栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.328、2008.5月号)より 本文へジャンプ

成長させて下さるのは神

 当園では、園児募集時「キリスト教主義保育について」という“ご案内”を配布しています。その最初に次のような一文があります。

 「栄光幼稚園は、創立以来『キリスト教主義 』を実施しており、幼い頃から『いのちの大切さ』について、保護者と一緒にいろいろの体験を通して考えるように保育環境を整える努力をしています。(決してキリスト教を強要するものではありません。)」

 栄光幼稚園は、キリスト教の幼稚園です。ですから、キリスト教主義保育というものを行っています。キリスト教主義とは、「人間はすべて、神さまによって造られ、生かされている(命を与えられている)」という考え方から出発します。

 私たち一人ひとり、神さまによって造られ、命を与えられ、生かされている。私たちは“何者にも代え難い大切な存在である”という所から出発するのです。ですから、私たちは自分というものをとても大切にします。

 しかし、自分を大切にするというのは、独り善がりではありません。他人はどうでもよいということでは決してありません。悪しき「個人主義」、あるいは、自分さえよければという「利己主義(エゴイズム)」でもありません。

 私たちは自分を大切にしますが、同時に、人様(他人様・隣人)も大切にするのです。なぜならば、すべての人が神さまに造られ、生かされている“かけがえのない大切な存在”だからです。それは大人も子どもも同じです。

 ところで、キリスト教の神さまは、私たちに命を与えているだけではなく、私たちを愛していてくださる神さまでもあります。「神は愛である」(1ヨハネ4:16他)という言葉は有名ですが、私たちはみな神さまに愛されているのです。(大人も子どもも変わりありません。誰でもみんなです。)

 キリスト教主義の根底には「神さまの愛」があります。イエスさまは、「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ15:12)と教えられました。神さまが先ず私たちを愛してくださっているのです。ですから、私たちも互いに愛し合っていければと思います。

 「5月の園だより」にありますように、「今月の聖句(聖書の言葉)」は「成長させてくださるのは神である」(1コリント3:6)という言葉です。この言葉はもともとこのようにあります。「わたしは植え、アポロは水をそそいだ。しかし成長させて下さるのは、神である。」

 子どもたちが成長するために、保護者や保育者、みんなが子どもたちの手助けをします。でも、私たちは「成長させて下さるのは神である」ということも忘れてはいけないと思います。

 私たちに命を与え、私たちを愛してくださっている神さまです。私たちもまた愛をもって子どもたちに寄り添い、子どもたちの成長を見守って行きたいと思います。
             栄光幼稚園長 小鮒 實
   栄光幼稚園報「ひかりのこ」(No.328、2008.5月号)より
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