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絵本・3本のもみの木


 (1)森の中に3本のもみの木がありました。
「早く大きくなりたいなー」
「私も大きくなりたいわ」
「立派なクリスマスの木になりたいなー」

(2)春が過ぎ、夏が近づくと、雨が降り、お日様の光をいっぱいあびて
もみの木は、大きくなって行きました。

(3)秋になると、周りの木は、赤や黄色の葉っぱになり、
落ちて行きましたが、
もみの木は、緑の葉っぱのまま、とても元気です。

(4)そのうち、雪がチラチラ降って来ました。
「みなさーん、クリスマスが近づいて来ましたよー」
雪の子たちは、クリスマスが近づいたことを知らせました。

(5)ある日のことです。
ザック、ザック、ザック
一人のおじいさんがやってきました。
“おじいさんには、病気の孫娘がいて、病気で寝ている孫娘の部屋に
クリスマス・ツリーを飾って、一緒にイエスさまのお誕生をお祝いしようと、
もみの木をさがしに来たのです。”
「これはちょうどよい木だ」
おじいさんは、掘り起こし、持って行きました。

(6)しばらくすると、今度は4人の子どもたちがやって来ました。
「教会に飾るもみの木、どれがいいかな」
「あ、これがいいよ」
子どもたちは、もみの木をかついで、クリスマスの歌いながら帰って行きました。

(7)一番小さなもみの木だけ残りました。
「ああーあ、みんな行ってしまった。ボクだけ、クリスマスの木になれないのかなー」
もみの木は、悲しくなって泣き出しました。

(8)お日様が沈んで夜になりました。
空には、きれいなお星様が輝いています。
「小さなもみの木さん、どうして泣いているの?」
お星様が聞きました。
「ボクだけクリスマスの木になれないの」
もみの木は答えました。

(9)星「それはお気の毒、でも、元気をおだしなさい。
神さまは、どんな小さなものをも愛して下さっています。
あなたも、あなたにふさわしいクリスマスの木になれるでしょう」

(10)朝が来ました。
チッ、チッ、チッ、チュン、チュン、チュン
小鳥が来て、言いました。
「今日は、イエスさまが生まれたクリスマス。」
「あっ、ここにとってもいいもみの木がある。ここで森のクリスマスをしましょう。」

(11)森の動物たちが、赤や黄色の木の実を持って来ました。
まつぽっくりやどんぐりもあります。
そして、みんなでもみの木をきれいに飾りました。
もみの木は、とっても喜びました。
森のクリスマス・ツリーになれたからです。

(12)クリスマスは、イエスさまが生まれたうれしい日、喜びの日です。
みんなでクリスマスをお祝いいたしましょう。
“うれしいお心で!”

   クリスマスのお話より
 クリスマスのお話