしょうか。気も楽になりますよ。
◆こいのぼりの揚げ方は、さおの先に回転球やかご玉、その下に矢車を付け、五色もしくは鯉などを描いた吹流しを一番上に、以下真鯉、緋鯉、等を大きさの順に並べて揚げるのが一般的だそうです。
栄光幼稚園長 小鮒 實
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栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.350、2010.5月号)より
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