2003年秋 - 新潟県魚野川カヌー

4年 松原 Matsubara

夜行日帰り

2003年9月20日
JR上越線石打=前島橋…八海橋…浦佐…小出
メンバー:C.L.松原(4), 中山(4), 三井(4)
新潟県魚野川の位置

はじめに

 もともとは自分にとってはラストカヌーになる可能性が高く(*1)、最後に是非とも日本の川を味わっておきたいと言うのが前提としてあった。そのついでとして1年生を連れて行ってレベルアップさせようかなあと考えて計画を立てた。が、1年生の都合がつかずに三井、中山の面子で行く事になった。ちなみにいつも出現している堀井はお腹が一杯らしく不参加であった。目的地はユーコン川(参考:ユーコン川漕行の記録)がまったく技術の要らない川だったので今回はそれなりの技術が要求される魚野川にした。

(*1)松原さんは晴れて卒業、就職することが決まったから。


 いつもどおり部室集合、ちょっと用があって遅くなった。それでも荷物を適当に積めて10時には出発。夜の環八を順調に進んでいく。高速に乗ってしばらくした辺りから雨が降ってきた、天気予報で確認していて分かっていたが気分はイマイチ。さすがの中山伝説(*2)も今日が最終かな。

(*2)自分で書くのも変だが、私、中山がカヌーに行くと晴れるという伝説のこと。

 途中コンビニで朝飯と行動食を購入、いつもながらカヌーらしい行動食カップ麺である。下るコースとしては堀井、三井と行った2年前と変えていないので迷わずに目的地へ着く。水を汲んでいなかったので石打の駅で汲ませてもらう。雨が降っていたらステ寝にしようかと考えていて、しかもこの駅はステ寝ができそうなのでちょっと悩む。しかし雨はほとんど止んでおり、三井がステ寝はやだと言うので結局橋まで行く事にした。

 前回と同じ前島橋に車を停める。橋の下は車が入れないので、カヌー以外を橋の下へ運んでテン張る。

 翌朝目を覚ます。ここで衝撃の事実が、またもやコッヘルを忘れる。おいおい何やってるんだよと自分にまずつっこみを入れる。朝飯はチキンラーメンでコッヘルがないとどうしようもないので三井に小コッヘルを借りて腹ごしらえをする。コンビニで箸を貰ってきて良かった。

 飯を食ってからカヌーを組み立てる、雨が微妙に降っているので橋の下で組み立てることにした。三井はほとんど一人で組み立てられるのだが、中山はそこまでではないので教えながらゆっくりと組み立てをする。

出発
出発。サッカー選手がゴールを決めたときのポーズをとってみる。左が中山、右が三井。
出発まっつん
出発時の松原。

 荷物を積んで出発。ここら辺ではまだ川幅が狭かった、しかし浅くはないのでなかなか宜しい。と出発して本当に100mやそこらで事件発生。簡潔に述べると中山がやっちゃったのだ(*3)。詳しく語ると順番として三井、中山、筆者の順で進んでいた。そして瀬とも言えないようなところに中山が絶妙な角度、川の流れに対して直角に突入してしまう。その先には俺の位置からでも見えるような岩が。当然岩に横向きに引っかかり、ひっくり返る。これを見てすぐに私は三井に岸着けろと叫び自身も岸へ。私が岸に着けて振り返ると見事なまでにカヌーが真ん中から曲がっていく、あらあらと思いながら中山のヘルプに向かう。中山は一生懸命カヌーを外そうとしているがなかなかできない。と入ってもカヌーPに長年所属しており、トラブル解決に慣れている私にとってはたいした事ではなかった。カヌーを岩から外して岸に着ける。

(*3)このときは、出だしから失敗して本当にすいませんでした。

 岸に着けて観察してみるととりあえず3番フレームが四角形に曲がっていた。余談だが釧路川での松田の沈の時もこんな感じに曲がっていたものだ。ついでにGフレームが折れているのが見える。これはもう使えないねえ、さーてどうするかな。出発してからある程度距離があるのならば即敗退なのだが今回は幸か不幸か車がすぐそばにある。それならばここで壊れたカヌーを畳んで車の中に放置し、残りのカヌーの一つを二人乗りにして下る事ができる。せっかく来てもう少し下りたいので結局この案をとることにする。まずは中山にカヌーをばらさせる。その間に俺は椅子を移動させるか。まあここは中山が持ってくべきだと思うのでカヌーを車に運ぶのは中山に任せる。その間に三井艇までこちらのカヌーを下らせ、荷物の再積み込みをする。3人で二艇あれば十分なのは体験済みだからね。

