10月25日(土)に、第27回「巨木を語ろう全国フォーラム群馬・高崎大会2014〜命と絆・巨樹の生命力に学ぶ〜」があり、会場の道の駅くらぶち小栗の里(高崎市倉渕町三ノ倉)に行ってきました。主催は第27回巨木を語ろう全国フォーラム群馬・高崎大会実行委員会(実行委員長市川平治)です。
まず、歓迎演奏として、倉渕中学3年生全員と音楽部員による『小栗のまなざし』の吹奏楽演奏がありました。難しい曲ですが、一生懸命に演奏しており、感動しました。
続いて、倉渕巨樹の会の中澤孝夫事務局長が開会宣言を行いました。
基調講演では、群馬県下仁田町の長楽寺住職・峯岸正典師が「巨樹・巨木に生命を育む」と題して次のようなことを話されました。
遠い遠い昔、森の中で私たちが感じていた、自分自身さえも忘れていたような、見えるものより見えないものの方が大切だという感覚。巨樹・巨木が私たちに与えていたもの、それは「巨(おお)きなもの」であり「聖なるもの」でもある。巨樹から感じる「いのち」への目覚め。生死を繰り返す《有限なるもの》が巨木を通して永遠に等しい《ときの流れ》へと収斂(しゅうれん)されていく…。そういったことをご一緒に学びたいと願っております。
次に発表として、群馬県林業試験場の中村博一さんによる群馬の名木・後継木の育成事業についての報告と、「樹守人の思い」と題した、石井ミツさん(沼田市 薄根の大桑)、井野照司さん(伊勢崎市 連取の松)、牧野佳央里さん(ラジオ高崎)による鼎談(ていだん)がありました。
群馬県では名木で有名な沼田市薄根の大桑と伊勢崎市連取の松、その樹守人の石井さん(80歳)・井野さん(77歳)と、孫のような歳の牧野さんの鼎談は、今大会の主役級の話題を誘いました。山の中にある巨樹ではなく、生活の中で見守り、町の中で守り続けた熱い思いが語られ、笑いもあり、人間的な温かさもあり、本当に素晴らしかったです。
仕事の帰りにたびたび寄ったことがあり、いつも驚嘆している、県指定天然記念物の伊勢崎市連取の松は、高さ5メートル、枝張り東西35メートルの巨大なクロマツで、地元では「笠松」の愛称で古くから愛されています。保存に長く携わっている井野さんや地元の方が綿々と守っているのでしょう。
続いて萩原多美枝さんによる紙芝居「みんなをみまもる連取の松」があり、会場展示として、「石井としかつ巨樹絵画展」「群馬県の巨木巨樹パネル写真」がありました。
次に、倉渕中学校の生徒による大会宣言がありました。
1、私たちは、巨樹巨木林が積み重ねた時間の流れに思いをはせ、命をつなぐことの大切さを学びます。
1、私たちは、祖先から受け継いだ緑豊かな故郷を愛し、樹木と共に暮らす生活に誇りを学びます。
1、私たちは、この地球上に営まれるすべての生命活動が守られるよう、自然環境に努めます。
1、私たちは、全国各地からのお客様をお迎えして交流できた経験を、生かして、これからも幅広い視野を養います。
そして次回開催地である香川県小豆郡土庄(とのしょう)町の三枝邦彦町長に、大会旗が引き継がれました。
閉会後、約1時間の「地元の巨樹・史跡めぐり」があり、神木名木コース、三又杉の御神木コース、小栗上野介史跡コース、映像鑑賞の四つのコースに分かれて活動しました。
最後に、全国巨樹巨木ファンと地元実行委員や各関係者の皆さんとの楽しい交流会がありました。
何年も前から実行委員が準備していたということを聞いていましたが、地域一体になって、全国各地からのお客様を温かく迎えて、大会は大成功に終わったと思います。故郷の自信となる地域の力を感じました。
翌10月26日(日)には、県内巨木ツアーが開催され、次の四つのコースに分かれて県内を巡りました。
【参考】