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日帰り |
2005年3月19日 |
前日、丹沢・三国山〜不老山の縦走を終えて、今度は2月の箱根外輪山の続き、予定していたけれども行けなかった箱根峠以南に向かった。駿河小山で温泉に入ったときはそのまま帰りたいと思った。もし他に人がいたら一緒に帰ってしまったかもしれない。
小田原に移動し、晩飯を食べ、20:50発箱根町行きのバスに乗って終点で下車。何で観光地にこんな遅くまでバスが走っているのだろう、と思ったら意外と人が乗っていた。降りてから街を離れて峠へ向かう。車は時々走ってくる。国道1号線だからもっと走っていると思ったのだが、よく考えたら長距離走る車は高速道路を使うはずだ。
道の駅箱根峠に着いて缶ジュースを飲んで落ち着く。ベンチで銀マット広げて寝ようかと思ったが、「特別警戒実施中」という張り紙があり、不審者とか不審物とか通報しろというようなことが書いてあった。登山者は第一級の不審者であるので、しかたなく海の平への登山道に1分ほど入った十二丁園地で寝ることにする。ベンチは狭くて落ちそうだったので、その横に銀マットを敷いてシュラフに入り寝る。傾いていて眠りにくかったがしかたない。すぐ下をライトをつけた車が行き来し、その向こうには道の駅の自動販売機群がこうこうと灯っていた。
朝5時起床。寒くてときどき起きる。水平でなかったのでツェルトを立てなかったのだが、出してくるまっていればよかったかもしれない。銀マットには薄く霜が降りていた。二子山のあたりが赤くなるころ、出発。道の駅からすぐ箱根峠インターチェンジ。歩道もなく怖いがまだ車通りも少ない。峠の頂部にはファミリーマートがあったが7-23と看板にあった。どうやら朝7時にならないとあかないらしい。でも誰が営業しているのだろう。
峠から先はゴルフ場の中を県境が走っているので西の県道20号線という道をたどって巻いていく。主要な道ではないのでこっちは人少ないと思っていたが、意外と車が走っている。歩いていると右の藪の中からホーホケキョ、今年最初の春を聞いた。道が谷に沿って大きく右に曲がるあたりで鞍掛山にとりかかる。
潅木のヤブだが、道から見えるところに堰があったので割と楽に登れるのではないかと期待する。しかし、道はなく純粋なヤブこぎ。とりあえず藪の薄そうな右岸を登り、ゴルフ場の下を巻いていく。歩いていると白いゴルフボールがそこここに落ちていた。振り返ればゴルフ上のホールを指しているポールがあった。イバラが生えており、こればっかりは漕ぐことができないのでよけて歩く。
そのあと県境の尾根へ斜面を登っていく。笹ヤブで背丈ほどの高さ、密度は普通。稜線にはところどころ木が生えており、斜面よりは見通しがきいた。後ろを振り返るとゴルフ場が広い。山頂には電波塔があり、最高点あたりに三角点はないかと探したがやはり笹ヤブなので見つからなかった。ただ赤テープを3つくらい見つけたのでどこかその近くにあるのだろう。
電波塔のゲートの前で一休み。少し寒い。鞍掛山は北と南に2つのピークがある。全部で3つの電波塔があり、車道は東から伸びてそれぞれの電波塔に向かっている。ピークとピークを結んでいるだけでその先はやっぱり笹ヤブ。南のピークの電波塔も金網で囲われており、南側に行くのも一苦労だった。そのため南の電波塔の南側には車道から登ってくる登山道があったが、実質的に行き止まりである。
この先、湯河原峠までの間にもう一つピークがある。登り返しは10mと少ない。とりあえず鞍掛山から笹ヤブを下っていくが、やはりヤブは下りに限る。すいすい鞍部に着いた。登りはさほどヤブもきつくなく山頂に着いた。ヤブも薄くただかん木が生えているだけだがイバラたちがうっとおしい。さらに湯河原峠まで南西方向に笹ヤブをこいで下る。はじめは傾斜の少ない尾根だが、下るにつれて急になってくる。運よく湯河原峠ドライブインの貯水施設に出てそこからは踏み跡をたどることができた。
もっとも当のドライブインはもう営業しておらず、広い駐車場だけがあった。記録のために少しだけ休む。湯河原峠はちょうど箱根ターンパイク、湯河原パークウェイと2つの有料道路の終点になっている。料金所があるが、ひょっとしたら人に見られていたかもしれない。
すこし南に県道20号線をたどり、地形図にも示されている登山道に入る。が、この登山道、のっけからあやしい。入り口には何も看板はない。道幅は2mくらいあり、笹ヤブが刈られているので人の手が入っていることが分かる。しかし、刈り取った後は消えている上、道の真中にもう笹が生えていて古いことがうかがえる。それでもかなりたどることができる。
道は904m峰を東から巻き、次の900m峰鞍部あたりで道が狭くなる。えっちらおっちら登っていくと平たい900m峰にたどり着いた。誰が刈ったのか900m峰は笹ヤブがすっかり刈り払われ、眺めがよかった。山頂付近に石だったか木切れだったかが立ててあり、ここがピークであることを示しているようだった。広いものの、つぎの908m三角点峰がヤブの上に少し見える程度、下の池も見えず、肝心の次の道が見つからない。もっともここまで歩いてきた道は地形図と異なるのでこの先の道を期待する方が難しい。戻ろうかどうか悩んだが、地形図に載っている道があれば池に下る途中に交差するはずだし、道がなければ池に出て池沿いに車道に出ればいいと考えた。池の西側には堰のように黒く直線がひいてあり、人の管理する池ならば管理用に周回する何らかの道が期待できるからだ。
