栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.341、2009.7月号)より 本文へジャンプ

自立を促す

 運動会では、お家の方々のご協力をいただき、楽しいひとときを過ごすことができました。心から感謝申し上げます。

 4月に新年度が始まり、まだ三ヶ月も経っていないのに、子どもたちは元気いっぱい取り組んでくれました。運動会という行事を通し、また少し大きくなった我が子に感動を覚えている方もきっとおられると思います。子どもたちの無限の可能性を感じさせられたすばらしい運動会であったように思います。

 さて、今回は「子どもの自立」の問題を考えてみたいと思います。

「自立」:自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやってゆくこと。独立。ひとりだち。

 乳児期は別として、幼児期の子育てには「子どもの自立を促す」という問題があります。今までお家の人がやってあげていたことを、子どもが自分で、自分の力でやって行くことができるようにお手伝いをするのです。

 普通、子どもはお家の人・周りの人のすることを見て学習しますから、何も言わなくても自然に様々なことを学びます。「子どもを見れば親が分かる」のです。

 子どもの成長には個人差があり、成長の度合いも違います。同じ学年(クラス)でも月齢によって個人差はあります。しかし、同じ経験を繰り返すことによって、その個人差は段々少なくなって行きます。

 いつもお家の人からしてもらっている子どもは、自分でする必要がありませんから、やらないということにもなります。例えば、靴を履いて外に出るという単純な行為でも、親がいつも靴を履かせていると、子どもは「靴は履かせてもらえるものだ」と勘違いしてしまい、いつまでも自分で履こうとしない。勿論、大人になればそんなことはないのですが、子どもが小さいときは、そういう小さなことが個人差ということで目につくようになります。(「子どもを見れば親が分かる。」)

 「自分のことを自分でできる」ように、その子どもたちの「自立のお手伝い」をするのが、幼稚園であり、また、ご家庭です。「幼稚園にすべてお任せ」ということではなく、一緒に子育てをしてまいりましょう。

 子どもたちが「自分でできる」までには、時間がかかります。特に小さいとき、やり始めのときは時間がかかりますので、気長に忍耐強く見守ることが大切です。

 愛情を注ぎ、温かい言葉がけ、やさしい言葉がけをしながら、子どもたちが自分でできるように、励ましてあげましょう。そして、できたならば大いに誉めてあげてください。大人にしてみれば小さな出来事でも、子どもたちには大きな努力のたまものなのです。「ヤッター、できた!」という達成感を大切にしてあげましょう。小さな一歩一歩が大きな自信につながっていくのです。
 
             栄光幼稚園長 小鮒 實

   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.341、2009.7月号)より
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