 今度は三井一人艇、中山前松原後ろで出発。中山が凹んでいるようだが一万もあれば直せるし、あまり気にするなよと慰める。しかも言ってはナンだがイタオさんの舟だからね、正直そろそろ寿命だという気もする。まあそんなに気落ちするほどの事ではないと俺は思うよ。

 しかし中山は気田、那珂、熊野とそれなりにカヌー体験をしているのだがなあ。私が思っているよりも魚野は難しいのかも。それを考えると本栖湖の次がここでノー沈だった三井はカヌーセンスがあるのかも知れない。あくまで可能性だがね。そんなわけで中山に多少瀬を解説しながら進んでいく事にした。と言ってもさほど厳しい場所は無かったと思うんだがなあ。

 魚野川は前と変わらず瀬が頻繁に出てくる、しかも川の流れが速いのでとてもサクサク進める川だ。いいねえ、このスピード感。ユーコンの時も速かったのだがこの時は岸から距離があるせいでそこまでスピード感が楽しめなかった。日本の川は良いねえ、景色も変わるしなあ。久々の日本の川を存分に堪能する。

 しかし結構厳しい川だなあ。流れに乗っていても隠れ岩とかにカヌーを擦ることがしょっちゅうある。これは避けようがないので仕方ないのだが、堀井ごめんよ。二人乗りだからその分喫水が深かったのも悪かったかも知れない。

 そのうちに今回最大の山場と踏んでいた八海橋に差し掛かる。最新資料によると手前の橋下から左岸を行けとのことだったが、水が通っておらずバイパスになっていない。しょうがないね、偵察しよう。寒かったので丁度良い運動だろうと1キロ弱歩いて偵察しに行く。うーん、釣り人が多くてライン取りが難しいなあ。

 悩んでもしょうがないのでまずはカヌーを瀬の手前まで近づける事にする。釣り人が気を利かせてどいてくれたので目星をつけておいた退避ポイントまで下る。ここでまた岸に着けて再度偵察。どれどれ、肝心の瀬は・・・。前回とまったく同じ状況で絶句するしかない。ここはポーテージ(*4)するのもきついんだよねえ、でも仕方がない。まずは岸沿いにライニングダウンですれすれまで近寄りここからポーテージする。テトラの間をうまい具合に流すようにライニングダウン(*5)に近いポーテージをしていく。いつもながら大変なんだよなあ、これが。

(*4)ポーテージpotage---川が浅い、堰がある、などの理由でカヌーを持って歩いて、その地点を越えること。

(*5)ライニングダウンlining dawn---細引きを用いてカヌーを水に浮かせながら牽引する事。

 頑張ってポーテージを終わらせる。ご苦労、んじゃあ飯にしよう。お湯沸かしてねえ。振り返って瀬を見るとすごいねえ。一見上流から見る限りでは下れそうなのだが、下流から見ると瀬の最後にテトラの影がある。なんかなあ嫌らしいよねえ、ついでに言えば今回の魚野川の瀬はゴリッとやる時は全般的に最後にやる事が多く、最後が難しい川という印象だった。しかしこの人工瀬の存在意義が分からないね。丁度土木の中山がいるのでいじめる。中山にも理由が分からないらしい。そりゃあそうだ、素人目にもワザワザ川の流れを捻じ曲げて極々狭い場所しか水を通過させるようにしているこの状況は変だからな。などなどと国交省の悪口を言いながら飯にする。うーん、カップ麺うまいねえ(*6)と言いたいところだが何故か食えない。どうも食欲がないらしい、結局中山に手伝ってもらってしまった。なんだか近頃残すなあ、ユーコンでも初残しやってしまったし。2回目だ。