道からピークに出た近くに池に下るらしい道を見つけ、それを下るがすぐ道はなくなる。適当に下る。やがて池の対岸が見えてきた。池の縁は白く、コンクリートで護岸されているように見える。貴重な貯水池なのだろう、池に道はありそうだ、と見当をつけた。結局地形図に載った道に交差することはなく池に出てしまった。が、期待していた道はない。白く見えていたのはただの霜だった。土の斜面に霜が降り、そう見えただけだった。こうなったら車道に出るしかない。池に出ればあとはどうにでもなると考えていたが、そうはいかなかった。池の縁は水平でなく池に向かって傾斜がある。ヤブと池にはさまれ幅もない。幅もないところはやむを得ずまたヤブに入った。どうやら窪地に水がたまっただけの自然湖のようだった。
やっとのことで池の西岸に出るが地形図から予想していた堰もなかった。ただ幅はあったので歩くには問題なかった。道に出て一本。だいぶ疲れたので908m三角点峰は諦めるしかないだろう。たかだか60mの登りのヤブ漕ぎだが、この先稜線沿いもヤブ漕ぎとなると身動きが取れなくなる。単独行だし三角点峰は巻いて湯河原に下ることにする。
しばらく歩いていると左手に「三島レッカー」という看板がある。その柵の向こうには踏み跡が。これは行けるのかもしれないと踏んで柵を越えて踏み跡を南に向かってみる。広い台地があり、その先三角点峰まで2すじの道が見える。この左をたどる。のぼりの代わりなのか笹のポールが立ち、その先端に赤い布がひらひら舞っていた。左の道は途中で途切れ、また笹ヤブを漕いでいく。笹を開くとやっと道に出た。ほぼ稜線に沿っており、三角点もすぐ近くだった。道は池のほうにも伸びていたのでどこまで続いているのか気になったが、すぐ下りなのでたどるのはやめておいた。
笹ヤブの切り分けは乱雑で残った笹の根元が鋭く上を向いていた。ずっこけたらケガは必至だ。慎重に歩く。この道はしばらく続き、南端の峰あたりで2つに分かれる。左手に行けば湯河原へ下る登山道が山腹をからむところに短絡して出られそうなので左に行く。しかし、その道は送電線の鉄塔で途切れていた。その下のヤブはさほど濃くなかったのでそのまま下ることにする。
途中またイバラが出現し行く手を阻んだりもしたが、県境と思われる谷をたどることができた。谷といっても傾斜はゆるかった。樹林帯に入り、何となく登山道っぽい道を見つけ、たどることにする。地形図上ではしばらく北にトラバースなのでそれに従っていく。が、途中の尾根あたりで道は消えてしまった。しかたないのでまた先ほどの谷に向かって下る。谷はなかなか水が現れない。下っていくと踏み跡を発見。つづけて道はトラバースし、水流のあるワサビ田を見つける。これで下界に下れると思い一息つく。
このワサビ田はどうやら捨てられたらしい。ワサビは並んで生えておらず、階段状に積んである石造りが一部崩れている。地権者を示す看板があるが、誰も来ていないようだ。下り始める。この道はおおむね沢の左岸についており、歩き始めると沢の上のほうを通る。樹林帯では道ははっきりしており、ところどころ杉の木に白いスプレーで目印がある。"3"と書いてあるものもある。429m三角点峰手前と見られるあたりで鳥獣保護区の赤い看板があり、そこから三角点峰に向かう道と沢に下る道に分かれる。沢に下ると道がない。対岸に渡ってみると踏み跡っぽいのがあるが、だんだん登っていくのでやめた。
また左岸に戻り、もう道を諦めて沢のそばを歩く。沢の幅は狭いのでもう沢の下降みたいである。このままゴルジュでも出てきたらザイルもないし、どうしようもない。左岸では行けそうになくなったので、石を踏んで沢を越えて右岸に渡る。上水にしていたと考えられる壊れたパイプが続いている。やがて堰が出てきたが右岸に何となく踏み跡があり、これをたどることができた。堰はさらに2つほどあったがそれも同様に越えられた。やがて壊れた小屋を見つけた。パイプがつながっているところを見ると飲み水の古いため池があったようだ。すぐ車道に出ることができ、ほっとした。
あとは車道をたらたら下る。湯河原といえば、温泉に梅林。温泉はどこも日帰り1000円と高いので入らなかった。足湯でさえ300円。昨日の駿河小山の温泉と同じ値段である。300円で足しか入れないのもバカらしいし、温泉に入ってしまうと太平洋まで歩く気がなくなりそうなので温泉には入らなかった。梅はもう散り際で咲いてはいたが、町のポスターを見ると梅林の祭りは先週で終わりだった。十国峠へ向かうと思われるハイカーたちとすれ違いながら千歳川沿いに下り、太平洋に出たところで一本。砂浜ではなく、国道を渡ることも難しそうだったので千歳川にかかる千歳橋で終点とした。
これで道志川神ノ川キャンプ場からこの千歳橋まで私の足跡がつながったことになる(参考:西丹沢・道志(神ノ川キャンプ場〜三国山〜篭坂峠)、丹沢・三国山〜不老山〜駿河小山、箱根外輪山(駿河小山〜箱根峠)。そう思うと「我ながらやるな」という充実感に包まれた。上機嫌のままJR東海道本線湯河原駅へ向かい、そばを食べて家に帰った。駅の階段がしんどいなと思って考えると、鞍掛山は1004m、終点は海抜0m。今日は1000m下ったことに気がついた。 (2005年3月21日記す)