栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.329、2008.6月号)より 本文へジャンプ

信・望・愛

 聖書には、次のような言葉があります。

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。」(1コリント13章13節)

「信仰と、希望と、愛」。これを私たちは「信・望・愛」と言っています。「信仰」(信)とは「信じること」(信頼すること)。「希望」(望)とは「望むこと」。そして、「愛」は勿論「愛する」ということです。

 栄光幼稚園は、「キリスト教」をその根底に置いて保育を行っています。キリスト教には、いろいろな教えがありますが、「人間はすべて神によって創られ、生かされている(命を与えられている)」というところから出発します。そこから「一人ひとりの子どもたちを大切に育てる」という保育も生まれるのです。

 私たちは、神さまによって命を与えられている子どもたちを信じています(信)。例えば、今は出来なくても、必ず出来るようになると信じている。身支度が“今”出来なくても、いつか必ず出来るようになると信じている。それはハンディーを負っている子や、発達が他のお子さんより少しばかりゆっくりしている子どもたちについてもそうです。いずれ必ず出来るようになると私たちは信じている。

 勿論、その発達の度合いや成長の度合いは一人ひとりみな違いますし、個人差がありますから、一概に“皆が皆”同じように成長するとは限りません。でも、私たちは可能性を信じています。どんな子でもその子なりの成長があり、今まで出来なかったことも“少しずつ出来るようになる”と信じている。

 ところで、“このように信じる”というのは、今ある現実だけを見るのではなく、将来に目を向けるということでもあります。今ある現実だけがすべてではありません。将来があるのです。未来があるのです。私たちは、子どもたちの将来を、未来を見据えながら、“希望をもって”子育てをしています。子どもたちの成長を“希望をもって”見守っているのです(望)。

 “信じる心”、それは“希望を生み出す”のです。子どもたちには無限の可能性があります。それを信じるとき、私たちには希望が与えられるのです。

 今ある現実だけを見て、“出来る”とか“出来ない”と判断してはいけません。そもそも“出来る”とか“出来ない”ということだけで人を判断することは間違っています。

 “出来る”“出来ない”で人間の価値が決まる訳ではないのです。他人を思いやる“やさしさ”“思いやり”“親切”“いたわりの心”、私たちは、そういうものをもっと大切にして行きたいと思っています(愛)。

 聖書は「信・望・愛」の中で、「最も大いなるものは、愛である。」と教えています。“愛”は、すべての根源です。愛からすべてが始まるのです。愛をもって子どもたちに寄り添い、子どもたちの成長を見守って行きたいと思います。
 
             栄光幼稚園長 小鮒 實

   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.329、2008.6月号)より
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