(*6)どうでも良いが、松原さんと堀井さんはいつもカップ麺を食べているイメージが有る。そんな人が残すなんて!、ユーコン行ったら痩せたらしい。

 ゆっくりと休憩を取り再出発する。8時出発で12時再出発か、来た距離は半分弱だが中山の事故と食事休憩を取った事を考えれば早い。14キロ程を正味2時間半掛かっていないのだから日本の川としては素晴らしいスピードと言える。速さを比較するためについでに書いておくと、一般的には時速4キロ前後が標準。

 今回の最大の難所を無事クリアして進む。この先は中洲が多くなる、ルート的には一応全部行けるのだがやはり本流を行きたい。特にファルト(*7)の場合はなお更である。が、この後も厳しい瀬が出現してくる。分かれた流れが合流するようなところでは本流を進むと水量が多いので水が中に入ってきて幾度となく沈しそうになってしまった。特に八海橋を越してすぐのところで本当に沈しそうになった。漕ぐ事ですらバランスを崩してしまうほど水が入ってしまったのだ。すぐに岸に着けて水抜きをする。水抜きもかなりした。後に三井が言うには「瀬を気分良く越えて後ろ見るといつも水抜きしてるんだもん」とのことであった。まあしょうがない、スポンジだけじゃああの量は出せないよ。

(*7)ファルト・ボート---組立式フレームを船体布で覆うタイプのカヤック(カヌー)の事。軽くてコンパクトな為に持ち運びやすい反面壊れやすい。

 そんなこんなで浦佐のやなに着く。手前から水の音が凄いのだがまったく瀬が見えない。うーむ、これはやなの方の音ではないかなあ。資料によれば左岸沿いは行けるらしいし、1級程度の印だからな。様子を見ながらそろそろと近づいていく。すると、おいおいとしか言いようのない状況だった(*8)。やなの為に段差を作っているのでこんなになってしまったのだろう。ここは確かに行けなくはないだろう、ポリ艇(*9)ならね。だけどファルトでここは行かないよ、カヌーを壊してもよいのではない限り。ここも当然ポーテージする。

(*8)1〜2m程の段差が角度の魔術によって隠されていた。目の前に来るまで視認出来ない罠である。

(*9)ポリエチレン・カヤック---ポリエチレン製の為、浮力があり衝撃に強い。

 やなの為に不自然な状況で作り出されている中州からのポーテージは岸に着けるのが大変であった。木で組んである柵を越えるのだが、急に深くなっているので足がつけづらかった。しかし距離自体は短いので八海橋ほど大変なわけではない。よしよし、これで後2箇所のやなだけだな。

 浦佐を過ぎると前回私が沈した箇所があるはずである(*10)。しかしイマイチ記憶があやふやである。うーん、恐らくここだろうなあという場所はあるのだが。良く分からなかった。ただし今回は非常に慎重に行かせてもらった。やはり前回やってしまったところだからなあ。この後は2箇所やながあるはずだったが時期がまだ早かったのか見当たらなかった。宜しいことだ、あっても構わないのだがやはり無いほうがありがたい。

(*10)J-POPの歌姫aikoの歌「ボーイフレンド」にあやかって、「あ〜、テトラポットで沈して〜」というフレーズが流行った。

 浦佐を過ぎるとゴールの小出はすぐそばだった。3時前だったかな、やはり早かった。小出には3つの橋があるのでどこに上がろうかと考える。前回の所で良いのだがどうも記憶が曖昧なのだ。私は一番最初の橋だったと思うんだがなあ。三井はもうちょっと下ったと言い張る。とりあえずカヌーは下に下るのは簡単なので一番最初に見かけた橋に上陸することにする。記憶によると右岸に上がったのだが車が停めてありとてもテン張る気分になれない。左岸に上がることにする。上がるところは草むらだが踏み跡もありさほど悪くはない。岸は芝生でさらに悪くない。町の中心にはちょっと遠いが問答無用でここにテン張ることにした。

