栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.331、2008.8-9月号)より 本文へジャンプ

怒らないで叱りましょう

 わが家ではペットを飼っています。わが家のペットはネコの「ふーちゃん」です。もう8年も連れ添っていますから、家族の一員になっています。

 ペット好きには、イヌ派とネコ派があるようですが、どこのご家庭でも“わが家のペットが一番”と、みな思っているのではないでしょうか。なんたって“カワイイ”ですからね。

 話は違いますが、子どもは、みんな“かわいい”です。でも、「わが子ほど“かわいい”ものはない」ともよく言われます。確かに、そうだと思います。人さまの子どもも確かに“かわいい”。でも、自分の子どもにはかなわない。それがホンネというものではないでしょうか。

 確かに、わが子は“かわいい”のです。それでいいのです。親に愛され、おじいちゃん・おばあちゃんに愛され、家族みんなに愛されて育つ子どもは、本当に幸せものです。

 でも、“かわいい”が故に、かわいさ故に、ついつい過保護になってしまう、甘やかしてしまう、してはいけないこと(悪いこと)をしても叱らない、というようなことはないでしょうか。

 「していいこと(良いこと)」と「してはいけないこと(悪いこと)」があります。そして、「してはいけないこと(悪いこと)」をしても叱られないと、子どもたちは“これは、してもいいんだ”と誤解してしまいます。

 小さいときに、甘やかされ、「してはいけないこと(悪いこと)」をしても叱られないで育った子どもは、“善悪の区別・判断がつきにくく、わがまま(自己中心的)になりやすい。また、自立の遅れにもつながる”と言われています。

 普段の温かい愛情と信頼関係を大切にしつつ、物心のつかないうちは根気強く、また、言葉が理解できるようになれば、理由をはっきり言って(なぜしてはいけないのか、その理由を相手が分かるように説明して)、叱ってみては如何がでしょうか。

 ただし、気分や感情に流されず、一貫性を持って叱ることが肝要です。同じことをしても、「あるときは叱られ、あるときは叱られない」のでは、子どもは混乱してしまいます。一貫性を持つことが大切です。

 ところで、“叱ること”と“怒ること”とは違います。感情的に“怒る”ことはやめましょう。むしゃくしゃした気持ちを子どもにぶつけるのもやめましょう。親の気分や感情で怒られたら子どもはたまりません。子どもは親の感情のはけ口ではないのです。

 怒られて育った子は、怒りっぽくなります。叱られて育った子は、愛情豊かになります。感情的に怒る≠フではなく、怒る気持ちを抑え、冷静になって“叱る”ことを心がけたいものです。
 
             栄光幼稚園長 小鮒 實

   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.331、2008.8-9月号)より
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