東京工業大学ワンダーフォーゲル部

2002年雪山合宿 - 南ア光岳・茶臼岳[1/4]

3年 戸部 孝広 Tobe Takahiro
メンバー:戸部(3), 永谷(2), 三井(2), 八木沢(2), 車(1)

 いまさら旧人合宿(*1)のことを書けと言われても、1年以上も前の出来事の上に、後述の事の為に自分の中であまり良い記憶ではないのでイマイチ記憶があやふやなところが多い。なので起こった事を簡潔に書きたいと思う。雪山パーティーの旧人合宿は、ワンゲルのメジャーなルートである(*2)南ア南部に行くことにした。あまり危険な箇所はないが人も少なくひっそりとした山を堪能できるルートである。

(*1)なぜか東工大ワンゲルでは冬の合宿(雪山、里ワン)を旧人合宿と呼ぶ。

(*2)東工大ワンゲルでは南アルプス(聖岳・光岳)、中央アルプス(木曽駒ヶ岳・空木岳)、北アルプス(燕岳〜蝶ガ岳)をローテーションで登っていた。「いた」というのはこれが事実上最後の雪山合宿になってしまったためである。

 メンバーは3年の残り2人が逃亡した(*3)ため、3年生戸部、2年生永谷、三井、八木沢、1年生車の計5人となった。パーティーの面子は以下のような人間である。

1年生 車
ワンゲル唯一の1年生である。学業の成績は4類で一番になるほど凄いのに、世間知らずであり、ふだんの行動も山での行動も緊張が足りないように感じられる。良く永谷に遊ばれているようだ。もう少し悪知恵をつけたほうが良いよ君は。しかし夏に知床縦断を達成したメンバーの1人であり、体力、気力とも問題はないと言える。もっとも単に痛みとかを感じる神経が鈍いというだけのような気もするが。
2年生 永谷
893。体力、技術ともに十分なのだが普段は決してそれを発揮しようとしない男。やればできる子であるがやる気になることはまずない。でもいざという時は頼りになる男だと信じているよ。
2年生 三井
筆者とは夏の縦走パーティーでも一緒だった道産子。こいつとは何度も山に行ったが言える事はひとつだけである。後先考えない大馬鹿野郎だ。馬鹿ばかバカヴァカもーホントに馬鹿。
2年生 八木沢
2年から入った男であり、夏の合宿でも筆者と同じパーティーであった。1年から入っていればもっとまともな人間になっていたはずである。ワンゲルに来る前にはボート部にいたらしい。見た目通りの腹黒い(*4)男である。
3年生 戸部
筆者。リーダー。ついでに部長。

この面子で旧人合宿に行くこととなった。トレ山は白毛門、会津駒、八ヶ岳に行った。本当はもっと行ったほうが良いのだが、まぁ簡単なルートであるので良い事にした。

(*3)俵田さんは腰を痛め、藤田さんはのどを痛めた。藤田さんは里ワンに来た。里ワンについては里ワンの項参照。

(*4)いっとき、共同装備がガス缶500g一つだったという噂がある。

アプローチ

2002年3月14日
新宿高速バスターミナル=飯田駅(泊)

 新宿のバスターミナルから飯田駅へ向かう。飯田駅では小村さん達の時のように朝日タクシーの営業所に止めてもらう、もちろんタダで。どうも翌日の天気はあまり良くないらしい。しかも雪ではなく雨のようだ。少し暗い気持ちになりながら就寝した。

1日目

2002年3月15日
飯田駅=易老渡…易老岳手前(泊)
南アルプス南部の地図

 朝起きると雨が降っていた、それも激しく。ブルーな気持ちになりながらタクシーで登山口のある易老渡まで向かう。山の斜面が見えるが果たして雪は全く無かった。ホントに上のほうに雪あんのかよと言いたくなるほど雪は見えず、雨は降る。易老渡についても雨は止む気配も無く、一同ブルーな気持ちになりながら合羽を着る。合羽を持って来てない者もいた(*5)ようだがそんな奴のことは知らん。計画書に合羽と書いておいただろうが。

(*5)雪山で雨が降ることはほとんどなく、カッパとヤッケは機能が似ているために軽量化の対象になってしまうのだろう。

易老渡から易老岳
最初の登り。易老渡から易老岳へ。

 出発写真を撮っていよいよ出発である。雨の中全く雪の見えない斜面を黙々と登っていく。初日のザックがずしりと重い、出発1時間で帰りたくなってきた。それでも我慢して登る。2時間ほどすると雪もちらほらと見られるようになってきた。面平も過ぎ、さらに2時間ほど登った所でもうギブアップ。まだ時間も早いけどもぉいいや、水も作れるくらい雪もあるし、と言う事でここでテン張ることにした。相変わらす雨は降っており、全ての装備はずぶ濡れである。雪山で初日から装備をぬらすのは憂鬱この上ない事である(*6)。外張りではなくフライ(*7)を持って来れば良かったと死ぬほど後悔するが後の祭りである。飯食ってさっさと寝る。

(*6)雪山で濡れたものはすべて凍る。凍ったものはいかなるものも使えなくなる。したがって、雪山では夏山以上に雨が嫌われる。

(*7)フライシート。テント本体にかけ、雨をよける。これも雪山で雨が降ることを想定していなかったため、フライシートを持ってこなかったのだろう。

commented by Nakayama