小出に着いたよ
小出に着いた。橋の下で記念写真。
江頭2:50
江頭2:50のマネをする中山。

 普通ならばテントを立ててから買出しなのだが、今回は留守番がいないのと人家が近いので先に買出しをすることにした。まずは沢足袋をサンダルに替える、うむ、この開放感がたまらないね。三井と中山はサンダルを持ってきておらず靴だった。かわいそうにねえ。貴重品を持って買出しに向かう。前回来たときに大きなスーパーがあったのでそこを目指す。あいまいな記憶を頼りにスーパーに無事着く。一応食当は決めていたのだが三井と中山がジャンケンで決めなおしてやがった。ったくせっかく計画書作ったのに無視しやがって。まあどちらがやっても構わないんだがね、メニューは買出ししながら決めるから。今回は非常に寒いので鍋にさせる。特にこういう場合はキムチ鍋でしょう。三井はその他の鍋の素を探していたが時期が早かったせいかまだ売ってなく、結局キムチ鍋になった。

 カヌーらしく大量に買い込む。なんで鍋があるのに焼肉2パックも買うんだろうねえ。寒いので焚き火がしたいが、薪が見当たらなかったので炭も購入。冷たいビールを買えば完璧である。

 買出しを済ませても3時半だった。中山がヤワラギを作ってくれたのでそれを飲んでやわらぐ。気象通報を中山がつけるらしい、カヌーでつけてる姿を見るのは実に久しぶりだ。いつだったかなあ、最後は。利根川でつけたかなあ、つけてなかったら私の時の釧路川が最後になりそうだ。中山がつけてる間に夕飯の支度をする。と言っても切るだけなので三井が切ってるのを眺める。

 なんだかボランティアの人々が芝生の掃除を始めた。うーむ、じゃまにならないようにとりあえず荷物をコンクリートの所に移動させる。文句言われるかなあと小さくなりながら飯を作る。そうしていると掃除していたおじさんが「すまないねえ」と声をかけてくれた。うむ、良い人だ。こちらも下手に出てすみませんねえ等と言いながらちょっと会話をした。もめることにならずに良かった良かった。

 中山がつけ終わる頃、飯もできた。絶妙のタイミングだね。飯をよそわせてる間に気象図を眺める。あはは、笑うしかない天気図だった。なんだよ、この台風の進路は。明日雨は確定だねえ。まあこの時点で敗退が確定したような気がする。

 この後はいつもの通りに宴る。しかし寒いなあ。炭に火をつけるが、これがまた安物で水分を含んでいるらしく爆発が多発する。酔ってきて面倒になった俺はほとんど手伝わなかったが三井と中山が真面目に炭を細かくしてくべていた、偉いなあ。この後の記憶はあまりないなあ。途中から眠くなって寝てしまったから。夜いい加減寒くなってきたところでテントに入って寝る。

たき火をおこす
あおげえ、あおげえ。あおぐぞ、あおぐぞ。たき火をおこす。
あおぎ疲れた
あおぎ疲れました

 翌朝顔が冷たくて目を覚ます。何だコリャ、いつの間にかウォーターベッドになってやがる。そそくさとテントから逃げ出す。中山と三井は既に抜け出しており飯を作っていた。よく寝れましたねえと感心されるが、シュラフの中まで水が入ったわけではないのでまったく気づいていなかった。中山はパンツまで濡れてしまったらしいし三井は途中から外で寝ていた(*11)という。大変だったねえ。

(*11)一晩中降り続いた雨の所為で、草むらの上に張ったテントは水没していた。真中に居た私の被害が一番酷く、零時頃から焚き火跡の上で凍えながら夜を明かした。しっかし、マッツン酔い潰れすぎ。

 朝飯のお粥とソーセージを食いながら今日の行程を話し合う。雨は小降りとはいえ川は前回同様かなり増水している、正直あまり行きたくないところだ。そんなわけで多数決を、「行きたい人―」、「シーン」。「帰りたい人―」3人ともすぐさま手が上がる。んじゃあ車を取ってきますか。2時間くらいはかかると思うのでそれまでにカヌー畳んどいてねえと頼んで車の回収へ向かう。ついでに三井が中山の沈でごたごたしている時にカッパをなくしてしまったらしいので探したが見つからなかった。当たり前だが沈した周辺も増水しており、水が河原を洗っていた。そのため流されてしまったのかも知れない。しかし普通あの天気ならカッパは着て行動するだろ・・・。

 この後温泉に入り、下をのんびりと走りゆっくりと大学に帰った。まあ今回のカヌーはそんなに悪くなかったのではないかなあと思う。瀬のレベルが結構面白かった。トレ山には最適だろうね、これから先あるか知らないけど。

commented by Nakayama &
Mitsui